006 ゼノンとの模擬戦
これからゼノンさんとの模擬戦が始まる。
鑑定時の順番ということで、最初は赤城からだ。
ゼノンさんと赤城は訓練場の中心に移動し、お互い向き合っていた。赤城は利き腕をブンブン振り回し、軽くウォーミングアップしている。
ゼノン
「赤城さん準備できましたら、いつでもどうぞ。」
赤城は頷き、拳に力を込めた。するとメラメラと腕から拳全体が燃え上がり、着ていた服が右腕の部分だけ燃えて右腕全体の肌を露出していた。堂島へ向けて放った炎以上にメラメラと燃えている。
その状態の拳でゼノンさんへ強烈な一撃を食らわせる。ゼノンさんは赤城の拳を自分の手のひらで受け止めた。
殴った衝撃で「ドッカーン、メラメラ」と凄い音が響いた。ゼノンさんの手は炎につつまれていたが、しばらくすると炎が消えて、赤城の拳を手のひらで掴んでいた。
「なかなか強烈な一撃でした。ありがとうございます。さあ次の方どうぞ。」
赤城の強烈な一撃を片腕で受け止めた。凄すぎる。
ゼノンさんのステータスが気になる。
こっそり鑑定しちゃおう。
僕はゼノンさんの方を向いて
「鑑定」
ゼノン
レベル298
職業 騎士 Bランク
ステータス
HP:5,100 MP:1,200 力:3,600 敏捷:2,000 防御:3,000
魔力:1,000
属性 無
スキル 剣技
ゼノンさんレベルが高いな。
Bランクでもレベルが上がるとこんなにステータスあがるのか。
皆次々と模擬戦を終えていく。
以下
Aランク以上の模擬戦の内容だけ抜粋
土屋先生。
先生には、土魔法と回復魔法をそれぞれ使ってもらうみたいだ。回復魔法の使い手はどの部隊も少ないらしく、喉から手が出るほど欲しいとのこと。土魔法よりも回復魔法を重視しているようだった。
風香。
風香は風魔法「サイクロン」を唱えた。ここでゼノンさんが初めて剣を使ってサイクロンを真っ二つに斬った。剣で斬らないと纏わりついてやっかいそうだ。
音永さん。
音永さんは呼笛を使用し、音に合わせて水と氷が音永さんの周りクルクル回って、氷の刃を生成し水の波に乗せてゼノンさん目掛けて氷の刃を撃った。
氷の刃が強烈だったのか、ゼノンさんはこれも剣技で斬って防いだ。
立花さん。
立花さんは木の弓を使用し、弓矢は魔法で生成しゼノンさんへ向けて矢を放つ。矢は分裂し、複数の属性を伴っていた。ゼノンさんは複数の矢を斬ったが一部矢が鎧越しに当たって少し痛そうだ。
聖夜。
ゼノンさんは剣を構えて、聖夜の攻撃に備えていた。聖夜は木の剣を思い切り振って斬撃を飛ばした。
ゼノンさんはその斬撃を大剣で斬って防ごうとしたが、斬撃の威力が強すぎて完全に防ぐことができず、斬撃の余波がゼノンさんの鎧全体を覆い、鎧に無数の傷を負わせた。
以上で僕以外の模擬戦戦は終了。
これから僕の召喚したカルさんが猛威を奮ってみせるぜ。と思っていると
ゼノン
「皆様お疲れ様でした。これで模擬戦は終了です。これから王と謁見していただきます。」
僕
「あのー、ゼノンさんすいません。僕まだです。」
ゼノン
「上野様申し訳ありません。忘れてました。召喚スキルは使ってみました?」
僕
「この隣にいる人が僕の召喚した者です。」
ゼノン
「……えっと、そちらの農民ぽい男性ですね。何か戦闘スキルなど使えます?」
カル
「オラは戦闘スキルなんてねえだよ。農業関連のスキルだけだ。」
ゼノン
「おお、それは素晴らしい。ぜひ農業スキルここで使って見せてください。」
カル
「おう、んじゃあ早速。種生成。種まき、肥料撒き、水やり、成長促進ビーム」
カルさんが一通り農業スキルを見せた。
赤城
「ぶわははは。上野お前の召喚面白れえ。腹痛え。笑死にさせる気か。」
赤城グループ達も一緒に笑っている。
(こっちは農場へ行かされるかの瀬戸際なのに、赤城達奴許さん。こうなったら本当に農場開拓して見返してやろうかと、思うようになった。)
ゼノン
「………わかりました。ありがとうございます。上野様、召喚スキルはもう一回使えますか?」
僕
「2回目まだ試してなかったです。やってみます。」
一呼吸おいてから
「召喚」
数秒経っても何も起きなかった。
ゼノン
「特に何も起きませんね。では時間もないので、謁見の間へ移動お願いします。」
2回目の召喚が無理なのか。
この時から、僕は農場開拓への意思が強くなりつつあった。




