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第二話

説明回です。

作者の技量では、説明回無しなんて無理なんです。

……ごめんなさい。

 固まる俺。ニコニコ笑顔な母。俯いてぶつぶつつぶやいている弟。


 我が家の食卓は、カオスな様相を呈していた。


「……母さん。何か悪いものでも食べた? 」


 なんだか怖い弟は放置して、母さんに質問をする。


「ほんとの事よ。私が嘘をついたことなんてないじゃない」


 プンスカ、という擬音がピッタリあてはまるような態度で反論してきた母さん。


 確かに母さんは今まで嘘をついたことがない。というか、嘘をつけない。


 嘘をつこうとする時は、目を逸らしながら罪悪感たっぷりな表情をするからだ。


 頬を膨らませ、上目遣いにこちらを見つめる母さん。……可愛いな。じゃなくて、これは嘘をついていないという事になる。


 ……マジかよ。


「でもさ、それが本当だとしたら俺達の血が繋がってない事とどう関係あるんだ? 」

「それはね、……ほら、戒も聞きなさい」


 そう言って小突かれた戒は文字通り吹き飛んだ。


 声色こそ柔らかいが、決して目は笑っていない。


「いててて……。どうかしましたか? 母さん」


「私の話をちゃんと聞きなさい」


 メッ、と指を指す母さん。本当にかわい……じゃない、どうしたんだ俺!


 謎の心境変化に戸惑いながら、いや、恐らく血が繋がっていないと知らされたからか。


 ……なんだか気恥ずかしく感じる。「あのね、まずはこの世界は地球。これは解るよね」


 どこからか黒板を引っ張り出した母さんが、黒板にチョークで地球の絵を描いた。


 ってうますぎるだろ! これもう芸術の領域だぞ!


 内心で突っ込んだ俺に、母さんがニッコリと微笑みかける。


 ……な、なんだか寒気がするな。


「で、私達が行く世界はこーんな感じ。名前は、ツァイリング」


 今度はあれだ、ラ〇ュタ。なんて言うのだろう、天空の大陸みたいな? そんな感じ。


「母さん。その上に浮かんでいる、瞳が閉じたようなものはなんですか? 」


 ここで戒が口を開いた。確かにそれは気になる。


「これはね、こっちの月みたいなものかな。名前は閉月(とじつき)」 ここで母さんはテーブルにおいていた紅茶を一口飲み、咳ばらいをする。


「んんっ。でね、これが開く時があって、この開かれた閉月の事を、開月(あかつき)って言うの」


 次に描いたのは、二つの開かれた瞳。母さんは片方を青、もう片方を赤で塗った。


「開月、ですか。それはいつ開くのですか? 」


「んー。時期は決まってないよ。早い時は一日置きなんかになったし。それでね、この瞳が開かれた時に瞳の色が青だった場合幸福な事が、赤だった場合不幸な事が起こる前兆って言われているの」


 へえ、なかなか興味深いな。


「まあ月は置いといて。このツァイリングだけど、地球では昔信じられていた、世界の果て、ってものがあるの。」


 凄いでしょ。とはしゃぐ母さん。何が凄いかはよくわからないんだけどな。


「世界の果て、ですか。そこにはなにがあるのですか? 」 ここで戒がまた質問を。なんだか頼もしいな、って俺情けないぞ。


「まだ誰も見たことはないのよ。見れない事には理由があるんだけどね」


 今度は黒板に魔力、霊力と書き、更に魔力=魔物、霊力=人間と書き足した。


「これを見たらわかると思うけど、魔力は魔物にしか宿らなく、霊力は人間にしか宿らないの」


「それでね、世界の果ては、魔力を持つ魔物は行けるんだけど、霊力を持つ人間は行けないんだ」


 ふむ。そうなるのならば、こういうことか。


 ……ごめんなさい。見栄張りました。


「つまりどういう事なんだ母さん」

「霊力を持つ人間には、大量の魔力に当てられると、体調を崩したりしちゃうの。これでわかるよね?」


 ……戒。お前の出番だ。「つまり世界の果てには大量の魔力、もしくはそれに準ずるものがあるので、霊力を持つ人間には通れない、という事ですね」


 わかりましたか兄さん。と爽やかに笑う戒。


 ……悔しくなんかない悔しくなんかない。


「大正解! はい、戒くん座布団一枚! 」


 本当に座布団を一枚渡す母さん。


 あんたどこから出したんだ。そもそも座布団は違うだろ!


「とにかくそういう事。逆に世界の中心、このあたりには王都があるんだけど、そこには霊力の素、霊玉(れいぎょく)なんてものがあるの」


 これは俺でもわかるぞ。


「という事は、世界の中心に近づくにつれて魔物が弱くなるんだな」


「正解! 悠くんも座布団一枚よ! 」


やったー。うれしいなー。


「よし。大体はこんなものね。……次は私達の血が繋がってない事についてよ」


 ……説明会はまだ続くようだ。

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