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異世界転生〈転生開始〉
それから、神から大まかな事を聞いた。
と言っても、完全にこの神(仮)の気まぐれのようだ。
「どうせお前オタクだろ?容姿端麗、成績優秀の天才にしてあげるよ」
「何その謎のチート」
なんて良く分からない会話を交えていた。
「容姿とかは僕に任せていいの?」
「うん。とんでもない醜女でない限りはお好きに。学力とかも普通でいいと思う。……あ、体力は欲しいかも」
生前の私、体力なさ過ぎて体力テスト酷かったから…
利き手の握力8よ?
「よし!準備完了!それじゃあ転生させちゃうよ!!」
「はいはい。あー楽しみぃ!」
すると急に睡魔が私を襲ってきた。
嗚呼、凄く眠い…
私はゆっくり目を閉じる。
意識が遠のく…
その意識を手放す寸前、神が優しい声で「頑張れ」と言ったのが聞こえた気がした…
「はー、やっと行ったか…思ったより煩い奴だな…」
誰も居なくなった真っ白な空間で、姿の見えない〈それ〉は言った。
「後でもう一人、送るからね……それまで一人だけど、頑張るんだよ」
〈それ〉は優しく、まるで微笑んでいるかのような声音で言った。
「そっちの《魔女》に負けないでね…」