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男の娘って何ですか?  作者: とらいぜん
1章女神 シェルシア
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10女神 シェルシア 契約 マップ挿絵有り

誰も気づかずイズミの側に立つ白い髪の女性が初めて口を開いた。


「彼女を助けたい?」


その言葉に驚き振り向くと幽霊と思しき女性が立って居た。


「幽霊・・タルトを連れに来たの?止めて!お願い連れて行かないで。」


そのイズミ姿を見て居た男達はもう一人の女性の姿を見る事が出来ず

一人話をして居るイズミの姿を見て


「おい、あの女一人でブツブツ何か言ってるぞ」


「仲間の女が殺されてパニクってるんだろう、暫くすれば直るさ」


「まさか壊れて無いだろうな。」


「例え壊れたとしてもあの容姿だ欲しい奴は幾らでも居るさ」


まさか目に見えない相手と話して居る等と思わずにそのままにして居た。

その間にイズミはその女性とずっと話を続けていた。



「貴女は幽霊じゃ・・・」


「違うわ、私は風の大精霊シルク私はずっとあの男達を見張って居たのよ

あの男達は今迄多くの女子供をさらっては弄び売り飛ばして居たのに私は何も出来なかった。

精霊は自然の営みを守る者それを冒す者には警告を出す事も出来るけれどそれ以外の事には、

悔しい事に2つの例外を除いて何も出来ない」


「2つの例外?」


「それは精霊女王の命によるもの、そしてもう一つは契約者による指示による物、

貴女は実体化して居ない私の姿を見て話す事が出来る数少ない人族の者

私と契約して貴女の友達を救いたいと思わない?」


「タルト、タルトは、助かるの?」


「正直危ない所ね。でも今ならまだ間に合う」


「それなら契約するタルトを助けて!」


「慌てないで、まず私の話を聞いてから決めて欲しい。

私と契約する事によって生じる利益は私の力の7割を貴女自身が使う事が出来る、

勿論私を使役する分けだから私自身もね。

その力は今の貴女の持って居る力が到底及ばない大きな力よ。

その代わり今貴女が持って居る魔力を全て失う事になり今後全ての魔法が使えなくなるわ。

そしてもう一つ、私は大精霊その力が強力な為貴女の身体に多くの負荷を与える事になり

貴女の寿命をこの契約により10年以上削る事になる。貴女の場合おそらく20年程寿命が削られる事になる筈。まずその事を理解して欲しいの。」


「タルトを助けてくれるなら私の寿命なんか幾らでもあげる。」


「貴女の寿命が欲しい分けじゃ無いわ、必然とそうなると言いたいの」


「いいわ、シルク私と契約して。」


「良いのね。貴女の名前は?」


「私は、イズミ。」


「イズミね。それでは始めるわ。私の手に貴女の手を合わせて」


そう言われシルクの手に自分の手を合わせたイズミ

そしてシルクが契約の儀式を始めた。

(いにしえ)の精霊達よ私は風の大精霊シルク、イズミ貴女の名を」


「私の名はイズミ」


「私達は、(いにしえ)のしきたりに従いここに精霊の契約を結ぶ、私シルクはイズミの命が尽きるまで

常に従う事をここに誓う。イズミ顔をこちらに向けて」


その言葉に従いシルクに顔を向けるとシルクが顔を近づけ

静かにイズミに口づけをした。

驚いたイズミは目を見開き


「シルク、これって一体!」


「イズミ誤解しないで、今私の力の一部と風の種子を貴女に預けた。

これで私と貴女の結び付きが出来たわ。その証拠に貴女の胸を見て」


その言葉にイズミが確認すると自分の右胸の上部分に青く流れる様な模様が出来ていた。

それを見てシルクが

「それが風の精霊使いの印。たった今、貴女は精霊使いになったわ。さあ私に指示を」


「シルク、初めにタルトを助けて、それからあの男達をやっつけて、但し殺さずに」


「イズミ承知したわでも彼女は余りにも弱って居るから

私が直接やると力が強すぎて彼女を逆に傷付けてしまう可能性があるわ

それより貴女と言うフィルターを通して私の力を注いだ方が確実で早いと思うわ。」


「私が?一体どうすれば良いの?」


「私と同じようにすれば良いのよ」


そう言って自分の唇を指さした。

それを見たイズミは


「キス!・・・」


タルトにキス!

それを考えただけで顔が赤くなるのを感じた。

そして思い切ってタルトを抱き上げ顔を近付けるがタルトの唇を見ると其処から何故か先へ進め無かった。


『ウググ・きっ緊張する・・タルトの唇が・・俺を呼んでる筈なのに・・動けない・・』


それを見て居たシルクが


「イズミ彼女本当に危ないのよ。早くした方が良いわ」


「分かってる、分かってるけど・・うーーんよし!」


『タルトゴメン、そうこれは不可抗力。決して俺がタルトにキスしたいからじゃ・・・いや少し・・

いやいや・・大分有るけど・・ファーストは、シルクに取られたので

俺のセカンドキッス、イズミ、行きます!』


そしてようやく唇を合わせるとイズミの身体の中から何かがタルトの中へ入って行くのが分かった。


『この感じは、一体?』


その感じに驚いてそのまま固まって居るとシルクから


「イズミもう良いわよ。そろそろ唇放した方が良いんじゃない?」


タルトから顔を放すとタルトの顔が少しづつ赤みをおびて来るのが分かった

苦しそうにして居た息も落ち着き傷も全て塞がり何時の間にか寝息をたて初めていた。


「もう大丈夫そうね。それじゃ私はあの男達の方を」


そこまで言うとシルクは男達に向かって行った。


シルクが向かった男達は突然吹き荒れた竜巻に巻き込まれ

宙に浮く者地面に叩きつけられる者そして吹き飛ばされ大けがを負う者達が続出した。

そして全ての男達が倒れるとシルクが彼らを一所に集め動けない様に縛りつけた。


それを見て居たマクトは、それらの様子の一部始終を見ていたにも関わらず一体何が起きたか分からず呆然としていた。

そしてイズミが最後に

「シルク誰か冒険者学校の教官をここに連れて来て」


「風に乗せて連れて来る?それともここへ呼ぶ?」


「ここへ呼んで」


「それでは直ぐに」

そう言うとそのまま姿を消した。

その姿を確認するとイズミに急に身体全体から強い疲労感と眠気が襲って来た。

「マクトゴメン、私もう限界かも?警護お願い。」


そこまで言うとイズミはタルトの足の上に倒れ込んでしまった。


暫くしてタルトが気が付くとその足の上に泣き腫らしたイズミの顔がそこに有った。


「イズミ、心配かけてゴメン。」


そしてそっとイズミの頭をそっと撫でた。

周りを見るとマクトが周りを警戒して居るのが見えたので声を掛けた。


「マクト、一体何がおきたの?」


「俺にも良く分から無いんだ。タルトが斬られて倒れてからイズミが泣き喚きながらお前に抱き着いたまでは分かるんだがその後イズミが何やら独り言を言い始めたと思ったら突然あの男達が竜巻に飲まれ倒れて行ったんだ。そうしたら風に流され一か所に集まったかと思うと何者かに縛られる様に縛られ。最後にイズミが俺に警護を頼んで倒れた。本当自分の目で見て居たにも関わらず一体何が有ったのかさえ良く分から無い。」


「イズミが何かしたんだと思うけど、後は本人が起きてから聞くしか無いわね。

イズミに助けてくれたお礼を言わなくちゃ。」




「それと後これは、言って良いのかな?」


「何が有ったの?」


「イズミがタルトに長い間キスをしてた。」


「エッ!」

その事実に驚き急に立ち上がった為イズミがタルトの膝から飛ばされ

真面に後頭部から地面に叩きつつけられ。


『ゴン!』


寝ていたイズミがその痛みで目を覚ました。


「グワ~~!いっ痛い!これが精霊を使った反動の痛みか~~!頭が痛い~~!」


「あっ!イズミ、ゴメン!貴女が私にキスしたって聞いたから思わず。」


「えっえ~とその~。タルトあのね。」


イズミがキスに至った経緯をタルトに一通り話すと。


頬を赤らめながらタルトが

「そうだったんだ。ゴメン、思わずキスって聞いて・・・

所で精霊と契約したって、それはどの様な精霊?」


「うん。確か風の大精霊シルクって言ってたわ」


「大精霊!イズミ。それじゃ貴女自分の命を削って私を・・ゴメン!私そんな事とも知らずゴメン・・

そこまでして私なんかを・・」


「なんかじゃ無いわ。私の大切な友達だもの、タルトだってきっと同じ立場だったら同じことするわ。

だから気にしないで」


「気にしないなんてそんな事出来ないよ。だって私の為イズミが自分の命を削ったんだよ。

そんな・・・イズミ・・長生き出来ないじゃない。将来どうするのよ。」


「私は、目の前でタルトが死ぬ所見たくなかった、そして後悔したくなかった。結局自己満足なのよ。

だからこの後どうなろうと後悔しない。今満足して居るから。タルトが生きて居るから。それで十分。」


「イズミ・・」

そしてタルトは泣き出してしまった。

「タルト一つ聞きたいんだけど、大精霊と契約すると寿命を大きく削られる事を誰もが知ってるの?」

イズミがその事をタルトに聞くと


「私の様なエルフなら知ってる可能性有るけど多分普通の人族は知らないと思う。」


「そう、それじゃキャミア達皆には、黙って居てお願い。」


「分かった、でも本当にそれで良いの?」


「うん。皆には知られたくないし、余計な心配かけたく無いから。私達だけの秘密にしておいて。」


「分かった。黙って置く。」


それから暫くすると学校の教官達やキャミア達が駆け付け大騒ぎになった。


その後の調べで分かった事だがあの男達は、アリタリス帝国で第一王子の暗殺を謀った者達の残党で

勇者達の戦いから逃げ出しこの地に落ちた者と分かった。

その中には、幻覚魔法を得意とするものも数名居てその者達によって霧が生み出され

イズミ達を分断させたのだろうと結論付けられた。


最近この周辺で誘拐事件も彼らの仕業と分かり彼らの処刑が決まったらしい。


そしてそのイズミは、この日を境に風の精霊使いとなった。




挿絵(By みてみん)

何時も愛読有り難う御座います。


宜しければブックマ、評価、感想など頂けると飛んで喜び

更に執筆の励みになりますので宜しくお願いします。 


感想も何でもOKです。

ココがおかしい面白くない、変?←私?

何でも良いので一言頂れば更に変・・・いやいや更に更新の励みになりますので宜しくお願いします。

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