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1日1回ランダム召喚、最初に農夫召喚したら荒れた農地へ追いやられてしまうが、辺境地で次々と強い召喚を顕現し見返す物語  作者: 門間奏介


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001 異世界召喚

上野栄豊(えいと)、高校2年生17歳。


僕はバトル系の漫画が好きで、無双する主人公が大好きだ。

主人公が強くて、悪い奴をバッタバッタと倒していくのが爽快感があっていい。


いつかは、そういう主人公になりたいなんて現実的には思ったことはないが、もし異世界転生して特殊スキルなんか貰えたら「魔王なんか倒してやる」と日々思っていた。


そして、クラスの不良グループみたいな奴に絡まれたらやり返したいなと思っている。思うことは自由だ。しかし、現実は・・・


今は授業後のお昼休み。


不良グループリーダーの赤城剛士(たけし)が僕の前に来ると

「おい、小金持ちの上野君」

「やあ赤城、どうしたんだい?」

「飯買う金がないんだけど、貸してくんない」

「え、先週貸したお金まだ返してもらってないよ」

「はあ、なんだと俺に飯食うなってことか、あぁ?」

「いやそうじゃないくて、千円なら確かあったような」

「んじゃあさっさと出せよ」


それを見かねた学級委員長の立花弓夏さん。

彼女は弓道部のエースで、正義感が強い。そして美人だ。


「赤城君、上野君嫌がってるじゃない。それってカツアゲじゃないの?」

「ちっ、委員長誤解だよ。本当に俺金欠でさあ。上野から金借りようとしただけだよ。なあ上野?」

「え、いや、えーと」

「「どっちなんだよ、」」「「どうなの」」


両者からそれぞれの同意を求められる。


ここで、赤城の意向を無視してしまうと後々面倒なので、

「立花さん、誤解だよ、僕は赤城へ千円貸すだけだから、大丈夫」

「ほら赤城千円渡すから購買行っておいで」

「サンキュー上野、この借りは後で倍にして返すぜ。」

「よーし、おめえら購買いくぞ」

不良グループの赤城達数人が教室から出て行った。


「もう上野君、本当にいいの?」

「いいんだよ立花さん。これで丸く収まれば平和なんだから・・・」

「もし、困っていたらいつでも相談してね。じゃあ、お昼いってくるね。」

「うん、ありがとう。」


立花さんが去った後、同じクラスの幼馴染の堂島雷斗(らいと)がやってくる

「委員長、超美人だよな。いいよなあ、お前話しかけられて、うらやましいぜ。」

「男としては情けないがな。」

「しかし、お前赤城に絡まれて災難だよな。バイトして稼いだなけなしの金だろ。生活大丈夫か?」

「ああ大丈夫だ。この前バイト先の店長に赤城の事話したら時給上げてもらったから。赤城に貸した分はカバーできるよ。」


僕の家族は母、中学生の妹1人、小学生の弟1人、幼児の妹1人の4人兄弟。母含め5人家族である。母子家庭ということもあり、遺族年金やら補助金やらはあるが、育ち盛りの子供を養うにはそれだけでは足りない。母も非正規社員として働いているものの、末の妹を保育園へ送迎した後に働かなければならず思うように稼げない状況だ。


僕が高校へ進学し、バイトできる年齢になり、少しでも母の助けになればと思い知り合いの飲食店で働かせてもらっている。バイト代を月謝袋に現金で貰うのだが、学校の鞄にそのまま入れっぱなしで登校してしまった日に運悪く、赤城に鞄を覗かれて、月謝袋の中身を見られてしまった。10万円以上は入っていたはずだ。

それ以来僕が金持ちだと勘違いされて、金を要求するようになった。


堂島は唯一僕の現状を知る友人である。


「そういや、中学生の妹未来(みらい)ちゃん元気か?今中学3年生だろ。俺ら卒業したとき以来会ってないけど、未来ちゃんかわいかったよな。」

「お前は女ならだれでもいいのか」

「失敬な、俺は性格重視だ。お前のお母さん、結衣(ゆい)さんも美人だよな。今度お前んち遊びにいこうかな。」

「堂島よ、うちの母さんと妹に手をだすなよ」


「冗談だって、委員長は別格としてうちのクラスだと音氷千波(ちなみ)さんも相当美人だよな。無口で近寄りがたいけど。音永さんはお前に気があるんじゃないか。成績トップのお前ほどじゃないけど、音永さんも毎回成績上位だぞ。」

「音永さんって成績上位だったの?」

「お前女子に興味なさすぎ」

「テスト前、女子がお前に数学の問題の解き方教えてもらいに群がってる時とか音永さんずっとお前の方見てたぞ」

「気のせいだって」

「いや間違いなく音永さんは、お前に気があるね。ってなんで俺には女の子近寄って来ないんだ。お前ばかりずるいぞ」

「そんなこと言われたって」


「あと性格はあれだけど、大空風香も顔は良いな」

「風香ちゃんは元気でいい子じゃない」

「いやー、風香は性格に難があって俺好みじゃないのよ」

「へえー、女の子なら誰でもいいんじゃないのね」

「だから俺は性格重視だって言ってんじゃん、あれもうお昼終わるのか、んじゃあな」

「おう」


堂島が去ってからしばらくして

急に頭の中に謎めいた老人の声が聞こえてきた

「我は汝に魔王討伐の使命を課す」

「我は汝に魔王討伐の使命を課す」

「我は汝に魔王討伐の使命を課す」

何だこの老人の声、何回もループしててうるさい

多分僕は最近疲れてて幻聴が聞こえるんだと思い込みたいが、一向に収まらない。


「わかった、魔王討伐するから、もう黙って」

と声に出して言ってしまった。すると老人の声は聞こえなくなった。


何だったんだ今の。


僕の声が聞こえたのか、老人の声が聞こえたか定かではないが、後ろの席の


星崎聖夜が心配して話しかけてきた。


「上野君、急に一人事言ってどうしたんだい」

「えっと、頭の中に今まで聞いたことのない老人の声が聞こえてきて、魔王を討伐しろってうるさくて、つい魔王討伐するから黙ってと口にしてしまったんだ。」


「へえーそんなことがあったんだ。上野君、魔王討伐行く時は僕も連れていってね。強い相手と戦ってみたい。」

「ああ、その時はよろしく頼むよ。って今の話し信じるのか。」

「うん、僕は最近生きてて面白いと感じることがなくてさ。魔王討伐なんてすばらしいイベントが発生したらどんなに楽しいか。僕は上野君を信じるよ。」



聖夜は隣町の剣術道場に通っていて、本格的な剣を愛する。剣道部にも一時期入部していたようだが、1カ月も経たないうちに退部している。

剣道と剣術の違いは僕にはわからない。


聖夜は男の僕から見てもイケメンでかっこいい。

いろんな女子に何度告白されて断ったことか。

彼は孤独を愛している。いつも一人で、つまらなそうにじっと外を眺めたりしている。


そんな彼が、魔王討伐の話しをした時、今までみたこともないワクワクしたというか、好きなおやつを目の前にだされた時の少年のような顔つきだった。


赤城は一度聖夜に絡んだ事があって、その時、聖夜にフルボッコされている。肩の骨を一次的に脱臼させたり、関節技の研究とか言って赤城のいろいろな関節で遊んでいた。赤城はずっと泣き叫んで助けを呼んでいたが、皆見て見ぬふり。赤城の絶叫を聞きつけた近くの教師が駆け寄ってやっと赤城は助かった。


それ以来、赤城は聖夜には一切絡まなくなり、目すら合わせなくなった。

聖夜だけは絶対に敵対してはいけない。皆そう心に誓った。


さてそろそろお昼休みも終わりか、次の授業は5限目。5限目の授業は確か担任の土屋復子先生の授業だったはず。


復子先生は背が小さいくて、子どもっぽいけど怒らせると怖い先生だ。授業中に不良グループがスマホをいじっていたら先生はスマホを取り上げて、長時間叱り通した。それ以来先生の授業は皆まじめに聞いている。


5限目のお知らせのチャイムが鳴ると同時に先生が教室に入ってきた。

「みんな席に座ってますね。それでは授業を始めます。あれ、なんか教室の壁、床、天井が光って眩しい。誰かスマホのライトでいたずらしてませんか?」

「先生誰もスマホいじってないです。この光強くなってる気がします。」

「みんな教室から出て....」と先生が言いかけたと同時に僕達は光に包まれながら異世界へと転移してしまう。

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