16 シェルシアの奮闘
連休良い言葉ですね~。
皆さんはこの連休どうお過ごしでしたか?
私の場合連休には居るのが少し遅かった為もう少し残って居ますので
その間にもう少し話を進められたら良いなと思って居ます。
これからも『男の娘って何ですか?』
宜しくお願いします。
シフォンさんがレイラさんと一緒に飛び出し、帰って来たのはその夜遅くなってからだった。
私達も2人が中々帰って来ない事を心配して誰もが眠れず食堂で待って居ると
シフォンさんがレイラさんを抱き抱えて帰って来た。
レイラさんはエリアを倒す為に魔力を使い果たし飛ぶ事が出来なくなってしまった為
シフォンさんが彼女を抱き抱えて帰ったと言う事だけれども何故か
レイラさんは魔力を使い果たし相当身体が辛い筈なのに
抱き抱えられ帰って来た時からズッとシフォンさんの手を握り締め
自分の部屋に戻って行くまでずっと嬉しそうにニコニコして居たのが凄く印象に残ってる。
確かにレイラさんはシフォンさんに一途だとは聞いて居たけれどこれ程とは思いもして居なかった。
私の場合ここまで想ってくれる人は・・・居ないな・・・。
流石女性の憧れのシフォンさんと言うべきか。
そしてその翌日は敵側の動きは無く勇者様はカラナス王国のマクディス公爵に用事が有ると
出掛けて行き夕方に帰って来ると公爵から信用できる人物が居ると云われ
その人達が明日の朝来る事になって居ると嬉しい報告が有った。
その当日の朝早く私達の目の前に現れたのが
バリオッド騎士団団長を名乗る金髪に青い瞳のレイスレッド・バン・ミシャル
そしてもう一人は王都守護兵団団長の茶髪に青い瞳のジーク・バレシア
何方も20代前半に見える好青年でシェルシアがその2人を見ると目を輝かせ
厨房へ駆け込んで行き紅茶と茶菓子の用意を始めた。
「イズミ!見た?あの人!この間見かけた騎士よ!それにもう一人の人もカッコイイ。
私がお茶菓子持って行くから絶対手を出さないでね!」
「それは良いけどシェルシアって紅茶淹れた事あったっけ?」
「任せなさいって!この女神シェルシア様に出来ない事なんて無いんだから。」
目を輝かせ私に一切手出しをさせないので仕方なくシェルシアに任せ厨房を後にしたけれど
やはり不安が残る。
時々厨房の方からガシャン!とかカラ~ンカラ~~ンとか何か騒がしい音が聞えたけれど
私がそちらを見て居る事に気付くとシェルシアはにこやかに問題無いと合図を送って来るので
不安ながら彼女に任せる事にした。
暫くして嬉しそうに紅茶セットをトレイに2セットを乗せ持って来る姿が見えた。
その紅茶セットしながらあざとく微笑みチラッチラッと彼らに視線を送って居るのが見える。
ウワッ!彼らに変に思われないだろうか?シェルシアの行動は心臓に悪い、本当に大丈夫かな?
そんな私の心配を他所にお茶菓子を出し終わると2人に更に必要以上に微笑み
ぎこちないステップでスキップしながら厨房へ戻って行く。
思わず『転べ!』と思った私は悪い女だろうか?
いやいやきっと誰もがそう思うに違いない。
そう思いながらも粗相のない様に願う私が別に居る訳で・・・
2人のテーブルへ視線を向けると・・
うん、ちゃんと出来たみたいで良かったと思いつつも何故か違和感が。
良く見ると2人の前に座って居るシフォンさんと勇者様の前には何も置かれて居ない・・
とっ言うか2人分しか紅茶用意してないじゃん!
ふとシェルシアの方を見ると厨房から覗く様に2人を見つめに嬉しそうな微笑みを見せて居る。
これは、全くシフォンさん達の事を気づいて無いな。
困った・・仕方ない後でシフォンさんに謝らなくちゃ。
シフォンさんの紅茶の事は仕方ないと諦めたけれど何故かその不安は拭えないで居る。
何だろう、この不安は?
そうして居る内にその2人はシェルシアの淹れた紅茶に口を付けると
その顔が急激に青褪め驚きとも苦痛とも言えない表情に変わり今にも吹き出そうになって居たが
口を手で押さえギリギリの処で踏ん張って居るのが見えた。
シェルシア!一体何を飲ませた?
しかしその2人は鍛えられた軍人らしく暫く吹き出すのを我慢して居たが
その後涙目になりながら口に含んだ物を一気に飲み込むとようやく安堵の表情を浮かべ始めた。
「シェルシア!」
私が厨房の方を振り返り立ち上がるとシェルシアが「あっ!」
という言葉を残して逃げて行く姿が見えた。
遣られた!
此れが不安の元だ!
私は急ぎ厨房の中へ入ると隅の方で立ち止まり私の方をじっと見つめ
壁に手を張り付けて居るシェルシアの姿が見える。
「シェルシア!」
「ハッハイ! あの、もしかして・・」
「もしかしても何も無いわよ!一体何入れたの?」
「紅茶だけだと味が薄いと思ってそこの香辛料と今朝のスープの残りと・・・」
「何でそんな物入れるのよ!飲めるわけ無いじゃない!」
「だってフルーツティーって有るでしょ。だから美味しいかな~と思って・・」
「何でも入れれば良い訳無いじゃない!もう~、判った。私が淹れるから見てて。」
「・・・うん」
それから急いでティーポットに茶葉を4人分入れ沸かした湯を適量入れると
4つのティーカップにお湯を入れて温め
ティーポットの中で踊って居た茶葉が落ち着いて沈んで来たのを見計らい
カップのお湯を捨てて軽く拭き
温まったカップとティーポットをトレイに乗せて
シフォンさん達4人の所へ持って行きカップをセットしてから新しい紅茶を注いだ。
やはり淹れたての紅茶は良い香りがする。
こういう所は生前のバイト時代の経験が役立つ。
しかしそうやって香りを楽しんでばかり居られず直ぐにシェルシアの所へ飛んで戻ると
厨房入り口でそれをジッと見て居た彼女をぶつかりそうになり
そのまま両手でシェルシアを厨房の中へ押し込んだ。
「シェルシア~~~!」
「なっ何よ・・」
「貴女何やってるのよ!2人をチラチラ見て変に思われたらどうするの?」
「判った?ねえ2人共カッコいいわよね。イズミは何方が好み?
私は騎士様かな?でももう一人の方も捨てがたいのよね~。」
「そうじゃ無くて誘う様な仕草しちゃダメじゃない!勘違いされちゃうわよ!」
「私が誘う?まさか~。私は王子様に見初められて幸せになるの。
自分から誘うなんてそんなはしたない事する分け無いじゃない。
第一そんな事女神の礼儀に反するわ。」
堂々と言い切るシェルシアに呆れるがこれ程自覚が無いとは思いもしなかった。
その後暫くシェルシアに説教をしたつもりだってけれど本人はケロッとして
聞いて居るのか聞いて居ないのか全く分からない態度をして居て私の方が疲れてしまった。
その後勇者様達と話しが終わったバリオッド騎士団団長のレイスレッド・バン・ミシャルと
王都守護兵団団長のジーク・バレシアは静かに帰って行った。
特に王都守護兵団団長のジーク・バレシアは時々名残惜しそうに振り向きながら帰って行くのが
印象に残った。
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そしてイズミ達の居る施設を後にした王都守護兵団団長のジークと
バリオッド騎士団団長のレイスレッドは
少し早かったが昼食をとる為行きつけの店へ向けて並んで歩いて居た。
「おい、ジークおい!聞いてるのか?」
「・・・ん?あっ何か云ったか?」
「さっきから何度も呼んでるのに気づきもしないで一体どうした?」
「いっいや、何でもない・・・」
「何でもないわけ無いだろうが!さっきかっら変だぞ。
帝国の勇者の事で何か気になる事でもあったか?」
「ん・・まあ・そうかな?・・」
「お前らしくないはっきり言え!」
そう云うとレイスは立ち止まりジークの両肩を掴んだ。
そして俯き加減で歩いて居たジークは顔を上げて不安げな顔を見せたると
それを見たレイスは何事かと真剣な顔になり顔を近付けた。
「どうした、魔族との事がそんなにショックだったか?」
「いや、そうじゃない。帝国の勇者は・・・」
「帝国の勇者がどうした?」
「ん・・いや、良い・・。」
「はあ~?ハッキリしろ!本当今日のお前はおかしいぞ!」
「判った。ハッキリ言う。お前彼女居るか?」
「はっ?居るわけ無いだろうが?そんな事お前が一番知って居るだろうが?」
「だよな・・・」
「ああ~~!じれったい!一体何が云いたい?」
「お前最初あの不味い紅茶を持って来た子をどう思う?」
「・・・んっ・・まあ綺麗だったとは思うが・・・」
「いや!綺麗だったどころじゃない!
あの子はまるでそう・・まるで女神様みたいに綺麗だったじゃないか!
紅茶は不味かったが・・・。
それ以外にも後から新し紅茶を持って来た子!あの子もまるで人形な様な綺麗で気が利く子だったよな。」
「ああ、まあそうだったな。でっそれがどうした?」
「お前白銀の魔女を良く見たか?」
「綺麗なのは判ったが余り良くは見られなかった・・いや照れくさくて見られなかったと言う方が当たってるかな?」
「だよな。しかし白銀の魔女の噂本当だったな。
若く誰もが思わず振り向きたくなる様な美しい女性・・・俺は尾ひれはひれが付いた眉唾物だと思ってたが・・」
「ああ・それは俺も思った。・・・っで?」
「あの帝国の勇者あんなに綺麗な女性に囲まれて羨ましいと思わんか?
一体どうすればあれだけ綺麗な女性に囲まれる事が出来るんだ!
俺とあの帝国の勇者一体何が違う?
俺等未だ彼女の1人も居ないのに同じ男でこの差は許せんだろう!」
「はあぁぁぁぁぁ~~~?お前そんな事で悩んでたのか?」
「そんな事とは何だ!俺は・俺は・・・俺・事が済んだら告白しようと思ってる。」
「一体誰に?まさか白銀の魔女にか?」
「違う!紅茶のマズイ女神・・・あの笑顔が忘れられん・・・」
「まぢか?・・・」
「・・・」
無言のまま頷くジークの頬がほんのり赤く染まるのが見えたレイスは
ジークの肩を叩くと又一緒に歩き出した。
「まあ頑張れ。お前が決めた女だ。
俺は応援するが、料理だけはお前がキッチリ教えろ。
でないと俺はお前の所へ飯を食いに行けんからな・・」
「・・・ん・・頑張る・・」
ここに1人シェルシアの策に嵌った犠牲者が出る事になった。
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「クシュン!」
「シェルシア風でも引いた?」
「ううん?大丈夫よイズミ、どうやら良い男が私の噂をしてるみたい。
ウフフ
ヤッパリ見る人が見れば判るのよね~。」
「いや、それは流石に自惚れが過ぎると思うけど・・・」
しかし意外とシェルシアの予感は当たって居たりしていた・・・。
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