十八ノ訓
1年が過ぎた頃エルダー商会の利益は変わらず、良い。競合他社が出て来始めてはいるんだけれども、たった1年ちょっととはいえ、ウチの商会の名がブランドになっているというのが大きいかな。
領政の改革はボチボチ。銀行も普及してきているし、街道の整備はもう少し。高等部は開校されて結構生徒が集まっているとのこと。……医療科では町医者とかも積極的に通ってくれてるし、会計科は予定通り商人の子供達も複式簿記や経済論なんかを学びに来てくれている。それから、初等部も開校済。
目まぐるしく時は進み、色々な事が変わり種を撒いたのが芽吹いている。まあ、それは私が望んだ方向に進んでいるので良いのだけれども。……やはり、食料自給率を上げる必要があるよね。国の支援が中々充実しないのはもどかしいわ。
ある日私は王都へと足を運び商会へと顔を出すと……なにやら騒がしかった。私は近くにいた店員を捕まえて事情を聴くことにしたのだ。すると……どうやら最近王都に盗賊団が出没しているという情報が入ったらしい。
「それは大変ですね」
「はい、そうなんです。しかもその盗賊団は中々の手練れらしく……」
「なるほど」
盗賊団か……また厄介なことになったわね。まあ、商会の売上は順調に伸びているし問題ないのだけれども。しかし……この王都で騒ぎを起こすとは良い度胸しているわ。
「その盗賊団は今どこに?」
「それが分からないんです」
「そうなんですね……」
「はい、なのでお気をつけください」
「ご忠告ありがとうございます」
私は店員と別れてからすぐにエルダー商会へと戻ったのだった。そして、私はヒュースを呼び出した。ヒュースに盗賊団のアジトを探らせるためだ。
「ヒュース、盗賊団のアジトを探し出して」
「承知しました。すぐに見つけ出します」
「頼んだわよ」
私は、ヒュースに指示を与えると自室へと戻った。そして、今後の対策を考えることにしたのだ。……まあ、盗賊団は放っておいても問題ないだろうけれど、王都の治安が悪くなるのは問題だしね。それに……あのバカ王子が騒ぎを起こすかもしれないし……。
◆◇◆◇◆◇
それから数時間後……ヒュースから連絡が届いた。盗賊団のアジトは王都から少し離れた場所にある廃村だということが判明した。
私はすぐさま、新撰組の八番隊を廃村に派遣したのだった。
そして翌日の午後…盗賊団を捕縛して戻ってきた。どうやら……盗賊団のボスと思われる人物がいるらしい。私は早速そいつの元へと足を運んだのだった。
私が廃村に到着すると、既に他の団員達は到着していたようだ。しかし……そのボスらしき人物の姿はないらしい。
私は、団員に周囲の捜索をするよう指示を出した後に、一度王都へと帰還することにしたのだった。
そして……屋敷に帰るとクラウスに呼び出されたのである。どうやら盗賊団の件で報告があるようだ。
私は早速クラウスの元へと向かったのだった。
◆◇◆◇◆◇
私は、クラウスの執務室へ足を運んだのだ。すると、そこには既にサヤノも同席していた。どうやら2人は何か情報を掴んでいるみたいだが……まあ良いだろう。私は席に着くと早速話を切り出したのだ。
「あの第一王子の騎士団も動き出したそうです。そして騎士団長も動き出し、盗賊団を捕縛したそうです。」
なるほど……流石は騎士団長だ。行動が早い。しかし……第一王子の騎士団か……あのバカ王子のことだ。また何かしでかしそうね……まあ、私には関係のないことなんだけれどもね。
私はクラウスとサヤノから報告を受けた後、自室へと戻り今後の対策を考えるのだった。




