第四話
今回はいつにも増して駄文です。ご注意下さい。
地の文オンリーなんか辛すぎる。
最後になるに連れてどんどん駆け足になっています。
母さんは、どこか懐かしいものを思い出すように遠い目をしていた。
だがそれは楽しかった事ばかりではないのだろう。
その瞳からは悲しみの感情が見てとれる。
「聞いてくれる? 私達の出生の真実」
これから語られるのは、俺達の真実。
――私はダリヤで、なんの変哲もないただの子供として生まれた。
お父さんは生まれた時には既に亡くなっていたけれど、その分お母さんは私の事をたくさん愛してくれた。
少し過剰過ぎるきらいがあったけれど、お父さんの遺した唯一の愛の証なんだし、まあ仕方ないよね、と思っていた。
ユイと名付けられた私は、お母さんの下ですくすくと育っていった。
ちなみにダリヤでは、王族以外に名字はない。
お母さんはお城付きの乳母さんで、私は子供心ながらに、自分の仕事に誇りを持っているお母さんを尊敬していた。
お父さんがいない事もあり、お世辞にも家はお金持ちとは言えなかった。むしろ貧乏だった。
だからだろう。私は10歳からお城で侍女として働く事を許されていた。
あの頃は、自分の実力が認められたんだ、って嬉しくなってたのよね。
そんなかんじに、お母さんの後を継げるようにと乳母のことを教わりながら、侍女として働いていた。
とても充実していた日々だった。
そんな時だった、あれが起こったのは。
あれは赤い瞳の開月が開いて一週間たった頃の事。
お城も城下街も、その妖しく光る赤い、いや、紅い瞳に人々は不安と恐怖を隠しきれていなかった。
誰もが不安げな表情を浮かべる中、一つの良い事と悪い事が同時に起きたの。
良い事とはね、王子、つまり悠くんが生まれたのよ。
赤い開月がなんだ、あれは迷信なんだ、と既に人々はお祭り騒ぎ。
でも、その二日後にはまた静かになった。
産後、容態が思わしくなかった王妃様が亡くなったの。
美しく、優しく、そして賢い。行動の所作には気品が見てとれる。
そんな王妃様だったから、当然人気者だった。
あまりの人気故に中には、悠くんが生まれたせいで亡くなったんだ、なんて言い出す人達も現れた。
まあそんな人達は王様が黙らせたけど。
それでね、王家のしきたりとして、お葬式が済んだ後の王族の遺体は、霊玉が安置されている霊玉の間にある棺に入れられるの。
で、それに同行するのは騎士団の団長である人と、霊術団の団長である人のみ。
騎士団長は冥福を祈る為、霊術団長は遺体に保護の術をかける為に。
そこで事は起こった。
王妃様の遺体を霊玉の間に運び込むと、みるみる遺体が干からびていったらしいの。
さらにその額には、生えてはならないものが生えていたの。
……そう、それは角。王妃様は、魔物だったの。
王は二人に口外しない事を願った。下げてはならない頭を下げてまでも。
忠義に厚い騎士団長は、その言い付けを堅く守った。
でも、霊術団長が酒で口を滑らせて喋ってしまったの。
もともと、王にはあまり良い感情を持っていなかった事も手伝って、それはそれは流暢に喋った。
そして次の日には王都の民だけにはならず、国民のほとんどが知る事となった。
国民は、魔物を妻にしていた王様に対して反乱を起こした。
唯一王についた騎士団も、数の暴力や国民を攻撃する事をためらったりで、一日で全滅。
そんな時だった。私はお母さんに連れられて、王都から少し離れたところにあるボロボロの小屋に来ていた。
こんなところになんの用が、と思いながら入ると、そこには二人の赤ん坊を抱えた王様と、宰相さんがいた。
話を聞くと、私のお母さんと王様に宰相の三人は、幼なじみらしい。
実は、三人が12くらいの頃に森へ探検しにいった時に、人型の魔物三人と出会ったと言った。
そして全員が別々に一目惚れ。なんとも数奇な運命だ、とお母さんは言っていた。
まあここで私は理解した。私は魔物と人の子供なんだと。
実感は湧かないけど、このままではユイ達が危ない、と言ったお母さんの言葉に従って、私は異世界に赤ん坊二人を連れて行くことになった。
異世界に渡る為の霊術は、王様の膨大な霊力に宰相さんとお母さんの霊力を足してようやくできるものらしい。
そして異世界に渡ってから役立つであろうと渡された大量の貴金属を持って、私はなんの実感もないまま異世界に渡った。
異世界に行く瞬間に聞こえた、王様の本当にすまない。という言葉がずっと耳に残っていた。
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