二十ノ訓
翌日、新撰組の地下牢で強盗団の拷問をクラウスが行った。
「さあ、吐け。他のアジトはどこだ?」
「知らない」
《スキル》【拷問師】
クラウスが盗賊団の1人を拷問にかけ始めたのだ。そして次々と情報を引き出していった。その結果、アジトの場所や構成員の人数などを聞き出すことに成功したのだった。しかし……その殆どが下っ端だったようであまり重要な情報は得られなかったようだ。しかし……それでも十分な成果と言えるだろう。
「よし、これで十分だ。後は任せろ」
それから数日後……クラウスによって盗賊団のアジトが暴かれたのだった。
「さて準備はできたか?」
「はい、問題ありません」
私達は今王都の地下にいる。目的は勿論…残りの盗賊団を殲滅するためである。灯台下暗しとはこのことだ。
そして私達新撰組はこれから大捕物を行うのだ。もちろん盗賊団の中にはAランク冒険者も含まれておりかなりの強敵だと予想されるだろう。だがそれでも負けるわけにはいかないのである。
私は新撰組の羽織を羽織ると、部下達に指示を出した。
私は扉を蹴り破り突入する。
「どーも確実な牢獄をプレゼントする鬼姫です。」
「なんだお前は!」
「し、新撰組だ!」
盗賊団は突然の事態に驚きつつも武器を構えて戦闘態勢に入った。
しかし……そんな抵抗も虚しく次々と捕らえられていくのであった。そしてついに最後の一人になった時、その男は口を開いたのである。
《スキル》《鉄塊》
私は、男の剣を受け止めるとそのまま押し返し斬りつけた。しかし……男はギリギリのところで回避し距離を取ったのだ。
《スキル》 《鬼縮地》
そして再び距離を詰めてくる男に対して私も縮地で距離をつめて攻撃を仕掛けたのだ。お互いの攻撃がぶつかり合い激しい攻防が繰り広げられたのだった。しかし徐々に私が押し始めついには男を追い詰めることに成功したのである。
《スキル》 《一刀両断》
《虚狼天翔》
互いの剣がぶつかり合い火花が散る。そして私はそのまま追撃を繰り出すが……男はそれをギリギリのところで防いだのである。しかし……これで終わりではなかったのだ。
「ほう…噂の鬼姫は剣の才能もあるのか」
男は、私の剣を捌きつつ話しかけてきたのだ。そして……会話の中でわかった事はこの男が盗賊団の団長だったということである。つまりこの男さえ倒せば終わりということだ。私はすぐさま攻撃を仕掛けるのであった。しかし……そう簡単にいくはずもなく攻撃を受け止められてしまったのである。
《スキル》《縮地》
私は、距離を取ろうとしたが逆に距離を詰められてしまい攻撃を食らってしまったのである。幸いにも軽傷で済んだのだがかなりの実力を持っていることは明白だった。
だがここで諦めるわけにはいかないのだ。私は再び攻撃を仕掛けたのだった。
しかし……またもや防がれてしまい逆にカウンターを受けてしまったのだ。私は何とか耐えることに成功したのだがかなりダメージを受けてしまったのである。
《スキル》 《天駆》
私は、空中を駆け上がり男の背後へ回るとそのまま攻撃を仕掛けたのだ。しかし男もそれに反応し私の攻撃を受け止めたのだ。
そして鍔迫り合いになるが力負けしてしまい押し切られそうになったところで男が口を開いたのだった。
「なかなかやるじゃないか」
「それはどうも……」
「だが、ここまでだ」
《スキル》 《雷纏》《神速一閃》 男は私を押し返すとそのまま攻撃を仕掛けてきたのである。私は咄嵯に回避行動を取ろうとしたが間に合わず攻撃を食らってしまったのだ。しかしそれでも何とか体勢を整えることに成功したのだった。
しかし……既に男は次の攻撃態勢に入っていたのである。そして次の瞬間には私の目の前に現れていて剣を振り下ろして来たのだ。私は咄嗟に防御の姿勢を取るが防ぎきれずダメージを受けてしまった。
「なかなかタフだな……」
「血が滾ってね……まだまだこれからだよ」
「人斬り一歩手前の顔をしているな。」
その男はゾックと震えた。
私は相打ち覚悟の平正眼の構えをする。そして男もそれに応じるように上段の構えを取る。
お互い睨み合ったまま動かない時間が数分続いたのだった。
少しの音に反応して互いに動き出す。そして……剣を交えるのであった。
《スキル》 《鬼斬り乱舞》
先に攻撃を繰り出したのは私だった。男はそれを難なく防いだのである。しかし……それで終わりではなかった。私は連続して攻撃を続けたのだ。そしてついにその袈裟が男を捕らえたのだった。私の一撃を受けた男はそのまま吹き飛ばされたのである。そして壁に激突すると気絶してしまったようだ。
「ふぅ……」
私が一息つき刀を鞘に仕舞うと後ろから声をかけられたのだった。
「よくやりましたね」
声のする方に振り向くと、そこにはクラウスが立っていたのだ。どうやらクラウスも任務が終わったようである。
「お疲れ様」
「そちらこそ、お疲れ様です。にしても相変わらず強いですね」
「まあね……それよりもこいつどうする?」
そう言って私は縛られた盗賊団団長を指差したのだった。するとクラウスはニヤリと笑って答えたのである。
「もちろん連れて帰りますよ」
こうして私達は盗賊団のアジトを後にし、国王の元へと向かうのであった。そして今回の成果を伝えると大層喜んでいたのだ。その後、盗賊団達は新撰組によって壊滅したのであった。
そして、陛下から褒美として多額の報奨金が渡されたのだった。
私はそれを受け取ると屋敷へと戻り部下達を集めて宴会を開いたのである。その翌日……私は二日酔いになりながらも職務にあたっていた。
学園も順調だし商会の品々も好調である。
特にポーションが人気で問い合わせが殺到している状況だ。
《スキル》【全知全能】
で作り上げたポーションは擦り傷から欠損まで治る優れものだ。さらに腰痛などの痛みまで治る。
この開発に携わっているのは前世がナイチンゲールのナタリアさんとエジソンのユノである。
ナタリアさんは回復系統技術【癒しを与える者】のスキルを持っている。
ユノは万能研究というスキルを持っている。
商業ギルドも冒険者ギルドの申請が多くて大変らしいけど……その分売上は上がってるから問題ないだろう。
クラウスもここ最近は忙しいようだ。
何しろ陛下からの仕事が山のように舞い込んでいるからだ。
まあ……それだけ信頼されてるってことだし、本人もやりがいがあると言っていたので問題はないだろう。
そして私は今日も書類整理に追われているのであった。




