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オリビアの幸村密着調査

 

「お、オリビア、やめろって」

「AHAHA! 幸村はからかいがいがあるなぁ!」


 オリビアは俺から指を離すと、高笑いした。


「ま、けどさ。私より強い男なんて唯一無二なのは間違いない。正直言ってレンアイって奴はよくわからないけど、幸村なら籠絡するだけの価値はあるな!」

「おいおい……俺はゲームの賞品じゃないぞ」

「ま、いいや。話はこれで終わり。とりあえず私はあんたの生活が見れれば良いから」

「やれやれ」


 面倒なことになったな。

 とりあえず疲れたし、風呂でも入るか。

 そう思って風呂場へ行くと、何故か背後にオリビアの気配。振り返るとついてきていた。何故かメモ帳とペンを持って。


「なんでついてきてんだ」

「さっき言ったじゃん。生活を観察するって」

「まさか風呂も観察する気か?」

「そのまさか」

「マジかよ……」


 反論しようとも思ったが、オリビアは有無を言わさぬ瞳をしていた。こりゃ言ってもきかなそうだな……。

 仕方なく、俺は衣服を脱ぐ。


「Oh my gosh!」


 するとオリビアは最初目を手で覆ったが、興味が上回ったのか、マジマジと俺の体を見ていた。主に下半身。


「す、すごい。パパ以外のを初めて見たわ! な、なんか……キュートね」

「その発言は悲しくなるからやめてくれ」

「幸村は、自分のモノに自信がないっ……と」

「何をメモってんだよ!」 


 オリビアは、俺の体に近づいて、何やら身体的特徴をメモ帳に書き始めたのだが……。


「近づき過ぎだし、なんか顔赤くないか?」


 いつのまにか、オリビアはフラフラと虫が樹液に集まるようにして顔を俺の体へと近づけていた。顔というより、鼻?

 スンスンと、何やら俺の体臭を嗅いでいるのだが、顔を赤くしている。


「……すんすん。すんすん。すーはーっ」

「おーい、オリビア?」

「すん……はっ!? な、なに?」

「何してんの?」

「えっ、何が? 何もしてないけど!? 何!?」

「いや、匂い嗅いでたよね?」

「な、何言ってるのさ! 私がそんなことするわけないじゃん! 早くお風呂入りなよ! ほらほら!」

「ちょ、おい、わかったよ」


 オリビアが俺を風呂場へと押し出しし始めたので、仕方なく追求せずにシャワーを浴びることにした。

 絶対嗅いでたよな? あれもなんかの調査なのか?

 オリビアは、流石に風呂場には入ってこず、時々俺に脱衣所から質問を投げかけてくる。


「幸村は髪から洗うタイプなんだなー」「幸村は割と背中をじっくり洗うんだなー」「洗顔の泡とコンディショナーとボディーソープを同時に洗い流すんだなー」


 そんなことを言いながら俺の風呂は終わった。

 これ、なんの役に立つんだ?

 俺は部屋着へと着替えて、ベッドにダイブした。


「あー、疲れた」

「結局あのオリジナルはどうなったんだ? 誰か他に鞘抜けた人いるのか?」

「あーそれか。いや今のところいないな。理事長から俺が所有者になるように言われた」

「へぇ、マジかよ! オキナドライブ使用してまだひと月も経ってないのにオリジナルかー。羨ましいよ」

「実力的にはまだまだなんだけどな……上の人たちの思惑もあったりすんだろーな」


 すんなり決まりすぎな気がしてる。

 きな臭いけど、指摘するほど勇敢でもないしな……。


「私なんて超優秀だからこの歳でオリジナル持ちだけど、最初は周りからの妬みやら僻みが凄かったんだから!」

「ふーん、どうやって納得させたんだ?」

「実力さ。私の通ってたスクールでは、大会があってね。そこでみんな黙らせた!」

「強いな〜。あ、でもうちでも大会あるって言ってたな……対抗戦ってやつ」

「ならそれで幸村もみんなを黙らせれば、ノープロブレムだね」

「いや、別に俺、妬みを受けると決まったワケじゃないけどな……」


 といいつも、まぁ実力に見合わない優遇ってのは、どこでも歓迎されないモノだよな。

 俺が逆の立場ならムカつくし……。


 ま、考えても仕方ないし、今日はさっさと寝よう。シズフォンでテキトーにネットサーフィンをしつつ、良い時間になったところで寝る準備をしていると、オリビアからとんでもないことを言われた。


「幸村ー、今日そっちの布団で寝ていいか?」

「は!? だ、駄目に決まってるだろ!」

「そう言わずさー、頼むよ」

「なんでだよ! 流石に寝る時の習慣はどうでも良いだろ?」

「いや、そうじゃなくて。私の愛用の抱き枕が、本国からまだ届いてないんだ。それでいつもは、ルームメイトを抱き枕がわりにしてる」


 ルームメイトも戸惑っただろうな。


「い、いやでも流石にそんなことしたら俺の理性が……」

「ダイジョーブ! 理性壊れても受け止めてあげるよ! ま、幸村にはそんな大胆なことできないからどっちにしろ大丈夫さ」

「俺のこと完全に舐めきってるな……良いだろう! やってやんよ! どうなっても知らないからな!」


 というわけで、就寝。

 オリビアが俺のベッドに潜り込み、俺に抱きついて寝ている。

 こいつの凄いところは、すぐに寝てしまったところだ。気持ちよさそうに寝息をかいている。


 オリビアは下着だけだし、生の肌の触感が嫌でも伝わってくる。ま、まずいな……本当に変な気起こしそうだ。

 仕方ない、素数でも数えよう……。

 これ、俺寝れるのか?




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