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1日1回ランダム召喚、最初に農夫召喚したら荒れた農地へ追いやられてしまうが、辺境地で次々と強い召喚を顕現し見返す物語  作者: 門間奏介


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009 荒野へ

王との話しが終わり、僕とカルさんは食堂に案内された。

既にクラスのみんなは食事を終えて寝室へ移動するところで、僕は赤城達に目をつけられてしまった。


「おい、エイトと農夫のおっさんが2人お揃いで似合ってるなあ。お前らは農場開拓に行くんだろ。俺らの食糧確保のために頑張ってくれや。あと、夕飯は期待しない方がいいぞ。くそまずいからな。あはははは。」


(荒野に行けば赤城に絡まれることもないだろうし、逆に良いかもと思うようになった。)


「ああ、僕たちは西の山脈を超えた先にある荒野へ農場開拓に行くことになったんだ。赤城達もこれからダンジョンでレべ上げなんだろ。お互い頑張ろう。」

と言って赤城達を見送った。


立花さんと土屋先生が僕に近づいてきた。

「上野君、本当に農場開拓へ行かされるの?大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ。立花さんもこれからダンジョンへ行くんでしょ。そっちの方が危険だろうし、気を付けて。」


「上野君、先生は君に何もしてあげられなくてごめんね。この世界に召喚されて自分の事で精一杯で、みんなごめんんね。ええええええん。ひっくひっく。」

(先生の泣き姿かわいい。いや違う違う、慰めないと)

「先生、大丈夫だよ。先生は何も悪くない。これからクラスのみんなを守ってあげてね。」

「ありがとう上野君~。えええええん。上野君も農場開拓辛いだろうど、辛抱してね。」


何かさっきから視線を感じる。その方角を見ると音永さんが僕の方を見ていた。音永さんと目線があった瞬間、音永さんは下を向いた。

(何か言いたいことがあるのだろうか。僕は音永さんとほとんど話したことがない。会うのも最後かもだしちょっと話しかけてみるか。)

「音永さんの模擬戦見てたけど、水と氷の魔法きれいだったね。・・・これからダンジョンでレべ上げ頑張ってね。・・・」

「・・・・う、う」

立花さんがすかさず助っ人に入る

「音永さんは上野君が農場開拓へ行かされるのをずっと心配してたんだよ。」

「そうだったんだ。音永さんありがとう心配してくれて。」

それからちょっと雑談して彼女等を見送った。


続いて、風香が僕に近づいてきた。

「エイト、堂島見かけた?」

「あ~そういやあいついないね~。いつからだろう。」

「召喚部屋で赤城が堂島殴った瞬間消えたんだよね。赤城は堂島に触れてすらいないって言ってたから死んではいないと思うけど。」

「ゼノンさんには堂島の事伝えたの?」

「言ったよー。城中くまなく探してるけど、見つからないんだって。」

「あいつのことだから、その辺に美人な女性がいてほいほいついていったんじゃないかな。」

「そうかな。そうだといいけど。」

「堂島の事はゼノンさん達に任せて、僕たちは今日はゆっくり休もう。」

と言って風香を見送った。


最後に聖夜が第一王女、第二王女を連れて僕に近づいてきた。

「やあ、上野君。君には感謝しかない。この世界に連れてきてくれてありがとう。僕は魔王と早く戦いたくてうずうずしているんだ。」

「あ~、聖夜様すてき。早く魔王討伐行けるといいですわねえ。」


(この王女2人は聖夜にぞっこんだな。まあかっこいいし強いし、気持ちはわかる。)


「聖夜は魔王軍との戦う前にまずダンジョンでレベル上げでしょ?」

「ダンジョンも楽しみの一つだね。今回は時間がないからあまり深くダンジョンに籠ることができないのは残念だけど。もう一つ残念なことは、僕がレベルが上がってからゼノンさんと再度模擬戦を申し込んだんだけど、ゼノンさんは僕とはもう戦いたくないと拒否されてしまった。なんでかな。」


(ああそうか、ゼノンさんのステータスは僕だけが知る情報だからねえ。レベル1の聖夜がレベル上がったら、そりゃあゼノンさんは足元にも及ばないだろうなと予想がつく。)


「聖夜の斬撃が痛かったんじゃないか。ゼノンさんの鎧ボロボロになってたし。レベル上がったらもっと威力あがるでしょ。そりゃあゼノンさも戦いたくないさ。」

「ダンジョンの魔物が歯ごたえがあればいいけど。じゃあ上野君またね。」

聖夜が行くのを見送り、王女二人は聖夜の後をついていった。


そして、僕とカルさんは用意された夕飯を食べた。

赤城の言っていた通り、味はおいしくなかった。保存食っぽい食事だな。

乾パン、塩分多めの干し肉、野菜がほとんどないスープ。

味はともかく、腹八分目ぐらいは食べれたから感謝しよう。


食堂から出ると王城は騒然としていた。

衛兵が次から次へと渡り廊下を走っていた。

「いたか」

「いやこっちにはいない。向こうを探すぞ。」


(どうしたんだろう。衛兵みんなで堂島のことを探してるのかな)

通りがかりの衛兵に尋ねてみた。

「あのどうしたんですか?」

「地下牢に捕えていたドワーフとエルフが複数人いなくなってしまったんだ。」

「ドワーフとエルフ本当にいるんですねえ。すいません、そのドワーフとエルフはきれいな女性ですか?」

「そうだなあ、ドワーフはいかついおっさんで男だし、エルフは確かにきれいな顔の女ではあるな。心当たりがあるのか?」


(ビンゴ。犯人は堂島だ。きれいなエルフ女性にそそのかされて地下牢から連れ出したんだろうな。でもいかついおっさんのドワーフも連れ出してるから、違うか。堂島が興味あるのはきれいな女性だけだし。)


「あ、いえ。地下牢に捕えられていたのに何で逃げれるんでしょうか?」

「誰かが王城に忍び込んで手引きしたのだろう。」

「そうでしたか。早く捕まるといいですね。すいません、時間を取らせてしまって。」

「ああ、怪しいものを見かけたら教えてくれ。」

衛兵は行ってしまった。


(ドワーフとエルフ、堂島の事は気になるけど、僕は明日荒野へ行かないといけない。他人を心配する余裕はない。寝室へ行って明日に備えないと。)

僕とカルさんは寝室へ行き休んだ。


翌日、早朝いやまだ朝日も出ていない深夜に衛兵がやってきた。

「エイト様、カル様出立の時間です。」

「あれ、まだ夜じゃないの?」

「朝日が出る直前頃になりました。」

「それってまだ夜じゃあないの?」

「薄っすらと太陽の光が漏れ始めているので、早朝です。」

「もう、わかったよ。今行きます。カルさん、起きて、カルさん」

「主様、オラまだ眠いだよ。」

「僕だって眠いよ。けどもう行く時間なんだって。」

眠たい目をこすりながらカルさんは立ち上がり、しぶしぶ衛兵に連れられ歩き出した。


僕たちは衛兵に連れられて、転移装置の前まで来た。

人は誰もいなかった。

(誰も見送る人はいないか。寂しいな。)


「こちらが食糧袋で、こちらが飲み水関係で、こちらが寝床やテントが入った袋で、こちらが歯磨きセットです。」

(食糧袋と飲み水が一番重いな。寝床とテントもそこそこ重いし、歯磨きセットは軽い。この世界にも歯磨きあるんだとちょっと驚いた。)

「カルさんはステータス的に僕より力あるだろうから、食糧袋と飲み水持ってもらっていいかな?」

「はいよ」

「僕は寝床とテント持つね。でもこれも結構重いな。」

なんとか転移装置の上まで全部の荷物を運んだ。


「準備できましたか?では転移装置起動します。」

転移装置が光始めたがすぐに止まってしまった。

装置を起動していた衛兵が戸惑っていた。

「どうしたんですか?」

「魔石が足りず、重量オーバーで転移できなかったみたいです。どれか荷物を減らすことはできないでしょうか?」

「ええ、どれも必要なんだけどなあ。」

「主様、オラ水やりスキルあるから、水ならいつでも出せるで。」

「おお、それはいいね。じゃあ水は置いていこう。」


水関係の袋を外して、

「転移の起動再度お願いします。」

「ありがとうございます。ではもう一度起動します。」

また転移装置の起動が止まってしまった。

「すいません、何か荷物減らせないでしょうか?」

「ええ~どれも必要なんだけど。ん~この中で優先順位一番は食糧か。仕方ないその寝床とテントを外してください。」


寝床とテントの袋を外してもらって、

「転移装置起動します。」

僕達の周りが光りはじめ、無事荒野へ転移することに成功した。


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