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ーlast loveー君に出逢えてよかった

作者: 辻 和美

朝起きると、めったに降らない大雪が降っていた。



いつもならはしゃいで喜ぶのだけど、今日はタイミング悪すぎ。



こんなに降ってきて…


電車止まったらどうするの。



今日は初dateなのに。


お願いだから電車動いてて。



そう祈りながら改札へ向かう。



ダメだ。


心臓がバクバク言ってる。


口から心臓が飛び出しそうだ。



寒さで震えてるのか緊張してるからなのか。



全身揺れてるみたいな感覚。



***********


あれ、絶対そうだ。



改札に向かって歩いてくる。




「ごめん、待った?」



…言葉がでなくてブンブンと首を横に振る。



しゃべらなきゃって思うのに、言葉にならない。


ていうか泣きそうだ。


ヤバイ。



抱きついてしまいたい。

ずっと会いたかったんだもん。


ずっと…。



私の気持ちが伝わったのか、背中に手を回し、自分の胸に引き寄せる彼。


逢いたかった…



二人の言葉が重なる。



ほんと小さいなぁ…



うん



腕の中で嬉しくて泣いた。



しばらくして、彼は私の手を掴んでポケットにいれて歩き出した。



どこいく?



映画みたい…



うん…それから?



カラオケ行きたい



行こうか



プリクラとりたい



ちょい恥ずかしいかな



ランチしたい



どこがお勧め?



ショッピングも…



また鞄買うか?



全部は無理でしょ



大丈夫さ



後一つ追加


なに?


このままずーっと歩いてあなたの話を聞いていたい



時間の許す限り



おっけー



じゃあ俺はさ…




***********


今、どこに向かってるんだろ…。



自分の地元なのに。



わかんないとか有り得ない。



ホントに隣にいるんだよね。



まだ信じられなくて、つないだ手に力をいれた。


あ、ここ…。



前に私が話した場所。



覚えててくれてたんだ



うん



一緒に歩きたいなぁってずっと思ってたんだ



海の中を散歩してるみたいじゃない?



ほんとだね



気持ちよさそうに泳ぐ姿って癒されるんだ。



わかる。



一緒だね。



ほら、あの魚なんか俺たちに似てる



そうかな



あっち、小さいのがお前で、こっちが俺



あぁ 見えるかも



ずっとこうしてたいね



あぁ…そうだな



私達はずっとその場所にいた。



時間も忘れて眺めてた。



これがきっと最後。



そんな予感がした。




終わりじゃないから




彼はそう言って…


最初のkissをした。

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