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十五ノ訓

数日後、私達はエルテニア領へ帰り戦後処理に追われていた。

向こうから仕掛けてきたとはいえ

、被害があまりにも大きかった為だ。しかしそれでも死者が少なく済んだのは幸いだったと言えるだろう。

私は執務室で書類の山を片付けていると、突然ドアが開き一人の女性が入ってきたのだ。それはなんと私の母であるイリア・K・エルダーだったのだ! 彼女は私を見るなり抱きついてきたのだ。そして涙を流しながらこう言ってきたのである。

《リゼちゃん……本当に良かったわ……無事でいてくれて……》

私はそんな母を見て少し泣きそうになったがぐっと堪えたのだ。


「それはそうとお母様…商品化した物はどうなったの?」

そう聞くと、彼女は涙を拭いながら答えてくれたのである。

母様に渡したのは砂糖菓子、清酒、リンス…この世界…リンスが存在しないのだ。

皆、普通に石鹸で洗って終わりらしい。獣のように洗うだけ。

どれだけ我慢したことか。因みに最初はそこまで頭が回らなかった為、気づかなかったけれども。気づいたら気になり出すのが人の性。

新撰組時代はそんなこと気にしたこと無かったけど、2度目の人生で気にするようになってしまった。

……試行錯誤の結果、良いのができました。

《シャンプー&リンス》 ただ石鹸と違って、頭皮に残りやすいので良く洗い流すことが必要です。

そして生乾きが一番ダメ……匂いがつくから! これが一番大変でしたわ……

これでフワッと良い香りがするはず。

因みに、お値段は銀貨1枚(約1万円)です。

でも、この匂いを嗅いだらもう手放せなくなるよ?

でも、ちょっとお値段は高め。

そんな訳で量産に時間がかかるし、結構な出費になってしまいましたが、これでフワッと良い香りがするはず! そして頑張って売り込みをした結果……

なんと大ヒットした。

しかも、貴族や商人の間でも大人気! 今ではエルダー領及びエルテニア領では知らない人はいないくらいです! 《シャンプー&リンス》は飛ぶように売れてます。

その結果、貴族の中では勿論、少々高めな値段設定ながら平民の間でも人気商品としての地位を確立しつつある。

……本当に、お母様は宣伝上手だ。密かに私の中ではお母様を宣伝部長と呼ばせて貰っている。


もっとも、商会の規模が拡大すれば拡大するほど、当然のことながら私の仕事量は増えていく。徐々に従業員の人数も増やしているし、権限も可能な限り与えてはいるのだけれども、どれもこれも稼働してから1年も経っていないものばかりで、まだまだ私も直接携わっておきたいのだから仕方ない。…健康には気をつけねば。

そのうち、従業員はもっと増やす予定だけどね。

エルテニア領だけでなく、エルダー領にも支店を出す予定です。

元々あった二つの商会を合併させて規模拡大をするのと、新たに設立する商会に出資して経営に乗り出すかで悩んでいる最中なのですが……それは追々。

そんな忙しい日々の中で唯一の楽しみと言えば……刀の素振りだ。やはり、剣は刀に限る。

前世では、剣道を嗜んでいたのが懐かしい……

でも、今世ではあまり時間が取れなかったし、何より体力的に厳しかったからなぁ。

それに、あの時代と違って今は平和な世の中だ。

魔物はいるし暗殺されそうになるし命の危険に晒されることが多い。

……でも、決して命のやり取りをする訳ではない。

人対人だからこそ、自分自身との戦いになるのだ。

だからこうして刀を振ることで精神統一を図ることが出来るし、何より無心になることができるから良い。

それに、この刀【和泉守兼定】は俺の愛刀だ。

その刀で素振りをすることで、何も考えず自分らしさをだせる。

それに、この刀は名刀なだけあって素晴らしい切れ味だしね。

これを振るっていれば大抵のことは何とかなるような気がしてくるし。

そんな訳で、今日も今日とて俺は愛刀を振るうのであった……

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