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ジンクス

作者: 怠惰なペンギン

 どうも怠惰なペンギンです。

 短編小説を書くのは初めてですが、楽しんで頂けたら何よりです。

 もし気に入って頂けましたら、是非私の他の作品もお読みください。


 こんな話を聞いたことがあるだろうか。

 

()()()で心霊スポットに行ってはいけない』


 俺は小さい頃から迷信やジンクスのようなものをよく信じていた。雷が鳴ったらおへそを手で隠していたし、お墓の近くを通る時には親指を隠していた。

 最近は忙しくてあまりそう言うのを気にしなくなったが、それでも悪いことが起きると、記憶を辿って縁起の悪い行動をしていなかったか血眼で探していたものだ。

 そんな俺は例に漏れず、この理由のわからないようなジンクスも信じていた。

 

 季節は夏。日が沈んでもサウナのような蒸し暑い空気の中、俺はある公園の前で座っていた。友人と彼女を待っているのだ。

 友人の方も自分の彼女を連れてくるらしい。つまりダブルデートってことだ。

 こんな夜中にすることと言ったら肝試しに決まっている。俺は前述した通り迷信やらジンクスを信じているので、こう言ったものは大好物なのだ。まぁ、ホラー映画を一人で観れないほどの怖がりなのだが、三人も仲間が居れば何とかなるだろう。

 それに、偶数だ。俺からするとこれほど頼もしいものはない。


 そんなこんなでぼーっと一人待っていると遠くから白いワンピースを着た少女が駆け足でやってくるのが見えた。

 俺の彼女だ。


「ごめん、お待たせ」


 彼女はデートの常套句を軽く言って小さく笑った。


「俺も今来たところ」


 俺も常套句を軽く言うと笑う。もう一年も付き合っているのだが彼女の愛らしさは色褪せないようだ。

 黒い髪は肩まで伸ばしている。色白の彼女と白いワンピースはとてもよく似合っていた。


「誠太くんは?」

「もうすぐだって」


 そう言って彼女は俺の隣に座った。その様子をじっと見つめていると、恥ずかしいのか少し顔を赤くしてはにかむ。


「雛、お前怖いの苦手じゃなかったか?」

「ようくんよりは苦手じゃないよ」

「まぁそうか」

「あのようくんが肝試しに行くなんて言うから。私がいた方が怖くないでしょ?」


 雛は優しい眼差しで俺を見てきた。確かに言う通りなのだが、男としては立つ瀬がない。今日は少しでも男らしいところを見せよう。

 そう思っていると、奥の方から男女二人組がゆっくりと歩いてきた。集合時間には間に合っているから何も言えないが、もう少し気を使って欲しいものだ。


「やぁ、陽太郎、雛さん」


 誠太は落ち着きのある風貌で丸メガネを指でクイっとあげながら言った。こいつはマイペースなのだ。

 

「こんばんは、初めまして、誠太さんとお付き合いしております長谷川百合子です」


 誠太の隣には粛然とした佇まいの綺麗な女性が立っていた。長谷川さんと言うらしい。彼女は雛よりも色白で、その白さはもはや病的と言えるほどであった。

 誠太と長谷川さんは最近付き合い初めて、俺も馴れ初めを詳しくは知らないが、誠太の一目惚れだったそうだ。いつも落ち着いている誠太が、と考えると感慨深い。


「初めまして、これからよろしくね、長谷川さん」

「よろしくお願いします、雛さん」


 雛は人見知りをしないタイプなので気まずいことにはならないだろう。


「じゃあ行くぞー」


 俺はワクワクしながら先頭を歩いた。隣には雛、後ろには誠太と長谷川さんが続いている。


「ようくん、張り切ってるね、それでどこに行くの?」


 行き先は誰にも教えていない。サプライズというやつだ。

 俺は不敵な笑みを浮かべながら答える。


「廃墟だ。昭和に建てられた教会みたいでね、他にも色んな施設があるんだ」

「うわぁ、廃墟かー、怖いなぁ」


 何だか緊張感のない声で雛が俺の腕に抱きついてきた。事あるごとにくっ付きたがるのは可愛いのだが、もう少し人目を考えて欲しいものだ。


「誠太さん、見せつけられてますよ」

「そ、そうだね」


 誠太は長谷川さんと付き合ってばかりだからなのだろう、まだ恥ずかしいようだ。それにしても長谷川さんに少し茶目っけがあることに驚いた。これを機にもっと仲良くなってもらいたいものだ。吊り橋効果に期待しよう。


 そんなこんなで教会の前についた。この敷地をぐるっと一周して帰ってくるのが今回の目標だ。我ながら適当だが、適度に肝が冷えればいいので、そこまで長居するつもりはない。


「この教会はね、夜12時になると鳴るはずがない鐘が鳴ったり、夜に聖歌が聞こえてきたりするらしいよ」


 腕を締め付ける力が強まった気がした。後ろの二人も怖い怖いと言っている。だが、一番怖がっているのは俺かもしれない。

 真っ暗な森の中、先ほどまでの蒸し暑さはどこかへ無くなってしまって、涼しい風が背中を撫でる。

 蝉はうるさく鳴り響いているのに、やけに静かに感じる。

 落ち葉だらけの道をざくざくと進んで行くと、俺が持っている懐中電灯の光が教会の正面を照らした。

 白い壁には蔦や苔が生えており、所々にひびが見える。それを見ただけで、もう誰にも使われていないことが分かった。


「中に入ってみる?」


 誠太が少し興奮した感じで言った。こいつは何を言っているのだろう。そんなの怖くて出来るわけがない。


「そうですね、入ってみましょう」


 長谷川さんも興奮気味だ。何だこのカップル、息ぴったりじゃないか。

 しかし俺たちも息ぴったりなはずだ。雛の方を期待の眼差しで見ると案の定顔を青くして、誠太たちの方を恐々たる表情で見ている。


「まじで、入るの?」


 俺が否定を込めた眼差しで二人を見ると、それに続いて雛もぶんぶんと首を振っている。


「何?陽太郎、君が誘ったんだから当然行くよね?」


 誠太は悪戯な笑みを浮かべながら俺たちの方を見た。しかし、俺の怖がりは相当なようで、こんな挑発に乗る余裕さえ今はない。


「こ、心の準備が欲しい、もうちょっとだけ待ってくれ」


 落ち着け落ち着け、まずは深呼吸だ。すぅー、はぁー、すぅー、はぁー。雛も俺の腕に抱きつきながら長い深呼吸をしている。

 そんなことをしていると痺れを切らしたのか、単なる嫌がらせなのか、誠太が言った。


「仕方ないなぁ、そんなに怖いなら待ってていいよ、長谷川さん、行こうか」

「はい、誠太さん、ふふっ、緊張しますね」

「なっ、ちょっと」


 楽しそうに入り口へ向かう二人を追いかけようとするも、足が動かない。ここに止まるのも怖いが、中に入るのはもっと怖い。


「ようくん、ようくん、待ってようよ」


 雛が甘えるように腕を引っ張った。俺も吝かではないので、雛の言う通りにすることにした。


 二人が木製の寂れたドアを開けると、ギリギリと音を立てて開いた。そのまま奥へ迷いなく進んで行く。

 二人が見えなくなると辺りが一層静かになっていくような気がした。


 電灯の灯りなんてものはない。ここの施設の設備はもうすでに機能しないため、今ここにある明かりは俺の懐中電灯だけだ。

 見えない、と言うのは恐ろしいものだ。どこに何があるのかわからない。それが不安で忙しなく懐中電灯を動かしてキョロキョロと辺りを見回した。

 寂れた教会、天辺には細い十字架が屹立している。サッと懐中電灯を逸らすと何故か古びた井戸がある。井戸があることに気がついて一層恐怖心が湧く。


「ようくん、怖いよぉ」


 雛は少し涙目になっている。俺もそうかもしれない。


「やっぱり、中行くか?あいつらといた方が心強いよな」


 雛は小さく頷いた。俺たちは恐る恐る教会に近づく。扉は開いていて、中を懐中電灯で照らすと長谷川さんが後ろを向いており、俺たちは安心して中に入った。


 長谷川さんは真正面にある十字架を眺めていた。誠太はどこだろうと辺りを見回すと横長の椅子に座っていた。

 俺が誠太を呼ぶと立ち上がってポケットに手を入れながらこちらを振り向いた。


「やっぱり来たんだ」

「ああ、あそこに二人きりの方が怖かったわ」


 誠太はクスリと笑うと、教会の中を案内してくれた。案内といっても、小さい建物なので、ここに何があったとかそんなものだ。


「特に何もなかったね」

「そうですね、他のところも行ってみましょう」


 長谷川さんはやけに上機嫌だ。こう言う所が好きなのだろうか。


「長谷川さん、さっきあれ見てたけど、何か気になったの?」


 雛が興味半分で長谷川さんに聞いた。

 確かに、長谷川さんは食い入るような目で正面の十字架を見ていたのだ。


「いえ、特に何でもないです」


 そこで俺はあるジンクスを思い出した。


「長谷川さん、心霊スポットではある一点をずっと見つめていたらダメなんだそうだ」


 俺がそう言うと、長谷川さんはまぁ、と何故だか嬉しそうな顔をして見せた。


 それから教会を後にする。扉はもう古びていて頑張れば閉めることができそうだが、無理にやって壊したくもないので開けたままにしておいた。

 長谷川さんは教会を出る時に一度振り返って、正面の黒くて不気味な十字架を見つめた。まるで十字架の虜にされたような恍惚とした目だった。


 俺たちはそのまま森の方へ歩いて行った。他の施設を見に行くためだ。


 雛とくっ付きながら、ずんずんと進んでいってしまう二人を追う。

 俺はもう腰が引けてしまって、行きの時の威勢の良さはすでに失われている。正直な所、もう帰りたい。


「長谷川さん、この建物は何かなぁ?」

「何でしょうね、とっても雰囲気あります」


 俺たちと対照的に二人は興味津々と言った感じだ。入っていいか、とこちらを伺ってくる。


「はぁ、あんまり離れないでくれよ」


 それを承諾と汲んだ彼らはゆっくりと施設の扉を開ける。


 中に入ると、静寂と荒廃が一緒になったような、破壊的で退廃的な光景が映し出された。壁は青みがかった白色で、廊下の節々に二人くらいが座れるベンチが置いてある。

 廊下から中の部屋が見えるようにボロボロになった窓が付いていた。ガラスは床に散らばっていて廊下を踏み締めるたびに無機質で耳障りな音を立てる。


 まるで病院か、それに準ずるような施設に見える。


「老人ホームみたい…」


 雛がポツリと呟いた。確かに、言われてみればそんな気もする。

 

「こう言う所が一番怖いよな」


 俺がそう言うと雛もぶんぶんと首を張って肯定した。

 俺たちがビクビクしながらもたもたしていると、いつのまにか誠太と長谷川さんがいなくなっていた。

 早く追いつかないと。あの能天気な二人のそばにいないと怖く逃げ出してしまいそうだ。

 そんな矢先に奥の方からパリンとガラスが割れるような音がした。


「もう、何やってんだあいつら」


 俺たちは急足でそちらへ向かうと、誠太がぼっーと驚いた表情のまま固まっていた。


「どうしたんだ?」

「いやぁ、この鏡に少し手を触れてみたら突然割れたんだよ」

「本当に?」


 手を触れただけで鏡が割れるなんてことあるだろうか。誠太が何が悪戯をしたんじゃないか?


「私も見ましたよ、誠太さんは確かに触れていただけでした」


 部屋の奥側にいた長谷川さんが興奮した様子でそう言ってきた。もしかして霊的な現象が起きたのではないか?体が無意識にぶるぶると震える。

 よりによって、鏡か。


「ようくん、大丈夫?」


 俺の震えが伝わったのか、雛が心配するように覗き込んできた。少しだけ心が落ち着いたのが分かった。


「ま、まぁ、経年劣化ってやつだろ、鏡にあるかは知らないけど」

「それもそうだね、まさか幽霊の仕業なわけないよね」


 態々口に出さないでもらいたい。


「幽霊の仕業だったら面白いんですけどね」


 長谷川さん、心霊スポットのど真ん中でそんなこと言わないでください。誠太も話に乗っからないでくれ。

 二人は顔を合わせて楽しそうにしている。

 色々釈然としないが、二人が仲良くしているならまぁいいか。俺が誘ったおかげだな、感謝しろよ誠太。


「あっ、出口がありましたよ」


 長谷川さんがまるで迷路の出口を見つけた時のような弾んだ声を上げた。

 この緊張感のない空気感に救われている所はあれど、もう少し怖がってもらいたいものだ、うちの雛を見ろ、教会に入る前からずっと涙目になってるんだぞ。

 しかし、この出口から出たら元のコースに戻れる気がしない。本来の計画はこの敷地の外枠をぐるっと一周するのみだったので、道もあまり覚えていない。


「この出口から出たらもう道が分からんぞ」


 俺が最終勧告の如く低い声で言ったら、二人は気にも留めないようなあっけらかんとした様子で振り返った。


「そんな広い敷地じゃないだろうし、大丈夫だよ」

「行き当たりばったりも冒険感があって楽しいですよね」


 もうだめだ。手に負えない。このまま帰ってしまおうか。


「雛、ここが俺たちの分水嶺のようだ」

「そ、そうだね、ようくん」


 雛も何となく分かっているようだ。しかし、俺たちの判断を鈍らせるのは二人きりで帰れるのかどうかと言う不安だった。


「何だ陽太郎、あんなに張り切っていたのに」

「俺は外を一周するだけのつもりだったから」

「ふぅーん、そうか、じゃあ二人は外を回ってくるといいよ」


 そんなことできるわけがないじゃないか、頼もしい二人がいるからこそここまで来れたんだぞ。

 誠太はそう言うと身を翻して出口へと向かおうとする。


「ま、まて、別れるのは危険だと思う」

「どうして?」


 俺が口を噤んでいると、誠太は何かを察したような顔つきをして楽しそうな笑みを浮かべた。


「またジンクスかい?」

「そうだ、こう言うのって大体、別れた途端に何か起きるもんだろ?」


 誠太は悪戯な笑みを崩さない。いつもこいつの思いつきや悪ふざけに乗っかってやっているが、今日ばかりは洒落にならない。


「それはそれでスリルありますね」


 長谷川さんの興奮気味の声が誠太の悪戯心を助長する。長谷川さんよ、物静かな人が偶に出す茶目っ気は確かに可愛らしいが、今じゃないだろう。


「と言うわけで、先に行くよ」

「何が、と言うわけだ、雛を見てみろよ、もう泣きそうだよ、て言うか俺も負けないくらい今怖いんだからな」


 俺は底冷えするような恐怖心を紛らわして大きな声を出しているが、雛と同じく縮こまっていたい気分なのだ。


「なら、着いて来ればいいだろう?」


 こいつには先に進むと言う選択肢以外ないようだ。二人は俺たちのことを見捨てるように歩き出してしまう。

 腕が小さく引かれた。


「ようくん、もう行くしかないよ」

「そ、そうだよなぁ」


 己を奮い立たせて一歩を踏み出す。ここで別れてしまうことより怖いことはないのだ。覚悟を決めよう。

 蝉の声とガラスを踏む足音だけが聞こえる中、僅かに月明かりが照らす地面へと近づいていく。

 扉の付いていない出口には敷居のような段差があり、前を歩く二人は構わずその敷居を踏み締めて外へ出ていた。

 俺は大きな大きなため息を吐きながら、同じように扉の前まで行くと立ち止まって雛に声をかける。


「雛、せーのでここを跨ぐぞ」

「え?うん」


 雛は少し戸惑い気味だったが、素直に従ってくれた。全く、ジンクスというのはいつも俺の頭を付きまとってくる。

 敷居を跨いだ途端、蝉の声に混じって多くのカラスの声が聞こえてきた。俺はまた大きなため息を吐いた。


「綺麗」  


 雛が立ち止まってポツリとつぶやいた。

 木々の隙間に少し欠けた大きな月が浮かんでいた。流れる雲が徐々に大きな月にかかっていく。


「雛、行くぞ」


 俺は月を見なかったことにして歩き出した。


 敷地内を散策していると色々なものが目に入った。先程の老人ホームのような建物や、羽の生えた子供のオブジェ、石碑のようなものもあった。

 それらは森に囲まれた平坦な敷地にぽつりぽつりと非対称的に点在しており、進んでいくと山の方へ向かう道が見えた。

 道の脇には石の灯篭があったり、石像が置いてあったり、偶に石の階段があったりして、ここがまだ敷地内であることを如実に物語っている。

 そんな山道をゆっくりと歩いていく。あの奇妙な施設から離れていくことで、少しずつだが俺たちにも余裕が生まれてきた。

 夜中に肝試しまがいのお散歩をしていると思えば気が楽だ。


「何だか涼しくていいね」


 雛はすでに俺の腕から離れて手だけ繋いでいる状態だった。蝉の声と落ち葉を踏みしめる音だけが続いて妙に心地よい。

 前の二人もリラックスしているようだ。こういうのもいいね、なんて話している。


「ねぇ、二人はどうやって知り合ったの?」


 雛が唐突に質問した。そういえば、俺もあまり事情を聞いていなかったので気になる。こんな綺麗な人を誠太がどのように振り向かせたんだろうか。


「駅のホームで本を読んでいたら、誠太さんに声をかけられたんです」 

「一目惚れとは聞いていたが、まさかナンパしていたなんて、やるな誠太」

「しょうがないじゃないか、一目見ただけだ運命の人だと思ったんだよ」


 誠太は恥ずかしそうに言った。雛のテンションもいつも通りに戻って黄色い声をあげている。


「でも良かったな、こんなに綺麗な人と付き合えて、お前には女っ気が全くなかったからちょっと心配してたんだよ」

「まぁ、そうだったんですね」

 

 長谷川さんからしたら意外だったようだ。

 誠太は女っ気がないと言うより、女性に苦手意識を持っていたと思っていたが、ちゃんと誠太も男だったんだな。


「長谷川さん、綺麗だよね、背も高くてモデルみたいだし」


 雛が俺にだけ聞こえる声で言って、不貞腐れたような顔で覗いてきた。何だ、綺麗って言ったのが気に掛かったのか。


「雛は背が低いからこそいいんだよ」


 そんなことを言うと雛は不満げな表情をした。頭一つ分、いや、もっと小さい雛は身長にコンプレックスを抱えているようだ。それがいいんだが、本人は納得していない。


「誠太さん、私がその時読んでいた本を一日で読んで、次の日に感想を言いにきたんですよ」


 長谷川さん声を弾ませて話している。

 さっきから俺の知らない誠太がたくさん見えて来る。


「そんなことあったかなぁ」

「ふふっ、恥ずかしがらなくていいんですよ、嬉しかったんですから」


 これが惚気か、と眼前のカップルを見て思う。俺たちも気をつけよう、特に雛には気をつけさせよう。


 それから四人で他愛のない話をした。主に誠太と長谷川さんの馴れ初めや惚気話だった。そう言えばまだ二人はキスもしていないらしい。

 まぁ付き合って間もないのだから仕方ないが、こんなに仲がいいのに手すら繋いだことがないのだとか。

 そう言うところだけピュアなのはやはり誠太だな、と思わせる。

 

「こんなところにお地蔵さんがいる」


 前を歩く誠太が声を上げた。

 不思議だ、キリスト教の教会の敷地内なのに、お地蔵さんがあるとは。


「沢山いるね」


 俺がお地蔵さんを懐中電灯で照らすと、雛が不思議そうな声音で言った。

 十個くらいあるのではないだろうか、あんまり数えたくないのだが。

 お地蔵さんの顔は皆同じような仏頂面で、合掌していた。

 所々欠けて、苔むしているが、原型は留めている。


「九個あるね」


 誠太は指で数えて態々教えてくれたようだ。

 俺はため息を吐いてお地蔵さんに近づいて行った。

 近づくとわかるが、何やら布らしきものを肩にかけている。しかし苔に覆われて何色であるかも分からない。

 

「かわいい」


 不意に隣から雛の声が聞こえた。何でもかんでも可愛いと言うのを悪く言う訳ではないが、少々感性を疑ってしまう。

 すると雛は手を繋いでいる反対側の手をお地蔵さんに近づけようとした。

 俺は咄嗟に握っている手を自分に寄せて雛を引っ張る。

 雛は小さな声を上げて俺の胸の中に収まった。


「よよようくん!?いきなりなに」

「いや、あんま無闇に触るなよ」

「あっ…うん」


 雛の返事をして俺の胸にぐりぐりと頭を押し付けてから離れた。一体今の行為に何の意味があるのか分からないが、可愛いからいいのだ。

 俺はほっとため息を吐いた。するとスマホのシャッター音が聞こえた。

 急な電子音に驚きつつシャッター音の方を向くと、誠太と長谷川さんがお地蔵さんと一緒に自撮りしていた。


「お、おい、何やってんの?」

「ん?陽太郎たちも記念撮影する?」


 違う、そうじゃない、駄目だろそんなことしたら。俺の中で不安が一気に渦巻きだした。

 思えば蝉の声が止んでいる。不気味なまでの静寂の中、誠太と長谷川さんの能天気な声が遠ざかる。

 風が吹く音も、木々がざわめく音も聞こえない。己の心音さえ小さくなっているような気がした。


「ようくん、ようくん」


 雛が俺の腕を引っ張っている。眠りから醒める時に聞こえるような遠くから近づいて来る声だ。

 気がつくと煩わしいほどの蝉の声が聞こえていた。

 気を失っていた?そんなわけがない。ジンクスに囚われすぎてついに幻覚を見てしまったのかもしれない。


「なに?雛ちゃん」


 間違えて昔の呼び方をしてしまった。雛が子供扱いされたくないと言って、呼び捨てに矯正される前の呼び方だ。


「心霊写真撮れるかもね」

「絶対やだよ、取り憑かれても知らないぞ」

「ようくんって、こういう所好きなくせにいつも慎重だよね」


 俺は聞こえないふりをして雛のおでこを突いた。チキンはチキンなりの楽しみ方があるのだ。あの二人の求めるスリルとやらは俺からしたら大分振り切れている。

 

「ここが一番上みたいだし、あとはこっちから帰れそうだね」


 誠太が指を指した方向を見ると、勾配が下がった道が奥に続いていた。気づかないうちに俺が決めていたコースに戻ってきたらしい。

 俺は胸を撫で下ろした。あとはこの坂を降りれば教会の前に戻るという手筈だ。

 

「はぁ、やっと帰れる」

「最初は怖かったけど、何とかなったね」


 下りは何事もなく、談笑しながら歩いた。教会の前に着くと俺と雛は達成感からため息を吐きながら口々に感想を溢した。

 俺は早く帰りたかったので、さっさと雛の手を引いて歩き出したが、誠太と長谷川さんが着いてこないので振り返った。


「二人ともー、帰るぞー」


 教会の方を向いている二人に声をかけると、俺の声に気づいた誠太が長谷川さんに何か言うと彼女の手を引っ張って歩いてきた。

 暗闇の中でも誠太の顔が赤くなっているのが分かる。

 俺は何となく嬉しく思って帰路に着いた。


 車の全く通らない道路の左側の歩道を歩く。

 ジンクスが好きな俺は男女間の作法も弁えていた。俺には少々乙女チックなところがあるのかもしれない。

 作法に則って、左手に少し汗ばんだ雛の手を握る。森の中は涼しかったが、やはり森を出ると蒸し暑い。

 偶に吹く風を待ちながら四人で談笑する。

 今日一日で仲良くなったものだ。偶にはこうやってダブルデートするのも悪くないかもしれない。

 そう言えば俺は男らしい所を雛に見せることができただろうか。うん、あんまり思い浮かばない。

 

「幽霊に出会えなくて残念でしたね」

「そうだね、でもちょっと不思議なことが起こったから満足だよ」


 後ろから二人の声が聞こえる。不思議なことと言えば鏡が突然割れたことだろうか。

 にしても、縁起が悪いことばかりだった気がするが、特に何も起こらなくてよかった。

 この二人が幾度となく縁起の悪ことをしていくのを見ていると気が気でなかったのだ。


「あれ?何これ?」


 誠太の声が聞こえる。何か見つけたのだろうか。振り向くと誠太が左手で何かを持っていた。金属の輪っか。指輪のようなものだ。


「何だそれ」


 俺が聞くと、誠太は少し考えるような仕草をして、思い出したのかパッと顔を明るくした。


「あっそうだ、教会で拾ったのをそのままポケットに入れちゃったんだ」


 足を止める。

 俺は一瞬、冗談かと思った。しかし、こいつが数々起こしてきた行動を顧みるとやりかねないと思えてしまう。


「それ、返してきた方がいいだろ」

「そーだね」


 不安が渦巻く。今までで一番嫌な予感がする。俺は誠太の左手にある指輪を戦々恐々たる視線で眺めた。まて、なぜこいつは指輪を左手で持ってるんだ。俺は焦点の定まらない視線を誠太に向ける。誠太は恍惚とした笑みで指輪を眺めていた。


「お、おい、誠太」

「ん?なんだい?」


 うるさく鳴いていた蝉の声はもう聞こえない。蒸し暑くて煩わしい空気はどこかへ消えて、代わりに怖気立つような冷たさが辺りを包んだ。

 恐る恐る誠太の名前を呼ぶ。誠太はあっけらかんとした表情で俺を見た。お前、気づいてないのか?


「長谷川さんは、どこだ?」


 俺を握っている手が震えている。雛もこの異常性に気づいているんだろう。だが雛の方を心配する余裕は俺にはない。


「長谷川さん?」


 誠太はいつもの穏やかな表情のまま首を傾げた。本当に何も知らないような顔をしている。


「お前の、彼女、だよ、どこだ!どこいったんだ!」


 俺は雛と繋いでいた手を解いた。雛は力をまるで込めていたかったのか、簡単に解けた。

 そのまま誠太の肩に飛びかかった。


「彼女?陽太郎、冗談はよしてよ」

「お前こそ冗談じゃあねぇ!最近付き合ったって言ってただろ!さっきまでお前と手ぇ繋いでただろ!」

「陽太郎、変なこと言わないでくれよ、そんな人知らないよ」

「…は?」


 声にならない声が漏れた。目の前の誠太は困惑した表情で俺の方を見ている。


「だから、今日は三人だけで肝試しに来たんだよ?」

「…三、人?」

 

 訳が、分からない。誠太が嘘を吐いているようには見えない。しかし、それなら今までの俺の記憶は何だったんだ。

 嫌な、嫌な予感がする。三人、()()、あぁ、本当にジンクスというものは裏切らない。


「…よう、くん」


 隣から淡い声が聞こえた。何か分かったのかと期待を込めて雛の方を向く。しかし、雛はこちらを向いていなかった。

 正確に言えば、俺たちが歩いていた方向をまだ向いていたのだ。暗くて雛の表情はよく見えないが、明らかに怯え震えているのがわかる。

 俺はゆっくりと雛の視線の先に目をやった。

 その方には見覚えのある風貌の女性が見えた。紛れもなく、長谷川さんだ。

 しかし、粛然とした彼女には似つかわしくなく、首を垂れ下げていて顔が見えない。長く綺麗な髪は異様なほど黒く光を反射していなかった。

 あぁ、これ、駄目なやつだ。

 俺の直感が悲鳴をあげた。逃げないと、駄目だ。


「雛、逃げるぞ!」


 俺は雛に大声で喝を入れて反対側に走り出そうとした。雛の手を引っ張って誠太にも声を掛けようとしたその時。

 声を掛けるべき誠太が姿を消しているのが分かった。

 しかしそんなものは後ろの脅威に比べたら些細なものにしか思えなかった。

 俺は構わず走り出す。


「きゃっ!」


 雛の悲鳴が聞こえたと同時に腕を強く引かれた。雛が反転した拍子に転んでしまったのだ。

 俺は咄嗟に雛の方を向いた。あの長谷川さんのような化け物が雛を捕まえていないだろうか、攻撃は効くだろうか、南無阿弥陀仏と言えば離れてくれるだろか。


「…は?」


 振り向いた先に、長谷川さんのような化け物はいなかった。真っ暗な道路が先へ続くのみだった。

 もう一度振り向く。誠太もやはりいない。

 懐中電灯で辺りを隈なく照らす。人影すら見えなかった。


 俺はバクバクと弾けそうな心臓を鎮めようとため息を吐いて鳴き声を上げている雛に寄り添った。


「雛、大丈夫か?」

「うっぐ、ようっくん、うっ、ようくん」


 涙声で俺の名前を呼ぶ雛の頭を撫でて落ち着かせる。

 誠太は長谷川さんのことを覚えていなかった。それにあろうことか、最初から三人しかいなかった、と言い放ったのだ。

 自分のことすら信用ができない。俺は何を見ていたんだ。


「雛、話せる?」

「うっ、うん、ようくん、怖い」   


 俺は膝を着いて雛を抱き寄せた。雛の鼻を啜る声をしばらく聞いて、落ち着いてきたのを見計らって口を開いた。


「雛、俺たちは四人で来たよな」

「うん、四人だったよ」

「長谷川さん、覚えてるよな」

「うん、覚えてる」


 雛は俺と同じものを見ていた。つまり俺が大丈夫なら雛も大丈夫なはずだ。

 となると一番心配なのは誠太だ。長谷川さんは、正直考えたくないが、元から居なかったかもしれない。

 誠太が攫われた理由は、何となくだが分かる。誠太を助けないと。あいつはあの教会にいる気がする。

 何となくだが、直感的にそう思った。


「ようくん、誠太くん、大丈夫かな」

「大丈夫、一旦電話しよう」


 誠太の電話番号に電話をかけるが、繋がらない。


「繋がらない。なぁ雛、あいつはどこにいると思う?」

「よく分からないけど、長谷川さんは教会にいる気がする…」

「…長谷川さんか」


 あの化け物、確かに長谷川さんに似ていたけど、そうじゃない可能性だって確かにある。雛もそう思いたいのかもしれない。


「行ってみよう、合流しないと」

「う、うん、こんなことなら長谷川さんの電話番号も聞いておけばよかった」


 俺たちは震える足を何とか動かして教会へ向かった。


 冷たい風が木々を揺らす。また戻ってきてしまったが、大事な親友を見捨てるなんてできない。

 教会に近づいていくと何やら違和感があった。

 苔むしていて所々亀裂があり、そこら中を蔦が飲み込んでいる。同じだ。しかしどこか違う。

 俺がそんな疑問を覚えていると雛が教えてくれた。


「扉が、閉まってる」


 俺たちが教会から出た時、扉は開けっぱなしにしたはずだった。しかし、完全に閉じている。怖くなったので疑念を振り払うように首を振った。


 扉に両手をかけてそーっと開こうとしたが、なかなか固かったのでもう一度力を込めて引く。まるで無理矢理押し込んだかのような固さだ。

 思いっきり引いたらついに開いた。勢いよく開かれる扉に驚きつつ、教会の中を覗く。


 そこには信じられないものがあった。いや、吊り下げられていた。


「っあ、う…あ」


 恐怖で声が出ない。頭の中では逃げないと、という声が響き渡る。

 俺たちが目にしたのは、キリストのように十字架に磔にされた、


 







 長谷川さんだった。


 





「はぁ、はぁ、はぁ」


 呼吸がうまくできない。死体なんて見たのは初めてだ。逃げたい、逃げないと。おかしいだろ、さっきまで一緒にいたんだぞ、なのに、何で。


「よ、よう、くん」


 雛も同じような状態だった。今にも叫び出しそうな様子で、ゆっくりと後退っている。

 駄目だ、早く逃げよう、ここにいたらまずい気がする。

 誠太。ごめん、雛を逃さないと。後で警察に通報するから、待っててくれ。


「逃げるぞ、雛」


 俺は雛の手を取り、ゆっくり歩いて、振り返って雛がちゃんと歩けそうなのを確認した後、少しずつスピードを速めて走って逃げた。

 一度振り返った時、長谷川さんの左手の指が少しだけ光って見えた。


 俺の判断は正しいんだろうか、誠太は大丈夫だろうか、そんな葛藤はあったが、今はすぐにでもこの場を離れたかった。


 ある程度の距離を走って、緊張や恐怖で息も絶え絶えになった頃、俺たちは身を寄せ合うようにして歩いていた。

 もう暑さなんて関係ない。恐怖心で胸がいっぱいだった。


 暫く歩くと、次第に冷静になっていった。足取りも落ち着いている。

 公園が見えた。俺は日常が戻ってきたような感覚を覚えて安堵のため息を吐いた。公園まで行ったら、取り敢えず警察に連絡しないといけない。そして、誠太を探さないと。


「よ、ようくん」

「どうした?」

「あれ、誠太、くん?」


 公園の外。公園の名前が彫られた石銘板に見覚えのある男がもたれていた。間違えない、誠太だ。


「誠太ー、誠太ー!」


 よかった、誠太は無事みたいだ。なぜか知らないが本当によかった。俺たちは駆け足で誠太の方へ向かった。

 

「陽太郎、雛さん、こんばんは、随分遅かったね」

「誠太!お前いきなりいなくなるなよ、心配したんだぞ」

「誠太くん、よかった」


 俺と雛は口々に喜びを上げた。誠太は困惑した表情でこちらを見た。


「何言ってるんだ、と言うか陽太郎、君から誘っといて今までどこに行ってたんだい?」

「は?」

「いくらラブラブでも、礼節くらいは欠かさないでもらいたいね、誘っておいて放置するなんて、まったく深く反省して欲しいものだよ」


 何言ってんだ、こいつ。まるで元から俺たちと会っていなかったかのような言い草だ。


「ちょっと待て」

「長谷川さんは?長谷川さんのことは覚えてる?」


 雛が堪えきれなくなって誠太に聞いた。誠太はまた困惑した表情を浮かべる。


「長谷川さん、誰のこと?」

「誠太くんの彼女だよ!綺麗で、背が高くて、誠太くんが一目惚れしたって言ってたじゃん!」

「彼女なんていないし、作る気もさらさらないよ」

「…え」


 血の気が引く、いやしかし、それは想定内だ。それよりも一番気になるのは、


「お前、俺らと一緒に肝試し行ったよな」

「何言ってるんだ、ずっと君たちを待ってたんだよ?肝試しに行く以前の問題だよ」

「いや、それはいくら何でもないだろ」


 百歩譲って長谷川さんが幻影の類だったとしても、誠太はありえない。長谷川さんが突然消えた時、長谷川さんを覚えていない誠太は俺たちと一緒にいたからだ。

 そして確かに言ったんだ。三人で来たと。


「でも、ようくん、あの時誠太くんも消えちゃったんだよ?」

「じゃあ、あれも幻ってことなのか」


 それなら、確かに説明がつくかもしれない。

 誠太も幻影で長谷川さんも勿論幻影だというのなら…。


 俺は全身の力が抜けるような気になった。大きく大きくため息をつく。

 はぁ、そうか、そう言うことか。

 長谷川さんも誠太も、俺たちの幻覚だったんだ。


 あぁ、()()()で行って良かったぁ。


「はぁぁぁぁー」

「陽太郎、どうしたんだい?今日の君はおかしいよ」

「ごめんごめん、誠太、ちょっと色々あってな、でも良かった」


 俺は安心のあまり涙が出てきそうだった。

 やっと帰れるんだ。あの教会の死体のことだけ通報して、それで帰ろう。


「色々あったって何だよ」

「色々は色々だよ、今日はごめんな、また今度埋め合わせするから」

「誠太くんごめんね、また今度ゆっくり三人で話そう?今は取り敢えず、すぐに家に帰りたいの」


 同感だよ雛、でもその前にやることやらないとな。

 そんなことを考えていると、釈然としないのか、誠太が眉を顰めている。


「うーん、めちゃくちゃ気になるんだけど」

「また今度話すから」


 誠太は未だに納得がいかないのか、俺たちの方を見て眉を顰めた。


「はぁ、あんなに待って、先に行ったんじゃないかと思って探しに行ったんだよ?」

「あぁ、ごめんごめん……え?どこに?」


 空気が一変する。重く、動くことさえ億劫になる程の重圧がのしかかる。縛られているみたいに動かない。背筋をツーっと汗が伝って怖気立つ。気が狂うほどの沈黙の中、俺たちは目の前で何でもないといった風の誠太を食い入るように見た。


 おかしい。ありえない。


「そんなの決まってるじゃないか、教会だよ?」


 誠太は当然のように言っているが、そんなのは決まってるはずがない。だって


「お前に、場所は、教えてない」


 視界が揺れる。この感覚はさっきからずっと味わってきた。恐怖の感覚だ。

 俺の言葉を聞いた誠太はゆっくりと口角を上げた。


 あぁ、やっぱり、()()()で行くべきじゃなかった。


 お読みいただきありがとうございました。

 様々な見解を持てるように書いてみましたが、どうでしたか?

 皆さんがこの作品をどのように受け取ったのか気になります!

 是非皆さんの見解をお聞かせください!

 一応作者の見解も含めてお返事をさせて頂きます。

 どうぞ気兼ねなくご感想をお聞かせください。


追記

 私の性癖で少しだけラブコメ要素が入ってしまって申し訳ありません。

 手が滑ってしまうのです。可愛い女の子を書きたくなってしまうのです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 前半のノリからシームレスに恐怖に移行するのがとても良かった。こんな風に展開するのは、やろうとするとけっこう難しいと思います。雛ちゃんがすごく仕事しますね。 散りばめられたアイテムと謎が恐怖…
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