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参ノ訓

そしてその夜、私は父様の部屋を訪れたのだ。もちろん用件は例の連続殺人についてである!私は自分の考えを父様に伝えたところ、父様は納得してくれたようだ。

その後、私たちは作戦を立てることにしたのである。まずは犯人の特定が最優先事項となった。しかし、情報が少なすぎるため難航することは容易に想像できたのである……だが諦めるわけにはいかない!なんとしてもこの事件を解決して見せるのだ!! そして次の日から私は変装し囮として夜中歩くことにした。

もちろん父様達には内緒である。もしバレたら止められるに決まっているからだ! だからこそ私は秘密裏に行動することにしたのである。そしてついに犯人が現れたのだった!!そいつは私を斬り殺そうとしたその瞬間に、小太刀で防いだ。そして月明かりで下手人の顔が見れた。その顔はクラスメイトであるタォン・ナーガ・シエンであった。

「タォン!何故貴方が!」

「ふん! 貴様にはここで死んでもらうぞ!」

と彼は言ったのと同時に私は彼の腹を蹴り距離を取る。そして構えると彼も同じように構えたのだった……。そして私達は同時に踏み込み剣を振るう!!鍔迫り合いをしながら互いに睨み合ったのである。やがてお互いに離れて呼吸を整える暇もなく再び斬りかかるがそれを防がれてしまうという繰り返しが続いたのだ……しかしそれも長くは続かなかった。

彼の鉈のような剣が蛇のように動き肩と脇を斬られた。


「くっ……!」

と思わず呻き声をあげる。しかしここで諦めるわけにはいかない!

「まだ終わってないぞ!!」

と言うと彼は笑いながら言ったのだった……。

「これで終わりにしようかぁ!」と言って再び斬りかかってくるのであった……

私は相打ち覚悟の平正眼の構えをするとタォンは薩摩訛りで答えた

「おんしゃあ、そごの構え新撰組ん刀法の構えじゃ、おんしゃあまさがぁの生まれ変わりじゃっな!」

と彼は言ったのである……その言葉に私は動揺してしまった。まさかバレるとは思わなかったのだ……まさか転生したものが敵側にもいるとは思わなかった。

すると彼はニヤリと笑いながら言ってきたのだった……。

「図星じゃろ? おんしゃあまさがぁの土方歳三の生まれ変わりじゃっな!!おいはおんしゃぁに切られた田中新兵衛じゃき!いやぁ嬉しいのぅ!こうしてまた会えるたぁなぁ?じゃけどなぁおいは新撰組が大嫌いなんじゃ!特に土方歳三はな!!だからおんしゃぁを斬る!」

と彼は言い放ち斬りかかってきたのである。私はそれを防ぎ鍔迫り合いになったのだが、彼の力が強く押し負けそうになったのだ……このままではまずいと思い一旦距離を取ることにしたのだった……。

しかし、すぐに距離を詰められてしまったので再び鍔迫り合いになってしまったのである。そして今度は力勝負ではなく技術の比べ合いとなったのだ……どちらが先に仕掛けるか

「おいん力と技の前に降参せえ!!腑ぶちはらせー!」

《示現流》【裏蜻蛉二式・巳祓】

「誰がするか!」

と言って私は小太刀を逆手に持ち替えて刺突を放ったのだった……。

《天剣一刀流 一ノ太刀》

【虚狼逆叉】


その一撃は見事に命中し、彼の腹部に突き刺さったのである。そしてそのまま引き抜くと同時に蹴り飛ばしたのだ!すると彼は口から血を吐き出し地面に倒れ伏したのであった……。しかしまだ息はあるようで苦しそうに呻いていたのである……そんな姿を見て私は哀れみを感じてしまったが、ここで見逃すわけにはいかなかったためトドメをさすことにしたのだ……。

だが一つ聞きたいことがあった。

「何故貴方は生まれ変わっても人斬りとして生きているの?」

と聞くと彼は答えたのである……。

「おんしゃあには分からんきに!暮らしが変わっても人斬りがおるんは当たり前じゃ!おんしゃあもそうやろ!」

と言って彼は息絶えたのである……。そして私はその場を後にしたのだった……。

その後、この事件は未解決事件として処理されることになったのであった……。

それから数日後のことだ……私は父様に呼び出されたのである。何かと思い行ってみると、そこには父様の他にもう一人いたのだ。それはなんとサヤノだったのである!!どうやら彼女も呼び出されたようだ……一体どういうことだろう?と思っていると父様が話し始めたのである。その内容とは驚くべきものだったのだ……

「陛下がお前に話があるらしいのだ……」

「私にですか?」

と聞くと父様は頷いた後言ったのである。

「そうだ……なんでもお前に頼みたいことがあるそうなんだ」

と言われたので私は了承することにしたのだった。陛下からのお願い事とは一体なんだろうか?嫌な予感しかしないんですけど!!まあ、引き受けてしまった以上やるしかないんだけどね!そう思いながらも私達は謁見の間へと向かったのであった……。

謁見の間に着くとすぐに陛下が姿を現したのである。そして私達は跪いた状態で挨拶をしたのだった……すると陛下は私に話しかけてきたのだ。

「面をあげよ」と言ってきたのでその通りにした。すると陛下からこう言われたのだ。

「実はな……お主達に頼みたいことがあるのじゃ!」と言われて私は首を傾げた後聞き返したのであった。一体なんの頼み事なんだろう?と思っていると、まさかの内容だったのだ!!なんと新たに新設する騎士団の団長を務めてほしいという依頼だったのである。しかも騎士団長は私とサヤノの二人指名されているらしいのだ! 私は驚きのあまり言葉を失ってしまった……しかしすぐに冷静さを取り戻して答えたのである。

「陛下、恐れながら申し上げますが私には荷が重いかと思われます」と正直に言うと陛下は少し考えてからこう言ってきたのだ。

「ふむ……ならば仕方がないな……だがお主達以外に適任者はいないのじゃよ……」と言ってきたので私は再び考えた後に答えを出したのである。

「分かりました!引き受けさせていただきます!」と言って頭を下げると陛下は喜んでいたようだった。

こうして私は新たな役職に就くことになったのだ……それと同時に私の人生が大きく変わることになるとはこの時はまだ知る由もなかったのである……。

それから数ヶ月後のことだった……

私たちは学園を早期卒業した。学業との兼務は無理だと思ったからだ。

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