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異世界転生〈誕生〉
「おぎゃあ、おぎゃあ、」
広い部屋に、産声が響く。
それは自然と自分のものだと理解出来た。
(あ、産まれたのか、私)
ぼんやりとした意識の中、望んでもいないのに泣いている。
しかしそれは不可抗力なのだと分かっているからか、悪いものと考える事は無かった。
(嗚呼、あったかい……)
優しく誰かに抱かれる。
その手はとても温かく、私の心をひどく安心させた。
(異世界転生…成功したんだぁ)
なんて呑気に考えていると、私を抱いている人がハキハキとした声で言った。
「奥様!おめでとう御座います!」
この人は私を産む手伝いをした人か…
「元気な“男の子”ですよ!!」
………………………うん?