第十八話
お昼から2~3時間が経ちローズの魔力がある程度抑える事が出来るようになったので、館に再挑戦する事になり村を出て歩いて行く。
道中は村が近い事も有って魔物には遭遇しなかったが、館が近くなるとブラックスライムを遠めに見る事は有ったが前回の様に積極的に近づいてくる気配はなかったのでそのまま館へと進んでいく。
霧の中心にある館はまだ日が落ちていないにもかかわらず薄気味悪い気配を漂わせ、かつては人が住んで居たとは思えなかった。
「ここはかつて教国がまだ無かった頃に豪族が住んでたらしいですが、相変わらずそんな時が有ったとは思えないですね。」
「こんな風になったのはその豪族が非人道的な事を行ってきたのが原因らしいからな、それだけ恨みが強いって事なんだろう。」
「そうですね、今まで幾度となく浄化を試みたらしいのですが出来なかったと言われているので根は深そうですね…」
デイジーとテレイオスが館に関する情報と感想を述べていたがコーデリーは周囲に気を取られているのか聞いておらず、ローズは館をジッと見つめて睨みを利かせて聞いているのか分からなかった。
会話をしていた二人は少し気まずくなりながら進んでいく。
中に入ると大きな玄関ホールと二階へと上がる階段、屋敷の奥へと続く長い廊下が正面と左右に伸びている。
上には古くなったシャンデリアが揺れた状態でぶら下がり、誰が付けたか分からない青い炎がゆらゆらと一緒になって揺れている。
廊下には汚れや破損が激しく赤かったのがかろうじて分かるカーペットが敷かれてたが役割は果たしていなさそうだ。
二階への階段は損傷が激しく今にも落ちそうで二階の手すりは所々無くなって足を踏み外したら落ちてしまうだろう。
「ねえ、ここがこんなに広いって事は他の部屋って一部屋づつくらいなの?」
「良い所に気が付きましたねローズさん。
ここは先ほど言ったような事が有り、死者達の怨念が強すぎるのか空間が捻じ曲がっているので外観通りの広さではなくなっているのです。
部屋数も昔の聖職者が建設当時の設計図持ってきて確認したそうですが変わっていたそうです。
勿論全てを調べる事が出来ていなかったのと住んでいた人物達が増築をしていたという話もあるので真相は分かりませんけどね。」
「ふ~ん、そうなんだ。
で、何したらいいの?」
「それはテレイオスさんと相談したのですが、今日はお手本として私とレイリィさんと組んで何回か戦闘をお見せいたします。
その後に慣れて貰う為に何回かローズさんとレイリィさんでやって貰います、テレイオスさんと私はその補佐と危なくなった時の対処をします。
コーデリーさんはローズさんの安全確保の為に予備戦力として体力を温存してもらいます。」
「教会関係者じゃないんでしょ?
なのにそんなに信頼されてるくらい強いんだ、凄いね。」
「そんな事無いさ、信用されて無いからこそこうなったと自分は思ってるからな。
落ちこぼれの自分はでしゃばるなって事さ。」
デイジーはその言葉を否定しようとするが、状況的に否定できる要素が無く言葉が出ない。
コーデリーはその様子に自身の考えが間違っていないと確信したのかは分からないが会話を止め、ローズの邪魔にならない位置で待機する。
気まずい空気が流れるが何時までも始めない訳にいかないので奥へと進んでいく。
「今回は一階を中心に進んでいきます。
二階は実体を持たないレイス系の魔物が多く、奥に行くほど強力になっていくので比較的弱い一階で慣れる所からやりましょう。」
「デイジー司教、前方から三体グールが来ます。」
全員が身構えるとひたひたと歩いて来る人の形をした肉塊が見えてくる。
肉塊からは所々から骨の様な物が飛び出ており先端からは安全ではないと一目でわかる様な色の液体が滴っている。
「ローズ、あれは不死系統の魔物のゾンビ種に当たる奴だ、通常のゾンビ種は人の死体が動いてるように見える位顔とかも有るんだが、あれはその上位種でグール種で更に毒属性持ちだ。
ゾンビ種は見た目でも分かるが人と同じ事が出来る、があれは目が無いようだから恐らく匂いか音でこちらの気配を感じてる。」
「なら喋っているのはやばくないの?」
テレイオスが小さな声で解説をローズするとローズはその事を気にして返事を返す。
「良いんだ、大声は他の魔物を呼び寄せる原因にもなるがこの位なら大丈夫だ。
そもそもローズにお手本を見せないといけないから此処で隠れてやり過ごすのは意味が無いからな。
それにレイリィ達はこの会話さえ利用しているんだ、よく見てな。」
テレイオスが言ったように二人は会話に釣られたのかどうかを確認していたのかレイリィは剣先に香水を振りかけて2体を引き寄せていた。
レイリィに寄って来ていたグールをデイジーが狙い撃つ。
「ヒールビィト!」
デイジーが唱えた魔法はレイリィの横を通ってグール2体に命中する、グールはフルフルと震えると糸が切れた操り人形のようにその場に倒れる。
倒れた振動に反応したのか残りの1体が倒れたグールに襲い掛かる。
そのグールにも魔法を当てると戦闘が有ったとは思えないほどに廊下は静かになる。
「ゾンビ種はこのように動きが単純ですのでこのように対処していれば比較的安全にやれます。
目がある場合は前衛の方に目立って貰う事になるので優先的に倒さなくてはいけません。
目、耳、鼻の順に優先的に倒す事が出来ていれば被害は減らせます。」
「レイリィさんが斬らなかったのは理由がある感じなの?
前にセイントを使う人が居なくなったのは魔力を回復に当てるためって聞いてたけど。」
「良い質問ですね、不死系統の魔物は動きが単純なのが多いのですがその分倒すのが困難なのです。
何せ生きていないので急所や死因が有りませんので。
勿論絶対に無理という訳でも無いのですが時間がかかる分治療系の魔法を多く使うので、こちらの倒し方の方が結果的には節約になるのです。」
ローズが納得したのを見て館内の探索を再開する。
いくつか部屋を通り過ぎると扉が残っている部屋を発見する。
「テレイオスさんどうしますか?
安全を期してそのまま行きますか?」
「それも有りだけどローズの将来的な事を考えるなら行くべきだと俺は思うな。
今の様に安全な状態で探索なんて出来るか分からないからな。」
二人の会話の意図が分からなかったのかローズは不思議そうな顔をする。
そんなローズの様子に気付いたコーデリーが教えてくる。
「あの二人が話しているのはあの部屋に入るかどうかだ。
こういった建築式のダンジョンでは扉がある部屋は他の探索者が居ない限り宝箱が有るんだけどそれが入る理由。
そして宝箱の有る部屋には罠も有る事が多いからそれが入らない理由なんだ。」
「じゃあ入らなくて良いんじゃない?
今回の目的ってレベル上げなんだから。」
「そうとも言えるけど宝箱からは特殊な防具や武器とかが入ってたりするから、そういった事も教えようとするのも分からなく無いよ。」
「ふ~ん」
話し合いが終わったのかローズ達にテレイオスが話しかける。
「コーデリーからどんな所か聞いたと思うがこの部屋に入ろうと思うが良いか?」
「別に行くのに私に聞く必要はないんじゃない?
元々危険な場所には変わりは無いんだから多少危なくなっても同じでしょ。」
「そう言われたらそうなんだがな…。」
テレイオスは苦笑いしながら罠の確認をし始める。
扉に罠が無い事が分かるとゆっくりと慎重に扉を開けていく。
今回も更新を0時に出来ませんでした。
もう寝ます、おやすみなさい
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