十九ノ訓
翌日、予想外の展開があったのだ。第一王子の騎士団が敗走したというのだ。なんでも盗賊団の中に、Aランクの冒険者が居たらしくその実力は第一王子の騎士団を凌ぐほどの実力者だったそうだ。
翌日、私は新撰組幹部を招集した。そして新撰組幹部に、被害を少なくする為に盗賊団のアジトには私1人で殲滅すると伝えたのだ。
もちろん、反対されたがこれは決定事項だと言い張り押し通すことにしたのだった。もちろんヒュースには付いてきてもらうけど。
そして、私はアジトへと向かったのである。
私が盗賊団のアジトへと到着すると……そこには50人近くの盗賊団がいた。どうやら逃げる様子がないようだ。
「楽しい喧嘩になりそうだ。」
まあ、その方がこちらとしては都合がいい。私は早速新撰組の羽織を羽織り
敵陣に突っ込んでいく。
《天剣一刀流四ノ太刀》 【虚狼刹那】私は、滑り込むように10人いる盗賊団をたったの一撃で斬り伏せていく。
斬られたことにより驚いたが直ぐに体勢を整えた。
しかし……やはり油断はできないようだ。
盗賊団の中に2人の冒険者がいたようだ。私に攻撃を仕掛けてきた。その2人は中々の手練れのようで、私と同等に渡り合えたのだから実力者なのだろう。
1人は剣士でもう1人は格闘家のようだ。私は剣術と体術を駆使して2人を圧倒していく。
《天剣一刀流 八ノ太刀》 【虚狼百裂】
私は、2人の冒険者に連続の刺突攻撃を仕掛けた。すると……流石は実力者というべきか、辛うじて反応し致命傷は避けたもののかなりのダメージを受けているようだ。そして一旦距離を置いた2人。
しかし……その隙を見逃すほど甘くはない。私は再び距離を詰めて攻撃を開始したのだ。
《天剣一刀流 五ノ太刀》 【虚狼乱舞】
一瞬で3人を斬り伏せた。
「貴様らはどけ…俺がやる。」
ボスらしき男が前に出てきた。
私は、その男と対峙する。そして……お互いに構えを取ったのだった。
《天剣一刀流三ノ太刀》 【虚狼天翔】
《天魔剣》【天叢雲】
私の攻撃と、ボスらしき男の一撃がぶつかり合った。
そして……周りには土煙が舞う。恐らくお互いに鍔迫り合いになっているのだろう。しかし……私はこのまま押し切るつもりだ。
《スキル》【鬼ノ威圧】
これは魔力と妖力を練り込んだ威圧だ。流石にこの威力をまともに食らえばただでは済まないだろうと思い放ったのだ。すると……男は動きを変えたのだった。どうやら自ら後ろに飛び退いたようだ。やはりこの男も只者ではないようだ。
しかし……それだけの実力者がなぜ盗賊団なんてやっているのか少し疑問に思ったのだが、まあ気にしないでおこう。
「お前中々やるな」
「……そういう貴方こそね」
さてどうするかな?この男をこのまま見逃すかそれとも捕まえるか……私は悩んだ結果、とりあえず生け捕りにする事にしたのだった。
《天剣一刀流四ノ太刀》 【虚狼刹那】私は、盗賊団ボスをすれ違いざまに斬り伏せようとしたのだがボスはギリギリのところで反応し攻撃を防いだ。
「ここできめる!」
《天然理心流》【竜尾剣】
ボスの死角…先ず下段青眼で相手の攻撃を誘い、打ち込んできた相手の刀の切先をぎりぎりのところで鍔で受け、摺り上げて上段から相手の胴を斬る技
で斬りかかるが防がれら逆に脇腹を斬られてしまった。
「ぐッ……」
しかし……これで距離が開いた。私はすぐさま体勢を立て直して次の攻撃を仕掛けた。
《天剣一刀流五ノ太刀》【虚狼乱舞】
私は、ボスに連続攻撃を仕掛けた。しかし……やはりこの男も只者ではないようで全て防がれてしまった。そして今度は逆に私の隙をつき反撃を仕掛けてきたのだ。
「終わりだ!」
《天然理心流》【虎尾剣】
私は、ボスの攻撃を避けつつ反撃し一太刀を浴びせる。そしてそのまま連続攻撃を繰り出し追い詰めていくが、なかなか決定打を与えることが出来ないでいた。だが……このままいけば私の勝ちだろう。そう思った瞬間……突然目の前の男の動きが変わったのだ。その動きはまるで別人のようだった。
「まさか……スキルか?」
「そうだ!俺のスキルは【狂化】だ!」
《剣技》【炎竜の息吹】
ボスは、スキルを発動すると周りの空気が震え始めた。そして……口から炎のブレスのようなものを吐き出してきたのだ。私は咄嗟に回避行動を取ったが、少し間に合わなかったようで腕に軽い火傷を負ってしまったのである。しかし致命傷にはならなかったので問題はないだろうと思いそのまま攻撃を続けたのだった。
《天剣一刀流仇ノ太刀》 【虚狼双閃】
私は、ボスの攻撃を躱しつつ反撃を仕掛けたのだが……やはり避けられてしまい逆にカウンターを食らってしまったのである。しかし……私は何とか耐え凌ぐ事に成功したのだ。
「やるな」
《スキル》【狂化】
私は、ボスがスキルを発動すると同時に攻撃を仕掛けた。しかし……縦横無尽に動く斬撃に全て対応されてしまい攻撃を与えることが出来なかったのである。それどころか逆に私の身体に徐々に傷が増えてきてしまったのだ。そしてとうとう……私は膝をついてしまったのだった。
「これで終わりだ」
《スキル》【狂炎】
ボスのスキルによって発生した炎が私を襲う。私は何とか避けようと試みるが、炎の勢いの方が強く避けることが出来なかったのである。そして……ついには炎に包まれてしまったのだった。しかし……その瞬間、私の身体に異変が起きたのだ。身体中から力が溢れ出してきているのだ。一体なぜ?そう思いつつも身体は勝手に動き出しボスに攻撃を仕掛けたのだ。そして……ついにはその一撃を与えることに成功したのだった。
「馬鹿なッ!!!」
《天然理心流》【竜尾剣】
ボスは驚きつつも私の攻撃を受け止めたのだが、完全に威力を殺すことが出来なかったようで吹き飛ばされてしまったのだ。そしてそのまま気を失ったのである。
私は倒れている盗賊団のボスを縄で縛り上げると、他の団員達に指示を出してアジトの捜索や盗賊団達の捕縛を行ったのだ。
その後、王都へと戻り国王に報告をしたのだった。
「ご苦労であった」
「いえ……当然のことをしたまでです」
「そうか……」
「それで……この盗賊団ですがどうしましょうか?」
「そうだな……とりあえずは新撰組に任せよう。そして尋問を行いアジトの場所や構成員などを聞き出してくれ」
「分かりました」
こうして、私は国王に報告を済ませた後屋敷へと戻ったのだった。




