18 シェルシア 紅茶
今日は少々少なめです。
サンドイッチで少し遅めの朝食を済ませると今迄ピリピリとした緊張感が少し和らいだ気がした。
ヤッパリ食事は気持を落ち着かせる効果が有ると再認識。
シェルシアナイスアシスト!
でもサンドイッチ作り直したけどね~。
しかしそれから1時間2時間と時間が過ぎて行くけれど未だにシフォンさんからの連絡が無い
待つ身としてこの時間が凄く長く感じる。
そして徐々に部屋の中にも緊張感が漂い始めて来ると
じっとして居る事が苦痛になり部屋の中を歩き回る人も出て来る。
そして遂に3時間にもなろうとした時シトラルの所へレターリーフが届いた。
「シフォンからのレターリーフだ!」
その声にその場に居た全員がシトラルの周りに集まると
シトラルがそのレターリーフを読み上げた。
「これからジャミ・フォークと一緒にハーズガルを連れて帰る。
彼は傷を負って居る為戻り次第治療を頼む」
「「エッ?」」
一瞬その場の全員が固まった。
「ジャミ・フォークって敵側の魔族でしょ。それが何故一緒にハーズガルを連れて来るの?
それに怪我って。彼と戦って怪我をさせたって言う事?」
私がシトラルに聞くも自分にも判らないと首を横に振られた。
兎に角シフォンさん達が無事に帰りハーズガルも怪我をして居るが生きて連れて帰れる事を知り
その場の雰囲気も和らいで来た。
それから間も無くシフォンさん達が部屋に飛び込んで来た。
驚いた事にジャミ・フォークと思われる魔族とその魔族に抱き抱えられた
ハーズガルと思われる魔族の他に数十人の魔族がぞろぞろ部屋の中へ入って来た。
比較的大きな部屋だけれども流石に全員入れる分けも無く1階の食堂へ彼等を案内して
話しを聞くと自分達はジャミ・フォークの部下で元々人族と揉めるつもりは無いと殆どの者が
同じ様な事を口にする。
でもハーズガルの下でジャミが動いてたんだよね。
それが人族と揉めるつもりが無い?
そこが良く判らないけど取り合えず
彼等の全てを信じた訳じゃ無いけれど今は
敵意を見せる事無く大人しくして居るので紅茶を出して様子を見る事にした。
暫くすると勇者様とレイそして何故か王都守護兵団団長のジークを連れて
2階へ駆け上がって行った。
するとドタドタと2階から嬉しそうな笑顔でシェルシアが下りて来ると
私を見付け駆け寄って来た。
「イズミ!来た!来た!ジークったら私の顔を見てシェルシアさんだって~
顔を赤くしても~~可愛いんだから~。」
もうテレッテレで云って来たけれどもう呼び捨て?
まあどうでも良いけど自分で紅茶と茶菓子を用意して持って行こうとしたので
慌てて私が2階に居る人数分用意して持たせてあげると意気揚々と
階段でスキップでも始めるんじゃ無いかという程浮足立って居る姿を見て
思わず吹き出しそうになるのを必死に堪えて居ると
階段を上がり切る最後の一段でシェルシアが躓いた!
そしてよろよろと転びそうになりながら4、5歩よろめきながら進み何とか態勢を持ち直すと
私にピースサイン?
いや油断してると本当に転ぶからと指を指して注意すもその顔はニヤケが止まらない様子。
こんなに嬉しそうなシェルシア始めて見た気がする。
すると又ドタドタと階段を下りて来ると又もや私に駆け寄り突然。
「イズミ!私も手伝うわ。」
「エッ!一体どうしたの?」
「彼がねえ~。シェルシアさんは優しくて綺麗で働き者でなんて云うのよ。
綺麗で働き者だなんて良く知ってるじゃない。だからね。て・つ・だ・う・わ。」
体を捩ってウネウネと気持ち悪い位照れながらそう云うも
ジークと呼び捨てから今度は彼???
それに
煽てられて手伝いに来た?
シェルシアは男から見たらチョロい女なのかも知れない・・・
まあ2階ではジャミが今迄の経緯やハーズガルの事を詳しく話して居る筈だから
シェルシアが此方に居た方が落ち着いて話が出来る筈なので
良いとは思うけどね。
それに20人もの魔族を前にして一人では如何して良いか迷う所も有るけれど
余程嬉しかったのかシェルシアが魔族に対しても愛想良く紅茶のお代わりを注いだり
話し相手をしたりと・・・・・。
あれ?・・・あの紅茶何処から持って来た?・・・・
あっ!紅茶を飲んだ魔族の男の人が噴出した!
2階では真剣な話が続いて居るのに
ココ食堂ではそれからシェルシアの淹れた紅茶を飲んでの我慢比べが始まった。
飲み込む事に成功したのがまだ1人!
紅茶を飲み切れず吹き出せば周りからは大笑いが聞え
飲み込めば
『おお~』と感心するかの様などよめき。
そう考えるとあの王都守護兵団のジークとバリオッド騎士団のレイスレッド
魔族顔負けの我慢強さって事?
何方にしても
もしジークがシェルシアを彼女にしたら相当苦労しそうだ。
今の内にご愁傷様と云って置こう。
そして紅茶を淹れた当の本人シェルシアは
紅茶を飲む魔族の側で何とも
云えない顔をしてるけれどまあそこは自業自得
此れからはもう少し紅茶に限らず料理覚えて貰いましょう。
ジークの為に。
こうして2階とは真逆な雰囲気の中、
夜は更けて行ったのだった。




