2話
こちらは不定期更新
2話
村から出て私達は恒例のモンスターハントを行っている。
私はいつも通りの強化と弱体化の一番レベルの低い魔法を使って援護している。
そろそろ誰か出て行けって言ってほしい。
モンスターを倒すとお金は入るし経験値も上がるしでいいことずくめなのだ。
大方周囲のモンスターを倒したので街道へ出て野営を開始する。
一つ安心なのは僧侶のミントが優秀で結界を張ってくれるから見張りがいらないことだ。
いつも通りにテントを2つ張って倒したモンスターの肉を焼いていく。
テントが2つあるのは決して男女に分かれるためではない。
アレンが戦士ベニスと武闘家セリアと楽しむためだ。
戦いが終わるとどうしても気分が高揚していて自分を鎮めないと大変なことになる。
昔私がパーティーに入る前はアレンが暴走して勇者の力で山を一つ潰すまであばれまわったことがあるらしい。
本当かどうかは確かめるにはリスクが高い。
もし本当だったら責任なんてとれないのだから。
食事も終えてそれぞれがお湯で身体を拭き寝ようかという時間になる。
アレンはベニスとセリアを伴ってテントに入っていく。
私はもう一つのテントにミントとエリスに連れていかれた。
なぜこうなったのか。
それはパーティーに入ったころのことである。
この頃はアレンもまだベニス、セリアと関係は持ってなかった。
アレンは村から差し出される女の相手をいやいやながらもしていたようだ。
しかし私がパーティーに入ってみんなと仲良くなりだしてから空気が変わった。
アレンが私に
「ジン。実は俺筋肉質な女にしか興味が持てないんだ。」って打ち明けてきた。
「趣味はそれぞれだから別にいいんじゃないか。」というと嬉しそうな顔をして
「理解してくれてうれしいよ。」と言っていた。
「それでジンに相談したいのはエリスのことなんだ。あいつは俺のことが好きなんだと思うが断るとパーティーが壊れてしまいかねない。だからジンにつなぎとめてほしい。」
「そんなことを言われても私にできるかはわからないよ。」
「できなくても文句は言わないさ。ただエリスは告白のタイミングを見計らっている気がしたのでな。」
「わかった。パーティーに残ってくれるよう説得はしよう。」
「助かるよ。」
この時にきっぱり断っていれば今の状況はなかっただろう。
実際に告白は行われて、振られたエリスとアレンは気まずそうだった。
だから私は必死になってエリスを慰めた。
私は会社員時代からの癖で嫌な顔ができなかった。
だからエリスが「私なんて胸もミントみたいに大きくなくて、背も小さくて美人でもない女なのよ。」って言ってるとき
振られた後の女ってめんどくさいって思いながらも
「エリスはとても可愛い女の子だよ。自分をそんな風に言わないで。」って感じで慰め続けていた。
エリスが自信を取り戻すまでそれは続いた。
そしてエリスは自信を取り戻しパーティーはまた順調に旅をつづけられた。
それからもまだ問題は続く。