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男の娘って何ですか?  作者: とらいぜん
1章女神 シェルシア
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17女神 シェルシア 模擬戦

イズミはその日模擬戦の希望を出して居た。

順番としては後半半ば、相手は魔法と剣を使う女性で身長はイズミより高く

剣士としての方が優秀だと聞いて居たが魔法も油断できない相手だと思って居た。

体格差に体力差が有る為早く決着する事を考え模擬戦に臨んだ。


「イズミ頑張って。皆で応援して居るからね」


タルトがイズミを励ましてくれたが未だミナトの事が完全に消え去った分けでなく

出来るだけミナトの姿を見ない様にして居た。


「始め!」


試合の合図とともに互いに距離を縮め相手から剣が振って来るのを見ると

既に口の中で魔法の詠唱をして居るのに気が付いた。

『魔法を発動される前に倒さないと』

そう思い横に飛んで剣を躱しながら相手の横っ腹に風の塊を叩きつけた。

するとそのまま相手が倒れ、試合終了となってしまった。


圧倒的な力差で試合に勝ったにも関わらず

イズミの心は晴れず、キャミアから祝いの言葉を貰ったがまるで他人事のように思えてならなかった。


その後数試合終わり最後に今日のメインイベントとして

白銀の魔女と勇者の模擬戦が始まる事になった。


その試合が始まる前から周りの熱狂振りは凄い物で

教官達からもその試合を見逃さまいと全ての教官が校庭に出て来ていた。



しかしその試合が始まると今までのざわめきが嘘の様に静まり返り

剣と剣がぶつかり合う音移動の際に起こる風の音魔法を発動する声とその魔法による攻撃音しか聞こえてこなかった。


後は、ただ

「凄い!」「なんで魔法を放ちながら剣を振るえるんだ?」「人の動きじゃ無い」

と言うような呟きの声しか聞こえて来なかった。


しかしイズミは

『確かに速いけど見える。あの攻撃なら躱せる。』

他の人達と違いそう思う様になった。


白銀の魔女達の試合が白熱を帯びると上空へ移り周りからも

「人って飛べるんだ!」「初めて見た」

驚嘆の声が聞えて来た。


イズミも確かに風の力を利用して飛ぶ事が出来るがあれ程早く

方向を変えたり加速する事が出来ない。

「シルク、シフォンさん達は何故あんなに早く動けるの?私はもっと緩やかな動きしか出来ないのに何故?」


「あれは、私達と根本的に飛ぶ原理が違うのよ。私達は風を使って飛ぶけれど白銀の魔女様は重力を操って飛んで居るのよ、そして風の力をその補助的な物として使って居る。それに

身体の強度が私達と全く違うわ。もしイズミが同じ様な動きをしたなら数秒もしない内に

身体に支障をきたし失神又は身体の一部を失うかも知れない。白銀の魔女様達は特別なのよ。」


「特別・・・か。でも。」


そこまで呟くとキッと白銀の魔女の試合を睨みその様子を見続けていた。


そのうち更に動きが速くなり見上げて居る人の中からは、既にその動きが追えなくなって居る人達が現れた。

「早すぎて一瞬止まった時にしか見えないよ。」大半が同じ様な意見を持っている様だった。


「でも私には見える。白銀の魔女の魔法の発動より私の聖霊の力の方が早い、きっと戦える筈。」

そう言う思いにかられる様になった。


そして勇者との模擬戦を終え下りて来た白銀の魔女と勇者が皆の拍手に迎えられその日の模擬戦を終え様とした時一人の女性が手を上げた。


「シフォンさん私と戦って下さい。」


その場に居た全ての人がその言葉に驚き振り向いた。

そのイズミに気がついた白銀の魔女は、にこやかに微笑み。


「良いわよ。直ぐ始める?」


「はい。」


そして二人向き合い合図を待つ。


「初め!」


教官のその合図に直ぐ動いたのが白銀の魔女。

彼女はレイピアを片手に素早くイズミに走り寄ったかと思うとその手前でフェイントをかけ

頭を下げてイズミに斬り掛かる。


それを風の力で飛び上がって避けたイズミがすかさず風の刃で白銀の魔女を攻撃する。

近くから放たれた風の刃、勿論詠唱も名前を言う事無くその素早い攻撃をレイピアで受け止め

何とか凌いで一度距離を取る白銀の魔女。


「あの精霊の力の発動の速さは厄介ね。以前ムストニア王国で戦ったミレイユの経験が無かったら間違いなくやられてた。」


以前白銀の魔女がムストリア王国で戦ったミレイユは、完全無詠唱で魔法の名を言う事も無く無言で魔法を放つ事の出来た悪魔の事だった。

そのミレイユと同等以上の速さの精霊の攻撃の出来るイズミは白銀の魔女にとって

油断ならぬ存在になって居た。


「イズミ本気で行くわよ。」


「私だって負けません。」


上空に居たイズミに対し白銀の魔女も飛び上がり

「アイスピア」

魔法攻撃を仕掛けそのままレイピアを手にイズミに仕掛けて来る。

それを風の風壁で防ぎながら更に上昇し上昇して来る白銀の魔女に対し

風の刃を向けて放つイズミ。

そしてそのまま風の刃を追い掛ける様にして剣で白銀の魔女に斬り掛かる。

イズミが白銀の魔女に向かって重力を味方につけて加速しながら下降して行くと

白銀の魔女から

「サンダーアロー」

電気の矢はイズミの風の刃と交差しイズミに向かって来る

それを風の防壁で防ごうとするがその風の防壁を易々とすり抜ける電気の矢。


それを空中で向きを変えて避けるとそこへ白銀の魔女のレイピアが襲い掛かって来た。


キン!


響き合う金属がぶつかる音、

空中で静止し互いに向き合い剣を交らわせる2人。

「イズミやるじゃない。」

「シフォンさん、私も負けるつもりは有りませんから」

「そう、楽しみだわ。」


数言言葉を交わすと直ぐに離れ互いに魔法と精霊の力をぶつけ合う。

「サンダーアロー」

それを風の防壁で防ぐイズミ

「イズミ風では電気を防げない無駄よ」

「そうかしら」


その電気の矢は風の防壁に入ると電気が飛散しその場で消えた。


「エッ!何で?」


「電気は風には強いけれど水に流れますからね。だから水を利用させて頂きました。」


白銀の魔女がその言葉を聞き風の防壁を良く見るとキラキラと輝く物が風の防壁の中に浮いて居るのが見えた。


「水を風で浮かせた?・・でも一体何処から?」


白銀の魔女が下を見ると防火用の溜池が空になって居るのに気づいた。


「私の方がここの事を良く知ってますから。」

そう言って微笑むイズミ。


「地の利は我に有りって言う事ね。」


その言葉に黙って微笑むイズミ

「それじゃ力でねじ伏せるしか無いわね。」

一言言うと白銀の魔女がイズミに向かって飛び込んで来た。


空中で剣を交らわせたかと思うと次に

そのまま地上へ落ちる様に降りて来た2人


2人共ふわりと地上に降り立つと互いに剣や精霊の力、魔法と互いに攻撃をしたかと思うと

近くで魔法を放った白銀の魔女が急速にイズミに近づいて来た。


魔法は風の防壁で防いだが急激な白銀の魔女の動きに

目は追い着いても体の動きが追いつかずに居た。

『しまった。体の動きが間に合わない。』

そう思った瞬間レイピアがイズミを襲った。

そのレイピアを躱しきれず左腕に傷を負ってしまい一瞬動きが鈍ったイズミに

更に白銀の魔女のレイピアが襲う。


その攻撃を何とか風の防壁で避けようとしたがその防壁を白銀の魔女は潜り抜けて来た。

しかしその間数秒時間を稼いだイズミが距離を取り風の刃を放ちそのまま白銀の魔女に走り寄る。

「そんな同じ手が通じると思う?」

レイピアを片手に風の刃を叩き落としイズミと同じ様にレイピアを片手に走り寄る白銀の魔女。


そしてその中央で剣とレイピアが交じり合うと思った瞬間

イズミが剣を捨てた。


その行動に驚いた白銀の魔女が一瞬動きが鈍った。

そこへイズミが白銀の魔女の腕に自分の腕を絡めバランスを崩させ

彼女を転ばせ直ぐにその上に跨り拳で殴ろうと腕を振り上げ。


『勝った!』


そう思った瞬間白銀の魔女が視線を逸らした。

『エッ!何?』

思わずその視線に釣られてそちらを見るとイズミの額に白銀の魔女の頭突きが炸裂した。


「ウッ!」


余りの痛さに思わず両手を額に当て力を抜いた瞬間白銀の魔女に逆に馬乗りにされ

レイピアを突き付けられた。


「シフォンさんズルイですよ~。」


「でも、勝ちは勝ちよ。」

そう言って微笑む白銀の魔女。


「うう~んでも、やっぱりズルイ・・」


「でも私に頭突きをさせたのは貴女で2人目よ誇って良いわよ。」


「ええ~、じゃ最初の一人って誰ですか?」


「私の親友。」


そう言ってウィンクをする白銀の魔女。


「それじゃ私も親友の候補に居れて貰えます?」


「考えて置くわ。」


そう言って微笑みながらミナト達の方へ歩いて行った。


『うわ~ヤッパ敵わないや。

ミナトが好きになるだけの事は有る人だ。』

そう思うと今までミナトの事で悩んで居た事が完全では無かったが

落ち着いて見られるようになって居た。


そこへタルト達が走り寄り

「イズミ~、凄い!カッコ良かった。まさかあそこまで白銀の魔女様と戦えるなんて思わなかったわ。」


「うん、有難う。でも多分手加減されてた様な気がする。」


「そんな事無いよ。だって凄かったもの」


「やっぱり手加減されてた。だって最後の方に見せたスピードと最初の頃のスピードが全然違ってたから。

やっぱり凄い人だよシフォンさんて。」


その日を境に何か吹っ切れたイズミ

そして翌日この学校最後の日を迎える事になる。



何時も読んで頂き有難うございます。

ブックマ登録も少しづつ増え皆様に感謝しております。

宜しければ

感想なども頂ければ等と贅沢な事も考えて居ますが・・・(^_^;)

気が向いた時で構いませんので宜しくお願いします。




現在『世界で最高の身体を手に入れたら・・』

https://ncode.syosetu.com/n0371fz/

とコラボ中~。



これらは、同日更新又は前後日更新の物と同時間の物とする予定ですので

興味の有る方は、覗いて見て下さいませ。

今後とも『男の娘って何?』

宜しくお願いします。

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