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蠢く闇、的な人達

 直也が歌で気持ちを表現していた同時刻に、冒険者ギルドの一室でとある団体の緊急会議が開かれていた。


 会議には数人の男女が出席しているが皆仮面で顔を隠していて、正体は誰か分からない、と思い合うことが暗黙の了解となっていた。


「では定時報告を聞きましょうか」 


 フルプレートメイルを身に付けた仮面の女が、集まっている者達にそう声をかけた。すると、対面に座って報告を聞いていた全身に白銀色に輝くまるで天馬(ペガサス)を思わせるような鎧を着た仮面の女が立ち上がる。


「では私から報告を。本日未明、私のイズナたんが、私との2日間にわたる愛の事務仕事の業務終了後に奴との接触を確認した」 


「何? 奴は依頼を受けマイ天使を連れてダンジョンへ行ったと聞いているが?」 


 フルプレートメイルを身に付けた仮面の女が手元にある資料と確認しながら言った


「そうだ、だが報告によるとイズナたんはガーディアンズの事務所を出た後に、町の広場で突然奴の名前を叫びながら、何かに怯えるような仕草を見せた後に、監視者が追い付くことの出来ないほどの速度で駆けて行ったらしい」


「くそ、なんて奴だ。遠く離れたダンジョンにまで仕事に疲れた女を走らせるとは! 一体どれだけ女心を惑わし誑かしていると言うのだ。マイ天使を侍らせているだけでも許せないと言うのに!」 


「そうだ、何であの男ばかりが」

「羨ましい」

「憎い、あの男が憎い」

「モテる野郎は、みんな殺してしまえ」 


 会議に出ている者達から嫉妬や怨嗟の声が上がるなか、怒りに体を震わせながらフルプレートの鎧を着た仮面の女は乱暴に机をドンと叩いた。 


「イズナ様にさえ、このような行動を取らせてしまうほどに、心惑わせるあの男。やはり処分するほかあるまい」


「だがあの男は恐らく、此処にいるだれよりも強いぞ。そう簡単には・・・」


 会議に出席している者達は皆一斉に押し黙り沈黙が訪れる。 


「私に一つ考えがある」


 白銀色に輝くまるで天馬(ペガサス)を思わせるような鎧を着た仮面の女がそう言った。


「あの男がどれ程の力を持っていようとも、私の策には敵うまい」


「おお、それは一体どの様な」 


 仮面をつけた一同は固唾を飲んで次の言葉を待っている。「ふふ」全身に白銀色に輝くまるで天馬(ペガサス)を思わせるような鎧を着た仮面の女は不敵に笑うと興奮した様子で言葉を続けた。 


「題して、ねえ今夜は家に帰りたくないの、私を抱いて・・・、嫌よ嫌よも好きの内、ハニートラップ大作戦」


 そう言うと大まかにだが策を皆に説明していく。 


「おお、なんという! なんと悪魔のごとき恐ろしき所業の策であろうか」


「間違いない。間違いないぞ! この策は必ずや奴の息の根を止める事であろう」


「奴に制裁を! 俺に彼女を!」


 白銀色に輝くまるで天馬(ペガサス)を思わせるような鎧を着た仮面の女の、そのあまりにも恐ろしい策に皆が慄き周りがざわめく。 


「私達の力が及ばないのであれば、力を持っている人達にボコボコにしてもらいましょう」 


 全身に白銀色に輝くまるで天馬(ペガサス)を思わせるような鎧を着た仮面の女が話をまとめて終わらせると、フルプレートメイルを身に付けた仮面の女は生きようようと席から立ち上がる。 


「ふふ、待っていろ、タカスギ・ナオヤ。必ずや我らしねしね団が、貴様に目にモノを見せてやる!」









 外はもう夜が明け始めて、太陽が山の合間から見え始めて空を優しく照らしている。


 彼らしねしね団は、もう既にハニートラップ作戦と似たような感じで、直也が身内からの過激でハニーな行動により、混浴お風呂の浴槽で全方位隙間なく囲まれて大変な目に遭っていることなど、知る由もないのであった。



















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