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1日1回ランダム召喚、最初に農夫召喚したら荒れた農地へ追いやられてしまうが、辺境地で次々と強い召喚を顕現し見返す物語  作者: 門間奏介


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11/11

011 カイザーウルフ召喚/肉屋召喚

僕達が転移した荒野は、かなり広大な土地だ。辺り一面が砂と岩だらけだが、山脈がある位置は遠目に見ても分かる。山脈がある方角が王国側だろう。その反対、山脈がない側が獣王がいる魔の森だったはず。


僕達が採れたてのジャガイモとトウモロコシを食べている時、その魔の森側から四足歩行の獣がこちらに向かって走って来るのをコメルさんがいち早く気づいた。


「主様、あちらの方角から何か得体の知れない野獣がこちらに向かって走って来てます。」

「え、まじか。荒野って魔物寄り付かないって聞いてたのに。コメルさん、何か武器出せる?」

「短剣とクロスボウなら出せます。」

「一応両方出して。」

「承知しました。」


僕とコメルさんは短剣とクロスボウを装備し、カルさんは桑を抱えて近づいてくる野獣に備えた。コメルさんは短剣とクロスボウ軽々と持っていたけど、僕が短剣とクロスボウを手渡された時、クロスボウは重くてうまく扱えないと思った。


段々と野獣が近づいて来て、その全貌がわかった。あれは猪に似ている。日本で見かける猪と若干違うところは、体が大きくて牙も長く鋭かった。あの牙で突進されたら即死しそうだ。


「あの猪っぽい奴、畑に向かってないか?」

「コラー、オラが育てた畑荒らすなー。」


野獣は僕達のことは気にせず、まずはジャガイモ畑に入っていった。ジャガイモを掘り起こしジャガイモをムシャムシャと食べて、満足したのか次はトウモロコシ畑に入って行く。トウモロコシ畑では、茎をなぎ倒して器用にトウモロコシの実だけをムシャムシャと食べていた。


その光景を見て、カルさんは今にも野獣に突撃しそうだった。


「カルさんちょっと待って、あの野獣鑑定してみるから。」


「鑑定」


ビックボア

レベル90

職業 ビースト Dランク

ステータス

HP:500 MP:500 力:650 敏捷:600 防御:500 魔力:400

属性 無

スキル 突進


「カルさん、あのビックボアDランクでレベル90だよ。今の僕達じゃ倒すのは無理だよ。畑は諦めよう。」

「主様、オラが頑張って育てた畑だ。オラはあいつが許せないだ。オラだけでもあのボアに突撃させてけろ。」


カルさんは鍬を抱えて今にもボアへ突撃しそうだった。ふと、ここで1日1回だけできる召喚を思い出す。


(あのボアを倒せる召喚を出すしかない)

と思い、すぐ一呼吸おいて


「召喚」


いつもより召喚する時の光が強く感じた。

そして僕の目の前に現れたのは大きな狼だった。


「ワン」(主、よろしく。)


え、犬語なのになんか伝えたいニュアンスが伝わってくる。


「やあ、初めまして僕は君を召喚した者です。」


「ワン」(俺に何かしてほしいことあるか?)


「えっと、あそこにいるボアを倒してほしいんだけど、その前に君を鑑定させてもらうね」


「ワン」(おう)


「鑑定」


カイザーウルフ

レベル150

職業 ビーストDランク

ステータス

HP:1500 MP:600 力:1500 敏捷:1000 防御:1000 魔力:500

属性 無

スキル ひっかく、かみつく、体当たり、連携


スキルは狼っぽいな。ステータスがボアより格段と高い。これなら倒せるか。


「鑑定終わったよー。君のステータス高いね。あのボアより格段に高いよ。」


「ワン、ん~ワン」(ありがとう。主、俺に名前付けてよ)


「カイザーウルフは種族名か。ん~~そうだな。君の名前はヴォルフ。ヴォルフでどうかな?」


「ワン、ワン」(ありがとう。ヴォルフかっこいい)


「主様、その狼みたいなのワンしか言ってないけど言葉わかるんか?」


「なんとなくだけど、わかるんだ。ヴォルフ、こちらが農夫のカルさんで、その隣にいるのが道具屋のコメルさんだよ。」


「ヴォルフ殿よろすくだ。」

「ヴォルフさんよろしくね。」


「ワンワン」(こちらこそーよろしく)


「早速ヴォルフ、あのボアを倒して。突進のスキルに気をつけてね。」


「ワン」(おう、任せて)


ヴォルフはトウモロコシを食べているボアへ走って向かった。すごい速い。一瞬でボアの目の前に辿りついた。


ボアは焦ってトウモロコシを放り投げて、逃げようとしていたが、ヴォルフの体当たりで仰け反り、一方的なヴォルフの攻撃にやられて、ボアは血だらけになっていた。


ボアも必死に逃れようと、鋭い牙を前面に出してヴォルフ目掛けて突進した。その時、ボアの牙がヴォルフの体に少し刺さってしまいヴォルフも血を少し流していた。


そして、ヴォルフはボアの鋭い牙を押し退けて、ボアの首筋を噛みちぎりボアは息絶えた。この時何故か僕は、自分のステータスが上がった気がした。理由は装備していた短剣とロングボウが軽くなったからだ。


それよりヴォルフの怪我をなんとかしないと。


「コメルさん、回復薬あります?」

「はい、初級ポーションなら仕入できます。」

「今すぐお願い。ヴォルフの怪我なんとかしないと。」

「はい、初級ポーションどうぞ。」


僕は初級ポーションを受取り、ヴォルフがいる場所まで駆け寄った。

ヴォルフはボアの血が出終わるまでずっと首筋を嚙んでいた。ヴォルフ自身も負傷していて、ボアに刺された箇所が血で赤く染まっている。


「ヴォルフ、ボアに刺されたところ痛いでしょ?初級ポーション、コメルさんから貰ってきたんだ。傷口に使うよ。」


「ワン」(主、よろしく頼む。)


僕はヴォルフの怪我した箇所にポーションを使う。

すると、怪我した傷口が塞がった。よかった初級ポーションでも十分効果あるんだね。


「ヴォルフ、ボアを倒してくれてありがとう。」


「ワン、ワン」(いいってことよ、それよりこのボアはどうやって食べる?)


「ああ、ごめん、そのビックボアを食べること考えてなかった。貴重なお肉だもんね。カルさん、コメルさん、ボア捌くことできる?」


「オラは農業関連しかできえだ。」

「私も捌くのは無理です。」


「だよね。僕が捌くしかないか。」


僕は今まで、スーパーで売っている肉しか見たことがない。死んだ動物をこんな間近で見たことがなかった。死んだボアを見ていると、ちょっと吐き気を感じてしまう。血の臭いがきつい。マスクが欲しい。


「コメルさん、口と鼻を覆えるマスク出せるかな?バンダナとかでもいいけど。」


「マスクはないですが、バンダナは仕入できます。」


「バンダナお願い。」


「ワン」(血はもう出なくなったぜ)


「ヴォルフご苦労様。あと、肉を吊るす竿と、肉を保管できるものあればお願い。」


「カルさん、水やりで血の汚れ洗っておくれ。」


僕は色々と指示を出し、肉を捌く準備をする。料理屋でバイトしていた経験から、あんこうを吊るして、解体していたのを思い出す。同じような要領でとりあえず、ボアの解体作業を始めた。まずはボアを持ち上げるのをヴォルフに手伝ってもらって、竿にボアをつるし、毛皮を取る作業から始める。毛皮を取るだけで半日かかった。続いて内臓を取る作業にとりかかり、内臓はヴォルフの大好物らしく、腸以外はすべて食べてくれた。腸は水洗いしてとりあえず、塩水につけておいた。


僕が解体作業している間、カルさんは新たに農地開拓をやってもらい、コメルさんはジャガイモとトウモロコシ回収をやってもらった。ヴォルフは僕の助手というか、ボアの肉をちょくちょくつまみ食いしつつ、重いものを口で咥えて手助けしてくれていた。


夕食時にあばら骨付近の肉を少し取って、塩焼きにしてみんなと一緒に食べた。肉は少し硬かったが、味は最高においしかった。みんな満足してくれてよかった。解体作業の途中だったが、さすがに疲れてしまったので僕は先に寝てしまう。


翌朝

まだ誰も起きていない中、僕は目を覚ます。竿に吊るされたボアの解体作業の続きをしなければいけない。しんどい。召喚でお肉屋さん出てくれたらいいなと思い召喚を唱えた。


「召喚」


30代ぐらいの男性が目の前に現れた。


「鑑定」


ビック

レベル100

職業 肉屋 Eランク

ステータス

HP:300 MP:500 力:700 敏捷:300 防御:300 魔力:300

属性 無

スキル 肉捌き、肉仕入、腸詰、燻製


「肉屋のビックだ。よろしくな」

「やあ、ビックさん。凄い待ち望んでました。肉捌くの手伝ってください。」

「おう、任せな。」


そして僕は後のボアの解体作業をビックさんに手伝ってもらい、無事おいしいお肉を確保することができた。王国から分けてもらった干し肉より断然量が多い。当分肉には困らなそうだ。


そういえば、ヴォルフがボアを倒した時にクロスボウと短剣が軽くなった気がした。もしかして、僕強くなったのかな。僕自身を再鑑定してみるか。

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