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1日1回ランダム召喚、最初に農夫召喚したら荒れた農地へ追いやられてしまうが、辺境地で次々と強い召喚を顕現し見返す物語  作者: 門間奏介


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002 転移後

光に包まれて、転移した先は学校の教室とは別の世界だった。先生1人と30名の生徒全員がこの異世界へと転移した。


転移した場所には灰色ロープを着た老人が立っていて、僕達に向かって何か言っている。

まだ転移する時の光が収まってないのと雑音で何を言っているか分からない。

ようやく光が消えかかったときやっと言葉が聞きとれるようになった。


「我の召喚に応じてくださいました勇者様、ようこそ我が王国ベルヘレンへ」

「皆様はこちらの世界へ来ていただけたということは魔王討伐にご協力いただけるということでよろしいですね。」


勝手に話しが進んでる。

誰もこの現状を理解していない。


「ちょっと待って。勝手に話しを進めないで。私達の世界とこっちの世界は違うんですか?異世界だとしたらなんであなたの言葉を理解できるんですか?」


「先走ってしまい失礼しました。はい違う世界になります。こちらの世界へ召喚することであなた達には使命が課されたはずです。その使命に応じることでこちらの世界へと導かれるルールとなっております。言葉を理解できたのは召喚魔法の影響です。」


「あなたが魔王討伐という使命を出されたのですか。」


「はい。私は王国ベルヘレンの代弁者であり、召喚者としてあなた方へ魔王討伐の使命を出したことになります。」


「嘘よ私は使命を課された覚えはないはないわ。私の生徒が使命を受け取ったとでも?」


あれ、待てよ。もしかして僕が使命に応じてしまったんじゃないのか。お昼休憩終わり頃にこの老人と似たような声が聞こえていた。まさか僕なのか?疑心に思いつつ老人の話しに耳を傾ける。


「申し訳ありません、誰が我の使命を受けていただいたかこちら側もわからないのです。そちらの誰かが使命を受け取ったということだけしかわかりません。」


赤城が先生へ歩み寄った

「先生いいじゃないか魔王討伐やってやろうぜ。なんなら俺が魔王ぶっ飛ばしてこようか」


「赤城君、これは遊びじゃないのよ。魔王討伐なんてできるわけないじゃない。」


今度は赤城が質問する

「ちなみに、魔王討伐しないとどうなるんだ?俺達は元の世界へ戻れないのか?」


「はい、魔王討伐しない限り使命が果たせず戻れないことになります。」


「ということは魔王討伐したら元の世界へ帰れるってことだな」


「はい、そうなります。」


「おっしゃーお前ら魔王討伐やろうぜ」


ここでずっとイライラしていた大空風香が

「赤城何勝手に盛り上がってんの。魔王討伐だか知らないけどあんた一人でやれば」

「んだとこのアマ」

「何よ。あんたが小学校でうんこ漏らしたこと言いふらそうか」

「このアマ殺す。魔王の前に風香お前をぶち殺す。」


緊張していた空気が一気にほぐれて皆笑いを堪えていた。

ここで笑ってしまったら赤城に後で何されるかわからない。


堂島だけが空気を読まず爆笑してしまう。


「ぶアハハハ、風香お前最高」

「堂島テメー、お前も殺す」

「待て赤城、お前がうんこ漏らしたことで笑ったんじゃないんだ。風香の空気の読まない言動に笑っただけだから」

「それ結局うんこ漏らしたので笑ったってことよね。私のせいにするな堂島」


赤城は怒りが抑えきれず拳がプルプル震え、何かメラメラと炎のようなものが腕と拳にまとわりついているのが見える。


そんな状態だとは知らず赤城が堂島へ渾身の一撃を食らわせようとしたが


堂島は間一髪回避


赤城は堂島の背後の壁に向かって拳を振りかざした。


ドッカーン、メラメラと壁一面が破壊され燃え上がった。


「おい赤城本気で殺す気か」


赤城は自分の振りかざした拳を見て驚き、数秒ほど硬直していた。


「おおすげぇ、俺の拳から何か炎放ったぞ。堂島そこ動くなよ、お前目掛けて今から拳振り上げるから」


「バカやめろ、このくそがああ。うおりゃああ」

堂島雷斗は必死にその場から離れようと足に力が入る。すると、堂島の膝から靴先までバチバチと稲妻のようなものが駆け巡った。


赤城が拳を振り上げるのと同時に堂島は一瞬で赤城の目の前から姿を消した。


振り上げた拳からまた赤い炎が壁へ猛スピードで向かうが、いきなり現れた大剣を持った重曹鎧装備の兵隊に炎を真っ二つに切られ、壁への衝撃を打ち消した。


「失礼。私は王国騎士団第3部隊団長ゼノンです。勇者様方、城内での乱闘はご遠慮ください。」


「ここからは、皆さまをなぜこちらの世界へ召喚したのか、私ゼノンが説明します。この部屋はちょっと埃っぽくなりましたし、隣の部屋へお連れしますので、移動をお願いします。」


そう言われて、皆黙って隣の部屋へ移動していく。


堂島はどこへ消えたのか、誰も疑問に思わなかった。

ゼノンの登場で堂島の事をすっかり忘れてしまったと言った方がいいかもしれない。


僕もこの時点で堂島の事よりも、僕のせいでみんなを異世界転移に巻き込んだんじゃないかと、不安な気持ちの方が大きかった。


僕が、昼休みにあのロープの老人の呼びかけに応えたことで、本来は僕だけが転移するはずだったのに、僕が教室にいたせいで、あるいは僕が教室からすぐ出ていれば、みんなを巻き込まなかったんじゃないか。


自虐的な思考にずっと陥っていたせいか、部屋を出るのが遅れてしまった。この埃っぽい部屋にはもう誰もいない。


部屋の出口を見ると聖夜が立っていた。


僕は聖夜へ近づくと


「上野君、ありがとう。この世界へ連れてきてくれて。上野君が呼びかけに応じたことは誰にも言わないよ。ウィンウィンの関係さ。僕は魔王と戦ってみたいんだ。上野君さえよければ、僕が召喚に応じたことにしてくれて構わないよ。」


聖夜の言葉で、

僕の心配していたことが、すべて吹っ飛んだ。


「え、いや、聖夜が応じたことにしてくれたらありがたいけど。本当にいいのかい?」


「もちろん。僕はむしろ、優先的に魔王と戦いたいから、僕が応じたってことでみんなに言っていいかな?」


「それじゃあ聖夜がみんなに責められるんじゃあ。」


「責められても、構わない。僕を責めてくるような奴誰かいるかい?」


「確かに。いないな。それじゃあ聖夜お願いするよ。」


「うん、任せて。さあみんなのところへ行こう」

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