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男の娘って何ですか?  作者: とらいぜん
3章 魔族
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14  シェルシア再会

何時も読んで頂き有難う御座います。


少しづつですがブックマして下さる方も増えて

とても嬉しいです。

これからも楽しんで頂けるよう更新して行きますので

今後とも宜しくお願いします。

「うわ~~!バカ!バカ!バカ!バカ!バカ!大バカだ~~!」


岩で囲まれた空間に女性の声が響いて居た。

その空間には魔法で作られた幾つもの明かりで照らされ

岩の間から大きなクリスタルが彼方此方から突き出ていた。


その中で薄い水色の長い髪に同じ色の瞳を持った美しい女性が岩を叩きながら

何度も何度も「バカ!バカ!」と叫びその横でもう一人の金髪の女性がすまなそうに蹲って居た。


「ねえ、聞いてるの?あの時私言ったわよね!自分の身の安全を第一にを考える様にって!」


「うっうん。」


「うん、じゃな~~い!全然約束守って無いじゃない!お陰で・・お陰で・・私・・うわ~~。

取り返しの付かない事しちゃったじゃない!一体どうしてくれるのよ。ねえ聞いてる?イズミ!」


ここはイズミ達が戦っていた地上から地中深くにあった空間に

シェルシアが爆発と同時にイズミとミナトを連れて転移して来た場所だった。


「うん、聞いてる。」


「前に言ったよね。ニシアの名を貰えない内は地上で私は自分の力を使えないって。

・・・使っちゃったじゃない!貴女のせいよ!

貴女が私の言う事聞かずに危ない事するから。でも・・本当に・・本当に・・本当に無事で良かった~~~!」


今迄散々喚き散らしたかと思うと今度はイズミに抱き着き泣き出した()()()のシェルシア。


「シェルシア痛いって!まだ傷が完全に塞がって無いんだから。」


そう言って包帯をした手首を失った右手を見せた。

「何言ってるの。それで済んで良かったと思いなさい。あの時私が間に合わなかったら2人とも

死んでたのよ。それに貴女は精霊の種子を持ってるのだから間も無くその傷も塞がる筈よ。

それより問題は彼の方。」


そう言って未だに横たわったままのミナトを指さした。

ミナトは目覚めて居たが自分からまだ起きようとせずに寝たままシェルシアとイズミの

話しをただ聞いて居るだけだった。


「シェルシア、本当にミナトは記憶を失ってしまったの?私の事もシフォンさんの事も全部?」


シェルシアは頷きながら横たわったミナトの横に跪きミナトの頭を優しく撫でながら


「傷は私が全部治したわ。でも、記憶だけは私にもどうにもならない。

もしかしたら今日明日にも記憶を取り戻すかも知れない

それとも一生そのままなのかも知れない。それは誰にも分から無いのよ。」


シェルシアは立ち上がると今度はイズミの失った右手の部分を持ち


「貴女のこの傷もそう。

精霊の種子を植え付けられてる貴女の身体は治癒魔法を受け付けない。

それに精霊の治癒能力は治癒スピードは早くても

私や竜人程強力な物では無いから失った物を再生する事が出来ない。

だから残念だけど貴女のこの手はこのまま・・」


「シェルシア大丈夫よ。例え右手が無くても左が有るじゃない。これからは左利きにする練習しなくちゃね。」


「イズミ強がらなくても大丈夫よ。誰だって身体の一部を失えばショックだもの。

その位私だって・・・」


イズミが強がって見せた姿を見て逆にシェルシアが辛そうにしていた。

そのシェルシアの横にイズミが座り彼女の左腕に手首を失った自分の右腕を回し

俯きながら。


「ゴメン、心配掛けちゃったね。それに女神の資格失わせちゃって本当に御免なさい。」


「もう良いのよそんな事、これからは良い男でも見つけて人として生きる事にするわ。」


「フフ、見つかると良いね。」


「うん。絶対見付ける!言ったでしょ、初めてイズミと会った時の私の夢。叶えて見せるから」


「シェルシアらしいな。所でシェルシア、シルクと全然連絡付かないんだけれどここで何かしてる?。」


「ゴメン、強力な結界張ってる。それで精霊との連絡も付かないのよ。」


「精霊でさえ干渉できない結界?そんなに強い結界が必要なほどあの魔族達強かったの?」


「魔族は関係ない。問題な女神側、ニシア様達の方よ。女神のルールを破った私はおそらく天界追放に

女神の資格の失効そして自分の一番得意な魔法を奪われ幾つかの枷を課せられる筈。

私の得意は防御それに治癒イズミ達を守る為にはそれらを今失う分けにはいかないもの。」


「シェルシアそこまでして私達を・・・ゴメン・・」


「もう良いのよ。それにそのゴメンはもう要らない十分イズミには謝って貰えたわ。

これからはもうそれは無し。良いわね。」


「うっうん分かった。」


「問題は彼をこれからどうするかね。」


シェルシアはミナトの側に行き静かに起こすとミナトもそれに答える様に

自分から上半身を起こした。


「あの、話を聞かせて貰って居ましたがシェルシアさんで宜しいのでしょうか?

俺に手当てをして居ただけた様で有難う御座います。

それから恥ずかしい事なのですが俺、自分の名前忘れちゃってて・・」


そう言って自信なさげにシェルシアに頭を下げるミナト。

その様子を見てたイズミがミナトの右手を左手で取り顔を近付けると。


「ミナト!私の事覚えてる?イズミよ。ねえ良く私の顔を見て思い出して。」


「すみません、イズミさん・・あのちょっと顔近いので・・」


「えっ!私の事判るの?」


そして更にミナトに顔を近付けた。


「いっいや今2人で話されて居たのでその時貴女の名を聞きまして、あの名前イズミさん良いんですよね。

それから・・ちょっと顔が近くて・・・」


ミナトのその態度にハッと気づきイズミがミナトから顔を放し

沈んだ声で嘆願する様に。


「ミナト・・そんな・・お願い私の顔を見て・・思い出して・・ミナト。」


「イズミ。今は静かにさせてあげて。」


シェルシアがイズミの左手を後ろから引いてミナトの手を離させミナトから引き放した。

それからそこで数日3人で過ごした。


食事はシェルシアが『ポケット』と言って居たアイテムボックスの様に道具を必要としない

空間からまるで手品の様に食べ物を取り出してくれた為困る事は無かった。


数日と言っても地上の様に朝晩の区切りがある分けでは無いので一体何日過ぎたか分から無いが

ミナトが私達に慣れ精神的に落ち着いて来たのを確かめてから地上に戻った。


地上に戻った時には星々が奇麗に輝き月が地上を照らし出して居たが

その地上はイズミの記憶にあった物とは全く違って居た。


「シェルシア、ここ何処?」


「ここってイズミ達が魔族と争って居た場所よ。」


「ウソ!これってまるで・・月面みたい・・一体何が有ったの?」


イズミの立ってる場所は、地面は黒く焼かれ土は捲れクレーターの様な場所が幾つも有り

緑は遠くに見える場所にしか見る事は出来なかった。


「どうやらシフォンが本気で暴れたみたいね。」


「シフォンさんが本気で。・・前にシェルシアがシフォンさんが本気を出したらって言ってたけど

想像以上の力だ・・・でもそれってミナトが・・」


そう言ってミナトを見るとただ単に周りを見渡し星々を見上げていた。


「綺麗だ。」


その言葉を聞いた時何故だか自然にイズミは涙が零れるのを感じた。


現在『世界で最高の身体を手に入れたら・・』

https://ncode.syosetu.com/n0371fz/

とコラボ中~。


これらは、同日更新又は前後日更新の物と同時間の物とする予定ですので

興味の有る方は、覗いて見て下さいませ。


今後とも『男の娘って何?』

宜しくお願いします。

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