第一話
思い切って投稿。
初投稿なのでいろいろとおかしい点があるとは思いますが、どうぞ見てやって下さい。
俺こと、賀嶋 悠の朝は、耳栓をすることから始まる。ん?何故かって?そりゃあ……。
カンカンカンカンッ!!
「起きろぉぉおーー! 」
……フライパンとオタマで騒音を撒き散らしながら、マイマザーが家の中を走り回るからだ。
明らかに近所迷惑になるレベルの騒音だが、幸い我が家は街の離れにポツンと立っている。
ちなみに我が家は、俺、母、弟の三人暮らしだ。三人で暮らすには少しばかり、いや、かなーり広いのだが、その無駄に広い家を、マイマザーは騒音を撒き散らしながら、何故か隅々まで走り回る。
などと考えている間に、しばらく時間がたったので耳栓を外してみると、ようやく騒音が聞こえないところまで走り去ったので、リビングに向かうことにする。
リビングに着くと、すでに先客がいた。
「おはよう、兄さん」
「ああ、おはよう」
今声を掛けてきたのは、我が弟である、賀嶋 戒。
なんと言うか、すごくイケメンである。
顔良し、頭良し、運動神経良し、器量良しと、文武両道なんでもござれな完璧人間なのだ。
本当に同じ親から生まれてきたのか疑問になるような我が弟だが、一つだけ俺にとってだが、欠点がある。
「今日も兄さんは凛々しくて格好良いですね。その引き締まった美しい体で、僕を抱きしめてくれませんか?」
……と、なんだかわけのわからないことをつぶやきながら、四人がけのテーブルの隣の席に座った俺に、危ない視線を寄越しながらすりよってくるのだ。
「そもそも、お前は男、俺も男じゃないか! 」
「兄さん、僕の愛には、性別なんて壁はあまりにもろすぎるのです」
「いやいや、俺には無理だから! お前に対しての性別を乗り越える程の愛なんて持ち合わせてないから! 」
「……という事は、僕の性別が女性なら問題無いんですね! 」
パアッと顔を輝かす愚弟。
いや、そういう問題じゃないから。そもそもお前さん、性別って変えられるもんなのか。大体俺達は兄弟だろうが。
とつぶやいたところで、マイマザーがリビングに帰還なさった。
「ふぅー。いい運動をしたわね」
フライパンとお玉を手に持ち、汗を拭う仕草をしながらリビングに入ってきた、マイマザーこと賀嶋 唯。
見た目は、腰まで伸ばした綺麗な黒髪に、人形のように整った顔。二人の子供を産んだとはとても思えない華奢な体つきで残念なお胸様という、妖精のような美しい外見をしている。
だが、そんな見た目に騙されてはいけない。 何故ならこの人、最早人外とも言える化け物じみた身体能力を持っているのだ。
この前なんかなんだ、湖の上を走り出した。
どうやってやっているのかと聞いてみたら、「簡単よ。水に足が沈む前に、足を前に出すの。ほら、あんたたちもやってみなさい」などと無茶を言い出す始末。
だがやれと言われてもそんな事出来るはずもなく、ものの見事に沈んだ俺と戒だった。
まあ、戒は四歩くらいは出来ていたのだが。
そんな在りし日の出来事に遠い目をしながら思いを馳せていると
「ほら、朝ごはん食べるわよ」
とのマイマザーのお言葉が。
テーブルに並べられた今日の朝ごはんは、焼き魚に卵焼き、味噌汁に白米、と日本人ならではのメニューだ。
皆でいただきますと言い、食べはじめる。
悔しい事に、いや、なにが悔しいかよくわからないが、この朝飯、うまいのだ。
さすがは母親、か。と何かを悟ったような心境でどんどん食べ進めていく。
ちなみに我が家は食事の時間は会話もテレビも禁止だ。
なので食卓には、物を咀嚼する音しか聞こえない。
そして、卵焼きの最後の一切れを食べ終えた瞬間。マイマザーはとんでもない爆弾発言をかましやがった。
「実はね、あなたたち血が繋がってないの」
……ちょい待て。何故そんな重要な事を今話すんだ。
ほら、隣に座っている戒だって驚いて
「よし! 後は性別か。いっその事性転換手術でも……」
……いなかった。むしろ喜んでガッツポーズしてやがる。
「でねでね、実は母さんも血が繋がってないの! 」
となんだか小躍りしそうなテンションでまたまた爆弾発言。
今度こそ戒も驚くだろうと隣を見れば、
「……母さんも血が繋がっていない。と言うことは、ライバルになるのか………」
なんて言っているのかは聞こえないが、なんだか危ない目でぶつぶつつぶやいている。なにこれ怖い。
「母さん。なんでそんな事を今言い出すんだ」
なんでこんなタイミングなんだ。とりあえず質問をする。
「あのね、実は――今日から異世界に行くからなの! 」
瞬間、場ではなく、何故か俺だけが凍りついた。
誰も見ないよね!
でももし見てくれたのなら、感想や意見をくれると嬉しいなぁ。