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皇帝と鬼姫

そんな中で1人だけ違った行動をする者がいた。それがこの私である。私は新撰組局長をやりながら領主、防衛大臣、財務大臣、外務大臣、騎士団総司令官の任に就いた。

そして現在は国防省に出向し日々業務に追われている毎日を送っていた。

今日は久しぶりに領主としての仕事をしていた。その日の仕事が一段落すると書斎に戻り一息ついていた。

「ふぅ~今日も疲れたなぁ~学園も順調…甘い菓子の製作に帳簿も完璧…」


私は椅子に座り机に突っ伏すように寝転ぶ。

「お疲れ様ですリゼ。紅茶をお持ちしました」


クラウスが私の机の上にお茶菓子と一緒に置いてくれる。

「ありがと」

「いえ……これが私の仕事ですから……」


クラウスは微笑む。


「ところで何か御用があってこちらに来たのではないのか?」

私は寝転びながら聞く。クラウスは苦笑しながら答える。


「実はですね……最近街で妙な噂を耳にするようになりましたので報告に来たんです……」

「妙な噂?どんな話なの?」

「はい……なんでも近いうちにサツヴァが動き出すかもしれないと……」

「なるほどね……」


私はゆっくりと起き上がり考え込む。


「もし仮にそうだとしたら……また戦争になるかもしれない……」

「はい……可能性はゼロではありません……ですからリゼ様に相談しようと思いまして……」

「うんわかった。私も色々調べてみるね」

「ありがとうございます」

クラウスは一礼をして部屋から出て行った。


私は再び思考の海に入る。そして結論を出す。

この問題を解決する方法は一つしかない……と…そして私はある場所へ向かうことにした。


数時間後……目的地に到着した私は案内されて目的の部屋に通される。そこには既に来客がいたようで挨拶を交わして席へと座る。しばらくすると扉が開かれて人物が入ってくる。

それはサツヴァ皇帝アーノルド・グランデであった。


「初めましてだな…リーゼロッテ・エルダー公爵殿」


皇帝はニヤリと笑う。


「そちらこそ……サツヴァ武国第27代皇帝アーノルド・グランデ陛下」

私は頭を下げて返事をする。

「単刀直入に聞こう……お主の要求はなんだ?」

皇帝は本題に入る。


「はい……私は貴国との和平条約の締結を求めに来ました」

「ほう……なぜ和平を結ぼうとする?」

「理由は主に二つあります。一つ目は両国の関係改善です。そして二つ目にサツヴァの経済支援です」

「それはどういう意味だ?」

皇帝は鋭い眼光で問いかけてくる。

私は臆せず答える。


「言葉通りの意味です。お互いの国にとって利益があるのではないかと考えております」

「なるほどな……確かに悪い話ではない。だがそれだけでは足りんな……こちらが得るものがないとな」


皇帝は腕を組み悩んでいる様子を見せる。

「それに関してですが……我が国からは鉄鋼技術、魔法学、錬金術などの研究資料を提供します。もちろんこれらの情報は秘密裏に行われているものではなく表に出しても問題ない物です」


「フム……興味深い内容だ……しかしタダで貰うというのは気が引ける……何か対価が必要であろう?」


「もちろんです。それはサツヴァ五星との共同訓練です。互いの武力を示すことによって牽制することができます。これにより両国の友好をより強固なものになるでしょう」

私は自信を持って言う。


「良いだろう……ただし条件がある」

「何なりと仰ってください」

「一つ目…こちらが要求する物の生産及び輸出を承諾することだ」

「承知致しました」

「次に二つ目……互いに侵略行為は一切行わないこと……仮に侵攻すれば容赦しない……いいな?」

「心得ています」

「最後の三つ目……定期的に会談を行うこと……これだけは絶対に守ってくれ……いいか?」

「もちろんです」

私は即答する。

「交渉成立だ……では明日にでも詳細について話し合おうではないか……」

「はい。ではまた明日お会いしましょう」


そして互いに握手をし、部屋を退出した。会談場所を出て、暫くすると私は背後に殺気を感じ刀を引き抜き振り払う。

「勘の良い嬢ちゃんでさぁ……」

暗闇の中から現れたのは人斬りレギンであった。


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