遭遇
「はぁ...ここどこだよ...ていうかまたかよ...」
目が覚めたら俺は、謎の周りが紫色に包まれた、禍々しいような、何とも言えない空間に来ていた。
体を動かそうにも動かない。
これで二度目の遭難だ。やったね!ではなく、普通に絶望的ですね。はい。
もう諦めかけていたその時、どこからか声が聞こえてきた。
「あーあー、テステス。聞こえますかぁ?聞こえるなら十秒間瞬きしないでねー。」
とりあえず聞こえるので言葉の指示の通りにしてみた。
「よし、聞こえてるってことは無事に意識とのリンクが成功したってことね...。とりあえず、まずは君を自由に動けるようにしようか。」
その言葉の後、俺はまるで鎖が切れたかのように自由に動けるようになった。
だが、まったくもってここがどこなのかとか相手の目的とかがわからない。なので聞いてみた。
「あーあー。自由にしてもらったところ悪いんだが、ここはどこだ?それにアンタは誰だ?」
「僕は陽炎。簡単に言えば、君の中に住み着く妖怪だよ。」
そういった後、目の前に髪が銀色の、いかにも爽やかな雰囲気を出しているが、どこか妖しい雰囲気の青年が現れた。
というか何言ってるかまるで分からない。俺は人間のはずだ。なのになんで妖怪?が俺の中に住み着いてやがるんだ?
「オーケー。何言ってるか全くわからん。俺の中に住み着く妖怪?なんだ?中二病なのか?中二病なんだろ?」
「うん分かった。詳しく説明するからそれ以上自虐ネタを言わないであげて。自分で自分の身を滅ぼしてどうしちゃうんだよ。まぁいいや...とりあえず、もう一度言おうか。僕は君の中に住み着く妖怪だ。だから、君の記憶も持っているはずだし、君の能力も知っているはず。」
「どうして『はず』なんだ?」
「僕もできることなら君に協力したいんだけどね、思い出せないんだ。まるで頭の中に霧がかかったようにね。まぁ、僕は君の意識とつながるために、直接脳とつながっているから、君よりかは早く思い出すと思う...何か思い出したらまたここに来た時にでも教えてあげる。」
「ここにはどうやってくるんだ?」
「簡単だよ。意識を失えばいい。寝たときとか、気絶することでもここに来れるね。逆に、ここから戻りたいときは起きたいと強く願うだけでいいんだ。あと、君がピンチの時は、僕が出てもいいんだよ?僕は強いからね。」
「...わかった。ところで、強いってことはあんたは能力があるのか?」
「うん。もちろん。君とは別の能力を持ってるよ。ただ単純によくそこらへんにありそうな能力だけどね。」
「なんだ?」
「『重力を操る程度の能力』だよ。」
「ほーう?面白いじゃないか。まぁ、お前の能力なんざどうだっていい。ここはどこだ?」
「どうだっていいはないでしょ。傷つくよ?...ここは、言うなれば君の中だね。現実で意識を失うことってあるでしょ?そういう時に、その一つしかない『意識』が、僕と君をつなぐ空間を作るんだ。ここがその空間だね」
「ふーん...もう用は済んだか?なら俺は現実に帰るが。」
「あーそうそう。あともう一つだけ教えてあげる。」
「なんだ?」
「君の名前だよ。君の名前は『影丸』。知っておくといい。それと、僕の存在はなるべくバラさないこと。もし言ったら...君自身が退治されちゃうかもね。」
「...わかった。じゃあな。」
「じゃあね。僕の宿主さん?」
「お前の相棒になった覚えはない。」
そう言い放つと、俺はこんな目に悪い紫色の空間からとっととお暇することにした。
さっき言われたように、目を覚ましたいと強く願う。俺の意識は、再び闇に包まれた...
ひとまず、陽炎との接触です。何かキーマンになりそうな予感...
次回は水曜日に出します。




