表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/42

二十二ノ訓

その後、私とサヤノは屋敷へと戻り、残っている書類に目処をつけていく。そしてようやく全て片付いたところでサヤノが声をかけてきたのだ。

「ねえ、少し休憩しない?」

そう言って紅茶を差し出してくるので受け取り飲む事にしたのである。するとクラウスも入ってきて話しかけてきたのだ。


「お疲れ様でした」

「ありがとう、これで一段落着いたところだわ」

「それは良かったです」

「そういえば……今日は陛下の警護は大丈夫なの?」

心配して聞いてみたところクラウスは笑いながら答えたのである。

「大丈夫ですよ、ちゃんと代わりの者がいますので」

「そう……」

私は納得し再び紅茶を口に含んだのだった。

やはりクラウスの考えていることはわからない。

そして夜会から数日後の事だった。新撰組のメンバーが全員私の屋敷へとやってきたのだ。どうやら報告があるらしいのだが一体どうしたのだろうか?疑問に思いながらも話を聞く事にしたのである。

するとサヤノが口を開いたのだ。


「実はね、新撰組以外の別部隊を造ろうってクラウスと話していたの。」

「なるほど……それで一体どんな部隊なの?」


私は興味津々で聞いてみたのだが、その内容を聞いた途端言葉を失ってしまったのだ。それはあまりにも衝撃的な内容だったからである。なんと新撰組の代わりに別働隊として新たに軍隊を作ろうというのだ。しかもその軍隊の名前は……【奇兵隊】だ。

幕末…長州藩の高杉晋作が率いていた部隊の名前だが……まさかその名前を選ぶとは予想外だった。しかしクラウスは自信満々に胸を張って答えたのである。

「奇兵隊は特殊部隊にするので腕の立つ者の人選をお願いします。それと隊長はもう決まっております。入ってどうぞ。」

クラウスがそう言うと一人の眼鏡をかけた短髪の青年が部屋へ入ってきたのだ。

「初めまして…ディーノ・アンデルセンです。」

彼は礼儀正しく挨拶をすると頭を下げてきたのである。

アンデルセン…財務官ディバイン・アンデルセン子爵の息子が来るとは思わなかった。


「そして…あの時の答えは見つけられたか?土方歳三…いや今はリーゼロッテ様だな。俺は高杉晋作だった者だ。」

「えっ!?」

私は思わず驚いてしまった。高杉晋作がいたとは……

「実はですね……」

クラウスは説明を始めたのだ。

なんでも、あの後ユノとナタリアは研究を続けた結果、スキルの統合に成功したらしいのだ。そしてその結果、ユノの万能研究で作り上げられたポーションを飲んだ者は適正があれば記憶や人格まで引き継いで記憶を思い出す。そしてナタリアのスキル【癒しを与える者】は統合され新たなスキルとして生まれ変わったそうだ。そのスキル名は《ユグドラシル》と言うらしいのだ。

その効果とはありとあらゆる生物や物質をコピーして造り出す事ができるというとんでもない物だった。つまり……不老不死にもできるという事だ。しかし、この能力には欠点があった。それは一度使うと12時間経過するまで再使用ができないという点である。

「なるほど……だからナタリアさんの姿が見えなかったのね。」

私は納得しながら呟いたのである。そしてクラウスは話を続けたのだ。


「まあ、そういう訳でして私達は新撰組とは別にこの奇兵隊を結成しようと考えているんです。それにあなた方に護衛は必要ないでしょう?」

クラウスの言葉を聞いて私は思わず苦笑いをしたのだった。確かに私達には護衛など不要だろう。なにしろ私達を倒せる存在などこの世界には存在しないのだから……そんな事を思っているとクラウスがさらに続けて話し出す。


「それと、この奇兵隊にはエルダー商会で得た資金の一部を投じて新しい武装を施します。」

「「そう……わかったわ。開発部門の

予算に組み込んでおくわ。それとラーダにも話しておくわ」


ラーダ・スイエルとマルス・ガルド

彼らの前世がニコラ・テスラと平賀源内である。

彼らは研究するのが大好きでいろんなものを作っている。

たまに要らないものを作っているが口には出さない。

私はそう言うと再び書類に目を通し始めたのだった。

それから数日後、奇兵隊のメンバーは集まり始めたのである。そして全員が揃うとクラウスは口を開いたのだ。

どうやら各員に新しい装備を支給するようだ。それは……なんと刀と槍である。しかも、ただの武器ではないようだ。

《スキル》 《鑑定》

で調べてみると……なんと超振動機能と防御機能が備わっているようだったのだ。これはなかなか興味深いものである。早速クラウスに頼んで取り寄せてもらう事にしたのである。そして数日後、その刀が送られてきたので早速使ってみたところかなり強力な武器だという事がわかったのである。しかも自動修復機能までついていたりと至れり尽くせりだったのだ。さらに私達はその刀を新撰組のメンバーにも支給する事に決めたのだ。


数日後が経ち、私はアンドレイ男爵家に訪問する日になった。お母様が集めた情報によると、アンドレイ男爵は社交界のシーズンオフになり一足早く領地に戻るらしい。そのための、パーティー。要するに、お別れ会というヤツだ。


あまり表陣営に立たない第ニ王子の陣営のメンバーで地方に領地を与えられている者は、基本、領地経営に専念している者が多い為、一同が集まる機会が少ない。逆に、こうしたシーズン中のパーティーでは、出席率は高いとのこと。


そんなパーティーに、私が出席して良いものなのかしら…?と思わなくもない。


朝、いつも通りの素振りをした後、ヨガで精神統一。横では、ヨガにすっかりハマったお母様が、お揃いの服でヨガをしている。


「まあ、リーゼちゃん。表情が硬いわよー。今からそんなんじゃ、疲れちゃうわ」

「そうでしょうか…?」

「ええ。折角身体を解しているのだから、表情も解してー……硬いけどそんな感じよ」


ヨガを終えると、シャワーを浴びて着替える。今日のパーティーは夕方からだから、今はまだ普段着。


少し時間に余裕があるので、ナタリアさんやセバスから上がってきた報告書を眺めつつ、指示が必要な物については早急に返事を送る。

やっぱり現場にいるって大事よね。手紙が届くまでの時間を考えると、私が状況を把握する頃には状況が変わっていることもあるし。こういうのを見ていると、やっぱり現代機器が恋しく思う…ユノとラーダに作ってもらいましょう。

書類と格闘していたら、ノック音がしてクラウスが部屋に入ってきた。


「お嬢様。そろそろお支度の時間です」


あら、もうそんな時間?やっぱり集中すると、時が経つのは早いわね。


遅れる訳にはいかないので、すぐに支度を開始。今日は夜のパーティーなので、この前のイベン侯爵のそれよりも、少し和服に近い感じのドレス。とはいえ、やっぱり重いドレスを着る気にはならないので、スッキリとしたデザインだ。


クラウスに、髪をアップに纏めて貰っている間に、私はアクセサリーを付ける。今日の和服型ドレスは私の瞳の色に合わせた濃い青色の服。白とかだと映えないのでサファイアと青色。そのため、ドレス全体に施されている銀糸の刺繍が結構目立つ


支度を終えたら、結構良い時間。

女の支度に時間がかかるのは世の常と言うけれども、ドレスだと余計時間がかかる。そもそも、誰かに手伝って貰わないと着れないし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ