第十四話
教会での話し合いから十数日が経ちロイセン裁判の話題性も薄れていき、教会内のロイセン関連の粛清も終わりを迎え一時の忙しさも消えたのかローズの修行を開始したいと連絡が有り、ローズの教会通いが開始された。
教会での修行初日、デイジーが家近くの大通りまで馬車で迎えに来たためそれに乗り込み揺られながら向かう。
「ローズさん、今日の予定ですがまずは教会内で過ごしやすい様に修道服をお渡ししようと思います。
教会内の一般向けではない所で行われるので、修道服を着ていただかないと余計なトラブルを招きかねませんので…お願いできますか?」
「その位なら別に良いよ。
別に私はちゃんとした理由で強制されないなら協力はするよ。」
ローズは馬車の窓から外の様子を眺めているがその心境はどうなっているか判断できない。
教会に着いてそのまま関係者エリアに入ると一つの部屋に案内される、そこにはタンスと机と椅子が有るだけで他の物は無い様子だった。
「ローズさんにはもう少し良い部屋を用意しようという話が有ったのですが、いきなり現れたローズさんに豪華な部屋を割り当てると修道服同様要らぬトラブルを招く恐れがあるので此処になってしまいました。
もしお部屋の変更希望がありましたら私か教皇様に言って貰えれば対処可能な範囲であれば叶えます。」
「別にここで暮らす訳じゃ無いんだから此処で良いよ、部屋を用意されるって事はここで着替えるんだろうけど、家で修道服に着替えてここまで来ちゃダメなの?」
「家から通っているシスターや神父も居りますので大丈夫ではありますが、実践訓練や清めの儀式などの際に着替えが必要になる事が有りますので慣れるまではここで着替えていただいた方が便利だと思います。」
デイジーはそう説明すると修道服と部屋の鍵を渡し部屋の前で待機する。
ローズは部屋のドアを閉めると窓のカーテンを閉めて着替え始める。
貰った修道服は黒色を基調とし所々に白い布や糸で刺繍が施されているようでシンプルに仕上がっていて、見た目よりも機能性が重視されているのが着てみてよく分かる。
着替えが終わりドアを開けて廊下に出るとデイジーはまだ待っていたようで、教会内の案内を再開させる。
「今日の予定といたしましては教会内の施設の案内をした後、ローズさんが神聖魔法をどこまで使えるかの確認をして終わろうかと思います。
解析魔法は使えると聞いていますのでそちらも良ければ教えて貰えれますと助かります。
もしこちらで教えれる者が居れば手配いたします、聖女として以外の才能も伸ばせればより良い未来が待っていると私は信じていますので。
勿論ローズさんが望まないようでしたら無理は致しません。」
「神様とやらは他の力が有ると聖女としての力が伸びにくくなると言って私の力の一部を封印したのにあなたはそんな事言ってて良いの?」
「勿論です。
魔王を封印したとして人々の生活が終わるわけではありません、それはローズさんの生活も一緒です。
それにローズさんは魔王というとてつもない力を前に戦われるのにその後の生活を保障されないなんて有ってはいけません、勿論倒した暁には様々な所からお声がかかって何不自由のない生活が出来るでしょう。」
デイジーはそれが自分の信じる道と疑っていないのか真っ直ぐ前を見たまま話す、ローズはそんな彼女の話を黙って聞いていたがデイジーは立ち止まりローズの事を見て確信している様子で話し続ける。
「でもローズさんにとっての自由とはそういった物ではないでしょう?
ならば私が取るべき行動はその心を守る事に有ります。
自由とは誰かが決める事でも与える物でも無く、その人自身の心が決める事だ。
自由を刃に変え誰かの自由を奪ったり変えたりするのは間違っている。
自由の定義は人の数だけあるのですから受け入れるのが自由を尊重する事、と私の尊敬する人が教えてくれました。
たとえ神が言おうとも人の自由を奪うのは許されない行為です。」
「堂々と神様を批判するなんて本当に聖職者なの?」
ローズが信じられないと言った顔でデイジーの顔を見る。
デイジーはその視線を受け取っった後前を向いて再度歩き出して行く。
「私は人々の自由を護っていただけで神に忠誠を誓った覚えは有りません。
司教になったのは尊敬する方が聖職者だったので同じ道をたどっていたらなっただけです。
司教になって護れる事が増えましたが先日の様に動けなくなることも増えました、私にとってはそれが不満です。
あの時はローズさんを擁護できず申し訳ありません。」
「別にあんたに謝れる事はされてないよ、それよりさっさと案内してよ」
ローズは更に驚愕をした様子になったがデイジーの顔が険しくなると謝罪してくる。
先日の会議室でのやり取りの事を言っているのだろうがあの事についてローズは気にしていないのか軽く許し謝罪ばかりされるのも面倒といった様子で歩みを速めていく。
案内はお昼過ぎまでかかったのは流石はスレガム教の総本山と言うべきか、一般人も入れる所は懺悔室や傷ついた者を治療部屋は建物の左右にずらりと並び一部の部屋は例の解析の水晶で適性を測る部屋なのか裕福そうな人が入って行くのが見える、聖騎士が利用する訓練場に行けばテレイオスが遠めに見えたが忙しそうにしていた為また今度挨拶にする事にしたり等色々有ったが、一番ローズの印象に残っているのは聖女としての教育係がデイジーとコニアと聞かされたことだった。
コニアは今日はもう居らずしばらく街から離れて行動しなければいけないらしく、その間はデイジーと二人っきりでの修行らしい。
案内と昼食を済ませた後聖騎士の訓練場とは違う所に案内されデイジーとローズは向かい合う、なぜかメムシアも付いて来ていたがローズは元よりデイジーもあまり良い印象を持って居ないのか居ない者として進行していく。
「ではローズさんはヒールとセイントは使えるのですね、他に生活魔法のクリアウォッシュ、ライト、クリーン、パンプアップ、爆炎魔法の花火と…。」
デイジーはローズの使える魔法を手帳にメモをしていく、メムシアは最後に聞いた魔法を聞いて驚愕してブツブツしていたが二人は無視した。
「では明日からはヒールレンジをお教えしますね、この魔法はただ使うだけならヒールの飛距離を伸ばしただけの物ですが、工夫すると曲げたり出来ますし慣れると飛ばすではなく直接回復できるようになります。
ただ今回はローズさんの魔法の飛ばし方のコツを掴むのが主目的になります、この魔法は使えるレベルなら勝手に飛んで行くのでローズさんの様な方の練習に良く使われています。」
「ちなみに何レベルなら使える様になるの?」
「2から使えます、ちなみにですがセイントも2で使える物ですが回復系統では無いので教会では扱う者が居ません。
理由としては基本威力が弱いので魔力の無駄になるのでそれなら回復に専念する方が仲間を護れるからなんです。
ローズさんが見た本に書いてあったのは恐らくですがセイントの有効性を見つけようとした人物が書いたのでしょう。」
ローズはどんな風な本だったか思い出そうとしたがどれか分からなかった。
ふとデイジーを見ると何やら悩んでいる様子。
「本当は神聖魔法を覚えれる人々全てに分け隔てなくお教えできれば良かったのですが…。
何度もそういった話を会議で言っているのですが、聖職者以外に教えて治療が容易になると医者が失業したり、治療に対するお布施が劇的に減り教会の運営が出来なくなり貧困の方々への配給なども出来なくなる等の理由から出来ていないのです。
あっ愚痴みたいになってしまいましたね、今日はありがとうございます。
明日からはここでお待ちしていますね、出口までお送り居たします。」
部屋で着替え直し教会の正門まで送って貰い帰って行くローズの背中を見えなくなるまで見送ったデイジーは頭を軽く振ると教会の奥へと戻って行く。
いつも読んで下さりありがとうございます!
最近なろうの機能を色々見ていて試してますが出来る事が増えるのは面白いですね!
そして知りました、PV1000回ユニークも300超えててビックリしました!!
ありがとうございます
そんな人数に見て貰えると思っていなかったので恥ずかしいですね
これからも読んで貰えるようには勿論、いいね、評価、ブクマ等して貰えるよう頑張ります
「その聖女、不良です」を引き続き応援よろしくお願いします。




