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オリジナル

 昼休み。俺はクラスメイトの白神さんと、早乙女さん、朝顔さんの三人で食事していた。ちなみに早乙女さんと朝顔さんは仲が良いらしい。


「いやー、それにしても不動くんがまさか試合を受けるとはねぇ?」


 早乙女さんがケタケタと笑いながらそう言った。


「だいぶ勢いで言っちゃったからな……」

「ゆっきー、チェリーなら紫苑ちゃんで卒業させてあげるのにー★」


 朝顔さんが、俺の太ももに手を置きながらそう言ってきた。

 う……この子はいったいなんなんだ。

 というか俺いつのまにゆっきー呼びになったんだよ。


「なっ、だ、駄目ですよ朝顔さん! そんな破廉恥な発言、ゆ、許せません!」

「もー、柚子ちゃんは硬いなぁ★。ま、そこもカワイーよね」

「な、何言ってるんですか、もうっ」


 白神さんも、朝顔さんの前ではタジタジのようだ。

 そうしていると、早乙女さんが朝顔さんと白神さんを落ち着かせて、再び俺に質問してきた。


「話逸らさないでよ紫苑。それよりさー、不動くん。勝つ見込みあんの? たぶん相手、『オリジナル』持ちだよ?」

「オリジナル?」


 俺が聞き返すと、女子ズ三人とも、え? 知らないの? みたいな目で俺を見てきた。


「嘘ー!? あ、でも確かにまだ授業ではやってないもんなぁ」

「なんなんだ? そのオリジナル持ちって」


「不動くんは既に、オリジナルを見たことありますよ」


 話にわって入ったのは、白神さんだった。

 俺が見たことある?


「俺が? どこで?」

「私もオリジナル持ちですから。この前のRAIH襲撃事件の時に、私が持っていた薙刀。あれがオリジナルです」


 そう話す白神さんは、どこか哀しげだった。


「薙刀? あれってオキナドライブじゃないのか?」

「ええ、そうです。けどあれは、遺跡から発掘された『本物』のオキナドライブなんです。だからオリジナル」


 その後も、白神さんは説明をしてくれた。

 オリジナルは量産されたオキナドライブとは、性能が全く違うようだ。

 もちろん数には限りがあるから、使える人間は限られていて、中等部で優秀だった白神さんは特別にオリジナルを使えるらしい。


「加えて、オリジナルの特徴一つが、『リフレクション』です」

「リフレクション?」

「はい。私がRAIHと戦っていた時、巫女装束だったのを覚えてますか」

「ああ、あのやけに丈夫な服な」

「そうなんです。あの服は、オキナドライブによって構築された高性能ナノマシンパワードスーツなんです」


 カタカナが多いな……。


「いまいちわからないな」

「これは、見せた方が早いですね。食事も済みましたし、ちょっと練習場に行きましょう」


 と、いうわけで俺たちは練習場へと向かった。

 昼休みは割と空いているらしい。

 白神さんは、保管されている薙刀を、職員室から取ってきた。オリジナル持ちは、ちゃんと借用名簿的なものに記入しないと借りれないようだ。

 ま、危険なものだしな。


「いいですか。オリジナルはそれぞれ主が定められています。例えばこの薙刀『舞姫』の主は私です。だから、私以外のものが持つと最大性能は発揮できません。早乙女さん、持ってみてください」

「わかった」


 早乙女さんが舞姫の柄を持った。


『オキナドライブ起動中。認定者以外のPIWを検知しました。制限モードに入ります』


 電子音性はそう言うと、それっきりなんの反応もなかった。


「この状態だと、RAIHへの最低限の武器としては扱う事はできるけど、本来の力を発揮することはできないんです。見ていてください」


 白神さんは、舞姫を返してもらい自身の手で握った。


『認定者のPIWを確認しました。オキナドライブ起動』


 舞姫の刀身にある溝に青白い光が現れる。


「そしてこれが、オリジナルが持つ特徴の一つです。舞姫、『リフレクション』!!」


『リフレクション確認。展開します』


 すると、薙刀の末端についていた四角い白い箱が外れ、開いた。中から現れた粘土のような物体が白神さんの身体へと張り付いていくと、徐々に形を変えていく。

 色がつき、形が整うと、粘土は巫女装束へと変貌していた。


「す、すげえ」


 びっくりしたぁ。

 そんな変身ヒーローみたいなことになってるとは思わなかった。


「このスーツは、私の力を何倍にも増幅するし、衝撃にも強いです。それに空中にも浮けます。つまり、オリジナル持ちと戦うということは、このリフレクション機能の補正を加味しないといけません」

「な、なるほどなぁ。じゃあ量産されたオキナドライブには似たような機能はないのか?」

「現代の技術では、この高性能なスーツは再現できないので、できるだけ機能を寄せたパワードスーツを自分で着るんです」


 じゃあ変身! 的なことはできないのね。

 ちょっと残念。


「絶望的なことがわかりました? 不動くん、今日から放課後は勝つために私と特訓です!! ビシバシ鍛えますよ!」

「し、白神先生……」


 白神さんは、目に炎を携えていた。

 なんか、凄いやる気に満ちてるな……。







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