第十七話
「今日からダンジョンに潜りますが教育係として私デイジーが引き続き付いて行きます。」
「護衛として俺と副隊長のレイリィ、後こいつは教会関係者じゃないが身元と実力は保障する。」
「ローズさんよろしくお願いします」
「自分はコーデリー、よろしく」
「よろしく」
街の馬車乗り場で挨拶を済ませた5人、ローズとデイジーは修道服に身を包み教会からここまで歩いてきた。
テレイオスとレイリィは聖騎士らしく鎧を身に着けているがそれぞれ得物が違う様でテレイオスは片手剣と盾の騎士の見本のような戦い方をしそうだった。
レイリィはレイピアと弓を腰に身に着けていて、どちらをメインに使っているか見ただけでは分からなかった。
亡者の館は教国首都から馬車で2時間ほどの所に在り一番近い村は徒歩で20分の所に在る。
今回は一週間ほどこの村に滞在し探索を進める予定だ。
村には教会が有るのでそこに有る部屋を使わせて貰う予定で事前に協会本部の神官に来て貰い準備を行っている筈だ。
なので今日は村には立ち寄らずそのまま来たわけだが、館の周囲は霧が立ち込めており日の光が弱くなっている。
そのせいで館の周囲には闇属性の魔物が昼でもうろついている。
「ローズさんあれはブラックスライムというスライム種の一種です。
低級ではありますが闇魔法を使い、抵抗出来ない者は錯乱や恐慌状態や幻覚症状に見舞われるので注意が必要です。
闇魔法以外ですと物を溶かす粘液を使いますが威力は低く、粘液は飛ばせないので直接触れられなければ大丈夫です。」
デイジーがローズに説明している間にこちらの存在に気付いたブラックスライムはこちらに近づいて来ていたが、距離が近づくにつれてプルプルと震えだしもう少しで魔法が届く距離になると弾け飛んだ。
「ねえ、これってどういう事?
何もしてないのに破裂したんだけど。」
「分かりません、皆さんは分かりますか?」
ローズが困惑しデイジーに問いかけるが答えは分からず他の三人に回答を求める。
「私は以前ここに来た事が有りますが初めて見ました。」
「ローズが何かしたかと思ったが違うんか?」
「ちょっといいか?」
レイリィとテレイオスは心当たりがない様子だったがコーデリーが思い当たる節が有るようで他の所からブラックスライムを探してきて瓶に入れて連れてくる。
瓶の中のスライムは捕まえられた事によって興奮した様子ではあるものの破裂する様子はなかった。
「今回は破裂しないんだね、さっきのはたまたま?」
「どうだろうか、コーデリーは考えが有ったようだったが何か分かったのか?」
「それはこれから分かるよ」
そう言ってコーデリーはその場から少し離れ瓶の蓋を開ける、コーデリー以外は万が一に身構えるがブラックスライムは先ほどと同じく震えると瓶の中で破裂する。
瓶を開ける前と後での違いが大きく驚愕しているとコーデリーは確信を持てたのか瓶を回収して戻ってくる。
「多分だけど、破裂してるのは食べ過ぎなんだと思う。」
「どういう事だ?
詳しく聞かせてくれないか?」
「スライムの生態は良く分かってない事がいくつか有るんだけど、その一つに何を食べているかなんだ。
溶かした物を吸収しているって言われていたんだけど、瓶みたいなガラスで囲って餌を与えず飼育していても大丈夫だったみたいでその説は無くなったんだ。
そこで次に出た説が他の生物の魔力を取り込んでいる説なんだ、立証が難しかったんだけどローズさんの魔力は自分でも分かるぐらいには多いみたいだし特に流れを止めてる様子もないから食べ放題だったんだろうね。」
なんだか詳しい説明に感心しながら聞いているとあちらこちらで破裂する音が聞こえてくる。
辺りを見回すとブラックスライムが近寄っては破裂するを繰り返している。
「少し目立ち過ぎるな、対策は後にして安全の為に一度村に行って立て直そう。」
安全管理に関して一任されているテレイオスの言葉に誰も異論は唱えず一行は村へと向かう。
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村に着き村長に挨拶を終えた一行は滞在する予定の教会へと向かう。
教会には五人が滞在できる分の荷物がすでに運びこまれており何時でも泊まる事が出来そうだった。
「こちらの準備を任せてしまいすまなかったコット司祭殿、少し問題が有ったので来たが早かっただろうか?」
「いえいえ大丈夫ですよ、荷物自体は寝具等の家具だけで食料品はこちらで採れる野菜等で間に合いますからね。
それより問題の方は大丈夫なのですか?」
テレイオスがコット司祭と話している間ローズ達四人は机で向かい合いながら話し合っていた。
「とりあえずどうすれば良いの?」
「ローズさんには魔力が外に漏れ出ないようにするコツをお教えしますね。」
「教会では真っ先に教えないのか?
俺みたいな傭兵やハンターなら最初に教えられる事なんだが?」
コーデリーに少し呆れも混じった声で言われて少し険悪な空気になる。
「私たち神官にとってはああいった危険な場所には今回の様に護衛を伴っていくので優先的に覚える必要が無かったのです。
更にローズさんは最近教え始めたばかりなのと、今回の現象は予想していなかったものでして。」
「そうだったのか、知らなかったとはいえすいません。」
デイジーが事の経緯を話すとコーデリーは納得したのか謝罪する。
場の空気が和らいだ事によってデイジーはローズに抑え方を教える。
教えている間に昼食の時間になり食事をとる事に。
昼食にはコット司祭と元から教会に居る神父とシスターも加わり、孤児院が併設されているのでそこから子ども達もやってきてにぎやかな食事が始まる。
食事が終わり小さな子は遊びに出かけ年が上な子とシスターはそれを見守りつつ相手をしていく。
ローズ達は子ども達に囲まれていたがシスターがそれを注意したことによって少なくなっていた。
「おねえちゃんなにしてるの?」
「今は魔力の練習してるんだって!」
「そうなんだ!
わたしもやりたい~」
「もう少し大きくなってからってシスターも言ってたからまた今度にしようね。
今日はかくれんぼしよっか!」
「やるやるー!」
子ども達の微笑ましいやり取りにデイジーは懐かしさを感じたのか笑顔で見ている。
ローズの練習の間コット司祭はレイリィに畑の手入れを手伝って貰いながらテレイオスと今後の予定を話し合う。
「今日の夕方までにローズが魔力を抑えれる様になればもう一度行こうと思う。
勿論入り口付近だけだがな、元々説明だけの予定であわよくば少し修行が出来たら良いと思っていてだけだったからな。」
「それだけなら彼を雇う必要はなかったんじゃない?
そもそもここには君と彼女の二人でも過剰戦力って言うのに、あの館でも取り壊すんかい?」
「そんなつもりは無いさ、ただ嫌な予感がしたから万全を期して取り組んだに過ぎないさ。
それに俺の見立てならコーデリーは魔王討伐に欠かせないと読んでいる、先に顔合わせもしておいた方が連携も取れやすいだろうからな。」
ローズの練習を邪魔しない程度の距離を保ちつつ護衛として立ち続けているコーデリーは、そんな事を言われている事に気付いていないのか気付いてて無視しているのか微動だにしない。
「彼はそんなに強いのかい?
僕が見る限りでは確かに強いが君やレイリィほどには見えないけどね?」
「俺が知る剣士の中ではあいつが一番才能が有る、それに俺の師匠も同じ意見だったよ。」
コットは信じられないのか困惑の表情をテレイオスに向ける。
いつも読んで下さりありがとうございます!
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少し遅れてすいませんでした!
あと少しでPV2000回ユニーク500人突破できそうです!
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