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50過ぎの勘違い事務ババアの話

俺は嫌いな人間が多い。

特に嫌いな人間は、女だからっていう理由で愛想さえ振り撒いてればいい、と思ってる50すぎの事務のババア。お前はもう痛すぎる。そして、若くて仕事の出来る女性社員を無視していじめる、最低なカス野郎だ。


俺は営業職だから、数字さえ取ってくれば評価はあがる。評価基準がわかりやすいからこの仕事をしている。


「冨田さぁん、玲奈ちゃんまた勤怠間違ってたので注意してあげてください。あの子はそういう細かいミスが直らなくてこちらも困ったらんですからぁ。」

机に1ヶ月分の勤怠入力一覧を叩き開かれた。

あのババア…、お前西岡玲奈のことが嫌いだからって

わざわざ事務所で大きい声で言うんじゃねえよ!と、俺も心が小さい人間なのでそんなことでイライラしてしまう。

西岡がこの場にいなくてよかったと思いながら、勤怠一覧をシュレッダーにかける。

あのババアに見つからないようにシュレッダーにかけないといけないので、高度な技術が必要だ。


ここで少し西岡のことを紹介させて欲しい。

西岡は優秀な営業マンだ。昨年入社し、半年前までOJTで俺と一緒に外勤を行っていた。

基本的に物腰が柔らかく愛想もいいので、取引先にはかなり気に入られていた。

俺的にも、言われたことはすぐにメモってくれるし、わからないことがあれば率先して聞いてきてくれたので、非常にいい子だ、ということを覚えていて欲しい。

物腰も柔らかく愛想もいいので、もちろん社内にいる独身男性社員は8割が彼女に好意を寄せている。だからこそ、あのババアは気に食わないのだろう。


シュレッダーにかけたい書類を思い出したので、もう今日は色々と資料を整理する日にしたいと思う。

シュレッダーにかけていると、あのババアはどうやって殺してやろうかと考えてしまう。


例えば毒殺。いや情報社会のこの時代、毒物の入手経由などすぐに分かるだろう。却下だ。

例えば刺殺。だめだ。色んなところに監視カメラがある。却下だ。

例えば電車のホームで突き落とす。これもさっきと同じ理由で却下だ。


と、なると…。

魔法を使って殺すしかないと思う。

まあこの世界に魔法なんてものはないのだが。

最近流行りの異世界転生アニメの見過ぎかもしれないな。

「う〜ん。」

「冨田主任っ。どうしました?シュレッダー前ですごい悩んでいる声が聞こえたので、声かけちゃいました。」

「わっ。びっくりしたー。西岡じゃん。」

ちょうど良くないことを考えてる最中に声をかけれたので驚いてしまった。

「すみません、急に声をかけてしまって。」

「いやいやいや、大丈夫だよ。次の営業先にどういうプレゼンをしようか迷ってたんだよ。ははは。」

どうやって人を殺すか考えてたかなんて口が裂けても言えない。

「そうだったんですね!主任ほどの人になると、シュレッダーの時間までちゃんと業務のことを考えてるんですね!尊敬します!」

はははー、と俺は笑って誤魔化すことしかできなかった。


その日の夜、湯船に浸かりながら俺は考えた。別に西岡が嫌いじゃなかったら別に殺しても殺さなくてもいいか、と思った。

多分、西岡は心が広いからあのババアに色々嫌味を言われても気にしてなさそうだしな。

今日は事務所で永遠と殺し方を考えていたので全く仕事ができなかった。

明日は外勤しよう、と心に決めた。


翌朝、基本営業マンは朝の8時前には出社し、外回りがある日は8時半には会社を出る。

今日は、隣県にある取引先に商談をしに行くので早めに出ることにした。

「冨田主任!すみません。急なお願いなのですが、私もその取引先に同行して、商談の仕方を勉強させていただけませんか?」

会社を出ようとした時に、西岡から話しかけられた。

勉強熱心な子だと、感心してしまった。

「もちろん。じゃあ準備もあると思うし、8時45分に営業車駐車場にきて。俺、先に行って準備しちゃうから。」

「わかりました!ありがとうございます!」

一礼をして、西岡は外出する準備を進めていた。

事務員は9時出社なので、8時45分に営業車の駐車場にくればあのババアと会うことはない。我ながらナイス作戦だった。


営業車に乗って早15分、時刻は8時55分。西岡が来ない。スマホに遅れるなどといったメッセージも入っていない。もしや、あのババアに捕まっているのかも?と思い、駐車場を出ようとした。その時だった。


「だーかーらー、お前みたいなのを老害って言うんだよ。いい加減分かれよオバサン。お前がスマホ見ながら運転してたせいで、私が轢かれてんだよ。言ってる意味わかるか?おい。」

うっわ、会社の敷地内で揉めるなよ、と思い、その相手を見たらなんとびっくり。

西岡がババアにブチギレていた。そして、なぜか膝と膝から大量の出血をしている。

「に、、、にしおかさん???!わ、わたしはよそ見なんかしてないわっ!!あなたが急に飛び出してきたから、少し当たっちゃっただけよっ!!」

顔を真っ赤にして、額から汗が吹き出してるのはあの憎たらしいババアだった。

「当たっちゃったじゃねえーよ。私のスーツ破れてんだわ。とりあえず警察呼ぶから。」

西岡が警察を呼ぼうとする。すると、ババアは西岡を睨み、スマホを奪おうとしたが、逆に足を引っ掛けられてそのまま派手に転んでしまっていた。

「ぶっ!!!」

あまりにもその光景がシュールだったため、笑ってしまいそうになった。

「警察にはいわないで!!!あなたの言い値を払うわ!示談にしましょう!!」

転んだからか鼻血を垂らしながらババアが叫ぶ。

すると、西岡はしゃがみ笑顔になった。

「警察に言って、被害届出すので。お金はいらないです❤️」

と言い、速攻で警察に電話していた。

ババアは泣き叫んでいた。


あのあとすぐに警察がきた。俺は商談があったので、詳しい事情はわからないが、会社にはちゃんとバレたらしい。

ババアは懲戒処分。西岡は晴れ晴れとした顔をしていたが、怪我は痛そうだった。だが、綺麗に受け身を取っていたため、骨折などはなく念のため病院で検査もしたが、打撲ということだった。


そして、俺はと言うと情けないことに西岡が怖い。嫌われないように気をつけようと思った。

いいか、陰湿なイジメを行うとこうなるんだからな。お前ら全員気をつけろよ。


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