14女神 シェルシア ミナト
始めてミナトと出会た翌日の放課後教官室に呼び出されたイズミが
一体何がバレたか不安を抱きながら教官室に向かって歩いて居ると
気が付けば既に教官室の前まで来ていた。
『うわ~もう着いちゃったよ。』
そんな嫌な思いを持ちながらドアを開けるとそこには
昨日声を掛けた『ミナト』と言う日本人が立って居た。
その
ミナトが教官に向かい。
「有難うございます。それでは彼女を少しお借りします。」
そう言いイズミを教官室から連れ出した。
イズミ何が何だか分からずそのまま後を着いて行くとミナトと言って居た日本人から
優しい声で話し掛けらえた。
「え~と、イズミさんだったね。昨日の事で少し話しがしたいんだ
良ければ近くの店で良いので付き合って貰えないかな?
勿論教官には許可を得てるのでその事に関しては心配ないから。」
昨日会ったばかりのミナトから突然連れ出され驚きを隠せず
「私から声を掛けたにも関わらずすみません、ただ余りにも急だったので。」
「あっそれはゴメン、そうだね。確かに急だったかな?でも俺達にも余り時間が無かったので
良かったら付き合って欲しんだ。」
「ハイ。分かりました。私も聞きたい事も有るしお付き合いします。」
例え元男と言え今は女性の身で相手は白銀の魔女と一緒に行動して居る男性と2人
色んな不安が頭を過るが元男としては日本人と言うミナトへの興味の方が勝った。
少し行くと学校近くの食堂に入り食事を注文しながらミナトの方から
イズミに直接的に質問を投げかけられた。
「イズミは何で日本人の事を知って居るんだ?」
一瞬どの様に答えて良いか悩んだがこの際秘密にする様に言われても無いし
そのまま正直に話す事にした。
「私も実は元日本人なんです。向こうで一度死にその後向こうの記憶を持ったままこちらに転生したんです」
「転生?生まれ変わった?そんな事実在するんだ!」
「ハイ。女神のシェルシアが言うにはそうなります。」
「女神?本当に女神が居るの?じゃあ神様も居るんだよね。」
「私は女神のシェルシアしか知らないので他の神の事は良く知りませんが。
それよりミナトさんはどのようにしてこちらの世界へ来たんですか?」
「俺は、召喚されたんだ。それから何年も軟禁生活を強いられてる時シフォンに助けられたんだ。」
「軟禁生活?そんな事されたんだ。一体どこでそんな目に遭わされたの?それにシフォンて誰ですか?」
「うん、もう良いかな?実は俺こちらの世界に勇者として召喚されたんだけれど
来る時に大怪我をして両足を失ってしまったんだ。それで使い物にならないとずっと帝国のカイザスと言う男に軟禁生活を強いられて居たのを救い出してくれたのが
皆が『白銀の魔女』と呼んで居るシフォンなんだ。そう皆が白銀の魔女と呼んでいる人、
シフォン・クワイス・コーイケルそれが彼女の本当の名前だ。」
「それじゃ帝国の勇者って日本から来たの?外国人?」
「それは、詳しく言えないけれど俺と違う。俺の様に何人もの人が召喚されたけれど誰一人として五体満でこちらの世界に来れた人は居ない。皆途中で正気を失ったり大怪我をして死んだりして唯一生き残ったのが俺だけなんだ。」
「でもミナトはちゃんと足が有るじゃない。何故足を失ったって。」
「この足は治して貰った。シフォンと同行して居た竜人のシトラルと言う人が居るんだけれど
その人は時間を掛ければ失った手足を再生する事が出来るんだ。そのお陰で今の俺が居る」
「ミナトさんは大変な思いをしたんだね。」
「そうかも知れないけれどシフォン程じゃ無いよ。彼女は自分の親友を失いながらも
人の為自分の命を投げ出そうとした程優しく心の広い人だ。俺は彼女を尊敬する。
彼女を見た事有ると思うけどイズミはどう思った?」
「御免なさい、私ミナトの事を先に気付いちゃって良く見て無かったんだ。」
「そうか、同じ日本人の目からどう映るか知りたかったんだけれど、見てないなら仕方ない・・か・・・。」
「ミナトさんシフォンさんの事が好きなんですね。」
「うっ・・・・ん」
言葉が出せず黙ってしまったミナトに対しイズミが
「実は私も好きな人が居るんだ。でもまだ何も言えずに居て・・。ううん、
そんな事言える人じゃ無い事位分かって居るんだけど・・・思いは消えないのよ」
「そうかイズミもそんな人が居るんだ。相手に伝わらない。伝えられない伝わった筈なのに返事が無いって辛いよな。」
「うん。ミナトさん分かってくれるんだ。嬉しい」
「勿論その位分かるさ。
良し今日は飲もう、イズミ俺のおごりだ・・あっお姉さん。俺ブドウジュースお代わり」
「私はミルクお代わりね。」
下戸の2人は意気投合して更に話に花が咲き
その後日本での事やこちらの事恋バナ等の話で遅くまで二人で
ブドウジュースとミルクで夜更けまで盛り上がっていた。
その頃寮でイズミを待って居たキャミア達はイズミが白銀の魔女と同行して居た男と
イズミが一緒に出掛けた事を聞いて。
キャミアが興味深そうに。
「イズミが男を連れて何処かへ行った?・・もしかして恋人?」
それにつられカフェスも
「うわ~。昨日言ってた『見つけた知り合い』って、ずっと会えなかった恋人の事だったんだ!
偶然この冒険者学校で出会うなんてロマンチックじゃない?」
そしてタルトも
「そう言えば昨日のイズミ普通じゃ無かったものね。凄くはしゃいでたと言うか直ぐ物思いに耽ったりして。あれが恋する乙女の姿?そうか~イズミが、羨ましいな~。」
そんな恋バナを3人で話し夜が更けて行った。
そして遅くにミルクで腹いっぱいになって帰って来たイズミに
皆からの質問の嵐に巻き込まれるのは必然の事だった。
その思いもしなかった質問の嵐に
『ヘルプミー ミナト~』
その時のイズミの心の声がミナトに届く事は無かった。
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今後とも『男の娘って何?』
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