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男の娘って何ですか?  作者: とらいぜん
2章男の娘って何ですか?
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2 タルトの悩み

冒険者学校に居る時、盗賊に襲われ命を失いそうになった時イズミに命を救われた。

その代わりに彼女の寿命が削られる事になり私もその事に心を痛めた。

その事について何度もイズミと話したが決まって彼女は悲しそうな顔をして

『私がタルトを救いたくて勝手にした事だからタルトはそんなに思い詰めないで

私はタルトの笑顔が大好きなの、だからその笑顔が見られるだけで幸せ。

もし償いたいと思うならタルト自身が幸せになって私にその笑顔を見せてくれれば良いわ。』


私に笑顔で居て欲しいそれが何時もイズミが言う言葉。

そして『私は今日明日死ぬ訳じゃ無い、だから一緒に人生楽しみましょう。』

とても前向きな言葉を何時も聞かせてくれた。

そして何度目かの話し合いを最後にその話をしなくなり

私は今までと同じようにイズミと付き合う事にした。


そのイズミとペアを組んで3週間が過ぎた。

冒険者学校の卒業式で男みたいな恰好で出て来たイズミの姿を見て驚いたけれど

あの時のイズミの気持ちも分かる気もする。


だから私も冒険者になった初日イズミと同じ様に髪の毛を後ろで縛って

同じ髪型にしてイズミと共に頑張ろうと一緒に活動している。

そして今日もイズミと依頼完了の手続きをしにギルドに来ている。


「タルトちょっと待っててね。直ぐ手続終わらせて来るから」


そう言って受付の方へ行く後姿を見て居ると突然聞いた事の有る声が私の後ろから聞こえて来た。


「おおタルト久し振り。元気にしてたか?冒険者になったって聞いてたから心配してたんだ。」


振り返るとそこに同郷で同じエルフの『オルイド』が居た。

彼は私がエルフの森に居る時からずっと私に付き纏い自分と結婚しないかと言い寄って来るしつこい

男だ。

悪いエルフでは無いんだけど、思い込みが激しく突っ走る傾向が有り

どうも私と気が合わず今まで何度も断って来ていた

それでも懲りずに言い寄って来るので困って居たけれど

そ私が冒険者学校へ行って居る間は彼からは何も言って来なかったのでほっとして居た。

なのにその彼が他のギルドで冒険者をして居るのは知って居たけれどまさか

ここで会うなんて。


「オルイド久し振り。ここには依頼で来たの。」


「ああ、依頼じゃ無くてタルトがここに居るって聞いたんでな、こちらに移って来たんだ。」


「ええ、そうだったんだ・・・」


『参ったな。

それだと毎回ここで会う可能性が有る事になるものね。』

そう考えて居ると今度は私とペアを組んで居るイズミの事を聞いて来た。


「所でタルトここでコンビを組んで依頼を受けてると聞いたがそいつとはどんな関係なんだ?」


「どんな関係って言われても」


その時受付が終わったイズミが戻って来た。


「タルトお待たせ終わった()よ」


その姿を見たオルイドが突然表情を変えイズミに向かって行き

そのままイズミに顔を近付け話しかけて行った。


「お前がタルトとコンビを組んで居る奴か?」


「えっ!私の事ですか?」


「私だと!何処のお坊ちゃんか知らないがタルトからすぐ手を引け!」


「お坊ちゃんて?・・タルトこの人誰?」


それを見ていたタルトが首を横に振って居たがその意味が良く分から無いで居たイズミに

更にオルイドが。


「タルトと同じ宿から出て来たと聞いたがまさか同じ部屋じゃ無いだろうな。」


「宿代勿体ないから勿論同じ部屋だしお風呂も一緒()


「へっ部屋もお風呂も一緒だっだと!・・」


その言葉に驚いたオルイドがタルトに向き直り


「タッタルト、おっお前まさかこいつと・・・こっ婚姻前のお前がそんな事するなんて・・・」


そして『うわ~~!』と言う大きな声で泣きながらギルドから走り去ってしまった。


イズミが不思議そうな顔でオルイドを見ながらタルトに近づき

「タルトあの人誰?」


タルトがイズミにオルイドとの今までの経緯を話すと驚いたイズミが


「エッ!それじゃ私を男だと思って居たって事?

じゃ部屋もお風呂も一緒って言ちゃた事不味かったよね。」


思わず顔を赤らめるイズミとタルト。


「うん。でもそれでオルイドが来なくなってくれれば良いかな?」


しかしその翌日冒険者ギルドに又オルイドがタルトの前に現れた。

『立ち直り早!』

流石タルトが言うだけある人だ。

イズミがそう思う間もなく直ぐにタルトが


「オルイド、私にイズミが居るのにまだ付き纏うつもり」


その脇で自分に指を指して驚きながら戸惑うイズミ


「エッ!エッ!何言ってるの??タッタルト??」

そのイズミにコッソリ耳打ちするタルトが


「ゴメン、そう言う事にしといて。彼本当にしつこいのよ。」


「うっ、分かった。私がタルトの彼氏だよね。うん・・」

ちょっと嬉しいイズミ


「ああ、分かってる。夕べ考えたんだエルフの寿命は長いその長い寿命の中でほんの一年や二年気の迷いだってあるさ。その位許さないとな。俺は何時でもタルトを迎える気持ちが有る事を知って欲しい。

今日はそれだけを言いに来たんだ。まだ諦めた分けじゃ無いからな。」


「オルイド、私にはイズミが好きなの。本当よ。だから諦めて欲しい」


『おお~~私を好きって言った!』喜びに打ち震えるイズミ、

必死にその場でその喜びを押さえていた。

しかしオルイドは笑いながら。


「だから気の迷いだと言ったろう。何時かその夢も覚めるさ。又明日来る」


その自信が何処から湧き出るのか分から無かったが悠々とその場を後にするオルイドの後姿を

タルトと共に見送って居た。


「タルト、強敵だね。」


「でしょ。でも、ゴメンねイズミを巻き込んじゃって」


「ううん、私はタルトが頼ってくれて嬉しいわ。よ~し。これから私がタルトの彼しか。頑張ら無いとね。」


「ゴメン、イズミ。」


「謝る事ないわ。そこは、有難うでしょ。・・あっそうだ言葉使いも変えないと彼氏として不味いか。う~ん折角直したけれどこれは、男の言葉使い解禁か。」


「ゴメ・・有難うイズミ。暫くイズミと一緒に居る所を見て居れば何れ諦めると思うから。」


「私は嬉しいのよ・・私は嬉しんだ。・・うん、こんな感じだね。オルイド撃退作戦発動なり!」



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