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スキルを作って習得!僕の趣味になりました  作者: すみ 小桜


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第67話 馬車にて

 眠気は吹っ飛んだものの事態が飲み込めず、暫くボーっとしていた。

 マトルドもよく見ると、スースーと寝ているじゃないか!


 とりあえず、寝ている男を一まとめにして網をかけておこう。

 うんしょ。うんしょ。

 腕の縄を解いてほしいよ。手首だと自分では解けない。

 パサッと、一か所に集めた男達にマトルドに掛けてあった網を掛けた。


 さてどうしよう。

 そう言えばこの首輪とれないのかな?


 『ロマド!!』


 うん? チェト!


 「チェト!!」


 よかった。元気そうだ。

 チェトはぴょーんとジャンプしてきた。それを抱える様に抱っこする。


 「足大丈夫? 馬車の後つけてくれたんだよね?」


 『あぁ。あれぐらい問題ない』


 「さすが、ロマドだな。やっつけたのか」


 声の方を見ると、ダダルさんじゃないか!


 「え~!! なんで?」


 「うん? 悪い。ちょっと囮に使った」


 「うん?」


 「あぁ。わからないならその話は後でな」


 「うん。それはいいけど、これ取れないかな?」


 「どれ……お前、つけられたのか」


 「うん。ボーっとしていたら付けられた」


 「お前、ボーっとって何やってるんだ!」


 うん? ユイジュさんの声?


 「あれ? ユイジュさんもいたんだ」


 「……まあな」


 「これはあれだな。下手に外すとトラップみたいのがあるかも知れないからセードに見てもらおう」


 「え? そうなの?」


 無理やり外そうとしなくてよかった。


 「で、怪我はないか?」


 「うん。ヒールしてもらったし。それよりこれ解いてほしい」


 腕を見せると、ダダルさんはナイフで縄を切ってくれた。

 ふう。やっと自由になった。


 「そうだ。ダダルさんが眠らせたの?」


 「っぷ。相変わらずだな」


 そう言ってダダルさんが笑った。何がおかしいんだよ。


 「その角についた筒を取ると、眠りの粉が舞う仕掛けなんだ。というか、お前は平気なんだな」


 「うーん。眠くなったけど耐性がランクアップして平気になった」


 「……た、耐性? そんなのあったか?」


 「うーん。網掛けられて覚えた」


 「あれで覚えたのかよ!」


 ユイジュさんが驚いている。

 這い出る前に足を引っ張られたから頭打ったけどね。


 セードさんが来て、無事首から奴隷リングが外された。

 僕にヒールしてくれた少女も保護されたらしい。



 僕達は、後から来た救援隊の馬車で帰る事になった。ヒールしてくれた少女も一緒だ。彼女は、ジョアラさんと言って彼らの専属ヒーラーとして捕らわれていた。

 そしてマトルドは結局、網で包まれて荷馬車で運ばれる事になった。健康状態を見てくれるそうだけど。ちょっと不安。


 『もう少し警戒すればよかったな。すまぬ』


 僕の膝の上に座るチェトが言った。チェトのせいじゃないのに。


 『自分が情けないわ。あんな網で動けなるなんて』


 サザナミも少しため息交じりに言う。


 「もう二人共。みんな無事だったし、二人のせいじゃないんだから」


 「さすが聖なる乙女。聖獣の言葉がわかるのですね」


 え?

 僕は隣に座るジョアラさんに振り返った。


 なんでチェト達が聖獣だと知ってるの? あ、僕がチェト達をお話をしたからか!


 「彼女は、そういう事に詳しいのだよ。チェト達が聖獣だと見て見破っていた」


 僕達の前に座るセードさんが言った。

 馬車にはこの三人だけしか乗っていない。ダダルさんとユイジュさんは、来た時に乗って来た馬で移動している。


 「へえ。凄いね! 見分け方って? 僕にはわからないんだよね」


 「え!?」


 教えてって言ったらキョトンとされた。変な事言ったかな?


 「そういう環境に育ったからだろう」


 「そういう環境?」


 それってどういう環境だろう?


 「あの……私はエルフなんです」


 『やはりそうだったか』


 「うん? エルフって?」


 「………」


 今度は凄く驚いた顔をされた……。


 『人間によく似た種族だ。しかもスキルを数種類持つ。魔力も高く我々が住むような高濃度の魔力がある場所を好んで住んでいる。なので人間とエルフが一緒に居る事は滅多にない。本来なら我々も人間がいる土地よりエルフがいる土地にいた』


 「そうなんだ」


 「あのもしかして、庇護者なんですか?」


 『『………』』


 「うん? ヒゴシャって?」


 「ですよね。魔力がそんなに高くなさそうですから。やっぱり聖なる乙女だからなのね」


 聞くと、軽く首を横に振ってジョアラさんはそう言った。


 「もしかして、聖獣は魔力が高い者を選ぶのか?」


 セードさんが聞くとジョアラさんが頷く。


 「同じ所に住むと言われるエルフを庇護者にしないのはなぜだ?」


 「私達にとってメリットはありませんので」


 「なるほどな。言われればそうだな」


 何の話をしているのだろう?


 『いいんだ。わからなくて。説明するのが面倒だからな……』


 僕が首を傾げたからか膝の上に座るチェトが言った。


 『そうね。理解させるのが難しそうだわ。そこにこだわりはないもの』


 よくわかんないけど、サザナミも別にいいと言っている。

 じゃ別にいいかな?


 「もしかして腕が痛いの?」


 僕は無意識に手首を擦っていた様で、ジョアラさんが聞いた。

 縄の後がひりひりするんだよね。

 僕が頷くと、ヒールをしてくれた。スーッと痛みがひく。本当にヒールって凄いや。


 あ、そう言えば。マジカルマップ!


 手首を見ていて思い出した。奪われたけど、どうなったんだろう?


 「あの、セードさん。僕のマジカルマップ奪われちゃったんだけど……」


 「そうか。見つけ次第返そう」


 「よかった。お願いします!」


 ふぁ~。あくびが出た。


 「眠いなら寝ていいぞ」


 「うん。そうするかな」


 かたかた揺れる馬車が僕を心地良い……硬いから寝心地はよくないけど眠りへと誘う。

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