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男の娘って何ですか?  作者: とらいぜん
4章 ミリニシア
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6 王都シャシスへ

レターリーフを宙に投げた。


「シフォンさんへ」


しかしレターリーフはヒラヒラと足元へ落ちて来るだけだった。


「エッ!何で?」


そして何度も試したが結局レターリーフがシフォンさんの所へ飛んで行く事は無かった。


「シルク」


風の精霊シルクを呼びレターリーフが送れない事を聞くと。


「レターリーフが飛んで行かない理由の一つがその人物自体が存在しない事が考えられるわ」


「存在しないってどう言う事よ!」


イズミは血の気が引いて行くのを感じた。


「その言葉そのまま、存在しない。今まで居た人なら死亡して居る場合。その相手には届かない。」


「そんなバカな!シフォンさんだよ!あのシフォンさんが死ぬ訳ないじゃない!」


「でもレターリーフがその相手を認識できないで居ると言う事は

今現在存在して居いないという事よ。

確かに精霊女王に認められた人が簡単に死ぬとは思えないけど

レターリーフが彼女を認識できないで居るのは確かよ。」


「まさかそんな・・」


「後・・これは現実的じゃ無いかも知れないけどイズミに私が接触出来ない時があったでしょ。」


「えっ何時の事?」


「イズミが皆に死んだと思われて居た時。

あの時は私もイズミの存在を認識する事が出来なかったのよ。

お陰で私も一瞬焦ったんだから。

でもあの時私とイズミとの絆が切れて無かったから生きて居るとは思って居たけれど

何処に居るかまでは分らなかった。

もしシフォンがあの時のイズミと同じ状態なら説明も付くわ。」


「その場合生きてるのね。」


「でも・・・」


「でも?」


「でも私達精霊が認識できない程の結界を張る事が出来る人は限られて居るのよ。

例えばシェルシアの様な女神ならば確かに出来るでしょうけど

後他に出来るとしたら竜人が数人掛かりならば可能かも知れない。

けれども竜人自体人数が少ない上に彼等の村以外では普段集団で行動する事は殆ど無いから

彼等が偶然何人も集まってとなるとそちらの方はほぼ可能性はゼロに近いわ。」


「もしかしてマリスシアがシフォンさんと一緒に居るかも知れないじゃない

それだったら結界に守られて。」


「残念ながら

彼女はあれからイラエミスから一歩も出て居ない事は確認が出来ているわ。」


「それじゃあ本当にシフォンさんは・・・」


「それは私にも判らない。・・それじゃイズミ、確かめに行って見る?」


シルクのその言葉にふと後ろを振り返るとセティア達が心配そうな顔で

私を見て居た。


「セティア、私・・・」


「イズミ、勿論私達も行くわよ。白銀の魔女様に世話になったのは貴女だけじゃないもの。」


「有難う。それじゃあ、まずシフォンさんが何処に行ったのか調べないと。

シルク、シフォンさんの足取り分からない?」


「そうね。・・えっと・・ここでは、判らないわね。

少なくても帝国国境からナリエスへ入っいて居ない事は確かよ。」



「イズミ、それだったらギルドへ行って見たら?

白銀の魔女様の事だったらギルドの方が詳しい情報知って居るんじゃない?」


「教えてくれるか分からないけど、聞くだけ聞いて見ようか?」


「そうした方が良いと思うわよ。」


タルトの提案に頷きそのまま冒険者ギルドへ行く事にした。


ギルドへ入ると思いの外静かなのが気になったが

彼等が私達に気が付くと見知らぬ女性だけのパーティの為か

ギルド内に居た冒険者の視線が一斉に集まるがその半数が直ぐ視線を戻した。

やはりクラスS冒険者シフォンさんの所属するギルドでも他のギルドと同じ様な反応。

こういう所は何処も同じみたいだ。


そしてシフォンさんの事を聞こうと受付の女性の前まで行き声を掛けると

ニコッと微笑みかけて来た。


「何か依頼を受けられますか?」


「いえ、そうじゃ無くてシフォンさんの行き先を知りたいのですが。」


受付の女性は私の言葉を聞くと一瞬顔を曇らせ言葉を詰まらせたが直ぐに笑顔を取り戻し。


「彼女は今帝国の勇者様の結婚式に出席され近々帰って来る予定ですが。何かお約束でも?」


「いえ、そう言う訳では無いのですが、シフォンさんにはお世話になったので

出来れば会いたいと思いまして。今何処に居るか分かりますか?」


「申し訳ありません決まりでたとえお知り合いで有ろうと

本人の承諾が無ければお教えする事が出来ないのです。」


「そうですよね、有名人であるからこそ尚更か。・・・」


「イズミ!諦めちゃうの?もっと聞いて見なさいよ!」


タルトの言葉にもう一度聞こうと受付の女性に近づこうとした時

後ろから肩をポンと叩かれ振り向くと一人の男性が立って居た。


「キミ達はシフォンの知り合いか?」


その男性は何となく寂しげな表情を浮かべ私に声を掛けて来た。


「私達魔族との戦いでシフォンさんに世話になったパーティ『ニシアの風』です。

それでシフォンさんが近々帰って来ると聞いて会いたいと思って居たのですが

シフォンさんと連絡が取れずどうしたのか心配になって。」


「俺はデリックだ。既に冒険者は引退したがシフォンの教育係を担当していた。」


「そうなんですか。でも、引退された方が何故ギルドに?」


「それなんだが・・まあ立ち話もなんだ。座って話そう。」


話しかけられたデリックと言う冒険者を引退した男性の後に着いて行きギルド内の

食堂に移動して水を一杯づつ頼むとその水をグイっと一気に飲み干した彼が

私達を見渡してから口を開いた。


「シフォンに会いに来てくれたのか?有難うな。だがシフォンは今ここには居ないんだ。」


「はい。それは今聞きました。勇者様の結婚式に出席して近々帰って来るとか?」


「・・・それが予定日を過ぎても帰って来ない。それ処か変な噂が出回ってる。」


「噂ですか?どんな?」


「俺もその真相を聞きにジョイに聞きに・・あっジョイとはここのギルマスなんだが、

アイツは噂だからと何も話してくれなかったがアイツはきっと何かを隠している。

そしてその噂なんだが・・・シフォンが殺された・・・」


「エッ!そんな・・シフォンさんがまさか!」


「ああ、俺もそう思いたい。

俺もシフォンと連絡のつけようも無くここでずっと待って居たんだが未だ帰って来る気配すらないんだ。」


「あの、私達もギルドマスターに会えないでしょうか?私達も話を聞いて見たい。」


「そうだな。俺も、もう一度掛け合って見るか。付いて来てくれ」


デリックに付いて行くと受付を通さずにそのままギルドマスターの自室へ向かった。


「ジョイ!入るぞ!」


長い付き合いなのかノックを数回して言葉を掛けると返事を待たずにデリックが入って行くと

部屋の中には栗色の短い髪と同じ色の瞳の男性が机に向かって居た。

その男性がデリックに気づき声を掛けて来た。


「おい!デリック!シフォンの事は・・・彼女達は?」


「ああ、シフォンの知り合いだそうだ。

何でも魔族との戦いで一緒だったとかでシフォンに会いに来た所あの噂だろう?

シフォンの事を心配してお前から今回の真相を聞きたいと言って居たので連れて来た。」


「真相は俺にも分からん噂は噂だ。気にするな。」


「ふざけるな!俺が一体何年お前と付き合ってると思ってるんだ。

お前何か知ってるんだろう。一人で抱える事無いだろうが。俺も巻き込め!」


「デリック、それで彼女達も巻き込むつもりか?」


振り向くデリックに対して私達も黙って頷いた。


「ギルドマスター、私はシフォンさんと親友の約束をしました。

やっと親友になれたシフォンさんの生死も分から無いんです。

私達だってシフォンさんの力になりたい。

お願いです。

私達にも本当の事を教えて下さい。」


「・・・」


ギルマスのジョイは暫く俯いたまま黙り込むと何か思いったったかのように立ち上がり

1通の手紙と1枚のレターリーフを私達に渡した。


手紙の方は差出人の名は無くその内容を要約すると

『シフォンさんがカラナス王国の王都シャシスで殺された』と言う内容だった。

もう1枚のレターリーフには

差出人の名が『シトラル』

シフォンさんと何時も一緒に居た竜人の名だ。

彼のレターリーフには『帝国からの帰路盗賊に襲われ

ミナトを攫われそれをシフォンが追った。』と書かれて居た。


そしてもう一枚のレターリーフをギルドマスターが取り出し自ら読みだした。


「これは、その差出人シトラルから送られて来たもう1通のレターリーフだ。

彼からは精霊ミラエスの話として・・・シフォンが何者かに襲われ大怪我を負ったらしいと。

しかし現場には血痕が残って居るだけで誰もそれを見て居ない。

そしてレターリーフでのシフォンとの連絡が取れず行方不明。と書かれて居る。

俺もこのレターリーフがどの様な仕組みで相手に届くか分からないが

届かない理由には思い当たる物が有る。それは・・・」


「何故黙ってた!それにお前シフォンが死んだというのか!」


デリックがギルドマスターに食って掛かったが

ギルドマスターは落ち着いた口調で続けた。


「誰も死んだ等と言ってはいない、俺は生きてると今でも信じている。

だから例えレターリーフが届かずとも消息不明としか言ってないだろう。

それに差出人不明の手紙を鵜呑みにする分けにも行かないしな。

これは、シフォンを慕う者達を誘き出す罠だ。」


「「「「罠?」」」」


「今魔王国の事が有ってから何が有るか分からないからと

クラスの高い冒険者をオスター国王が国外へ出す事を制限して居る。

その為シフォンの捜索チームをナリエス冒険者ギルドから出す事が出す事が出来ないんだ。

かと言ってこの事を皆に伝えればお前達はカラナス王国の王都シャシスへ向かうだろう。

そうなればAB以下のクラスの者が行けばあがなう事も出来ず相手の思う壺に嵌ってしまう、

ましてやデリックお前は引退した身そんなお前が率先して行くに決まって居る。

だから今まで黙って居た。」


「うっ・・・しかしジョイ俺だって元は」


「元は元、今の話をして居る今お前がシフォンを探しに行ってどうこうなると思って居るのか?」


「・・・」


「ギルドマスター私はミリニシア神皇国の冒険者精霊使いイズミです。

レターリーフの事を私の契約精霊に聞きました。

確かに死亡して居れば届かないと言って居ましたが

その他にも精霊が認識できない程の強力な結界を張られれば

幾ら精霊のレターリーフでも届ける事は出来ないと言っていました。

ですから私もシフォンさんはその強力な結界に守られて居るんではないかと思って居ます。」


「強力な結界?一体どのような結界だ?」


「女神レベルの結界だと言って居ました。」


「女神?女神が実在するのか?あっ!すまん、

ミリニシア神皇国は女神ミリニシアを崇めて居るんだったなすまない。

しかし女神レベルの結界を誰が張れるんだ?」


「竜人が何人か集まれば可能だと言って居ました。」


「竜人がか・・」


「ですから私はシフォンさんを探しに行きたい。・・・いいえ!行きます!」


「やはりそうなるな。しかし探すと言っても何も手掛かりが無いのにどうやって探すつもりだ。

それにだっきも言ったがこれは罠だ。

何が起こるか分からない。

その点何か考えが有るのか?」


「私は風の精霊使い風の精霊を使って探し出そうと思います。

彼女ならきっと見付けられると私は信じて居ます。」


「風の精霊使いか・・・しかしイズミが言った通り精霊が分からない程の強力な結界をどうやって見破るつもりだ。」


「でも、今現在の居場所が分からなくても風の精霊なら

シフォンさんの形跡を辿る事が出来るかも知れません。

ですから私達が行きます!」


「本来止めるべきなのだが、今うちで動かせるクラスC以下の者を送る分けにも行かない、

すまないが今向こうでシトラルと精霊のミラエス2人と協力してシフォンを探し出して欲しい。

それから一つだけ忠告をさせて欲しい。

決して一人で行動するな。

必ず何人かで纏まって行動する事を約束してくれるなら

王都ナリエス冒険者ギルドマスターである俺が許可を出す。

向こうで何か有れば俺の名を出せば良い。

国は違うが王都ナリエス冒険者ギルドが責任を持つ。」


「有難うギルドマスター、必ずシフォンさんを見つけて来ます。」


「固い言い方をするな。ジョイで良い。

イズミ、『ニシアの風』のメンバーの皆・・死ぬなよ。必ず生きて帰って来い・・イヤ、

他国の者に帰って来いはおかしいな。必ず戻って来い。良いな。」


「ハイ。ギルマ・・ジョイ、有難う必ず全員揃って戻って来ます。」


そこで全員揃ってジョイの自室を出ようとした時ジョイに呼び止められた。


「おい!ちょっと待て!」


「「「「エッ?」」」」


「デリック何惚けてお前も行こうとしてる。お前はここで留守番だ!」


「チッバレたか!分かったよ。」


デリックだけ渋々ジョイの部屋へ戻ると私達はシェルシアとオルイドの待つ宿へ戻り

カラナス王国の王都シャシスへ向けて旅立つ準備を始めた。


挿絵(By みてみん)

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