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風死

作者: 酒匂 紗弥

人生の前後不覚。そんなお話。

 明日が怖い。暗闇に包まれた明日が怖い。日雇いのアルバイトで食いつなぐ日々、今日も空腹のまま床に就く。隙間風が入るこの部屋は布団を被っていても尚寒さを感じる。

 怪我をすれば、風邪を引けば、災害に巻き込まれたら。何も出来ずに死んでゆく。誰にも看取られず寂しく死んでゆくのだろう。苦しみながら、藻掻きながら。


 嗚呼、怖い。


 ならばいっそ自殺した方が楽なのではないだろうか。明日を迎えるより一瞬の恐怖を飲み込んだ方が楽なのでは。


 どう死んでやろうか。包丁で自らを切り殺すのが良いだろうか。いや、一度で死ねなかったらそこで思いとどまってしまいそうだ。何より出血だけで気を失って生きていたら明日の仕事すらままならない。


 ならコードを使った窒息死だろうか。高いところでなくてもドアノブなどの低くても引っ掛けるところさえあれば出来る。これも苦しい時間が続くのはちょっと遠慮したいところだ。自殺を考えている奴が考慮するべきではないのだろうが、出来るだけ一瞬で痛みを感じずに死ぬ方法を選びたい。


 飛び降りと言うのはどうだろう。高いビルから身を投げ出す。これなら死ぬのも一瞬だろうし、途中でショックし気絶するだろう。 ……これは高い場所が苦手だから飛び降りる前に足が竦んでしまうだろう。


 線路への飛び込み自殺というのはどうだ。これは一瞬で死ねず体が複数個所何度も何度も叩きつけられる様な衝撃を受け続けると考えると首吊りよりも悲惨かもしれない。


 ならば死なないというのはどうだろう。こうも死ぬのに痛みが伴うならば明日を死にかけながら過ごす方が痛くないのではないだろうか。


 きっとそうだ。ならば空腹と寒さに耐え、明日を迎えるべく眠りに就こう。そうしてちょっとの痛みに耐えながら明日を生きていこう。


 自殺を考えていた事からは本末転倒だが、それに気づく由もない。


読んでいただきありがとうございます。

誰しもがなるとは思いませんが、誰かしらなったことがあると思います。

矛盾を孕んでいますがそういうものだと思います。

どうにか皆で、明日を生きて行こう。


他にも短編上げてますので、良ければユーザーページから確認してみて下さい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 列挙してるところが読みやすい。 [気になる点] 列挙してるだけで小説ではなかった。aは?bは?cは?のように。 [一言] 暇潰しではなく、本気で書いてほしかった。率直な意見失礼しました。
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