下着
結局、俺はいい感じのアイデアが思いつかなかった。
「ま、考えておいてくれ。破産しない程度で頼むぞ。このオリジナルは他同様私が管理しておく。必要になったら言え」
水戸先生は、そういって刀を持ちながら職員室へと戻っていった。もう夕方だ。俺も寮へ帰ろう。
そう思い、自分の部屋のドアを開けると、
「よっ、幸村」
何故かベッドの上には、オリビアが座っていた。座っていただけならよかったんだが、問題はその『格好』だった。
「ばっ、お、お前なんだその……!?」
オリビアは、下着姿だった。
つまり、ブラジャーとパンツしかはいてない。
俺は直視できず、思わず回れ右して部屋のドアに向かって話しかけるハメになった。
「あー、これか? 私は基本的に部屋ん中では下着なんだよ。ニヒヒ……おーい、ゆ、き、む、らぁ〜どうしたんだ〜?」
「なにぃ!?」
オリビアはいつのまにか俺の背後へと接近しており、その豊満な胸を俺の背中へと押し付けていた。
や、やわらか〜〜い。もしかしてここが天国?
じゃなくて。まずい、冷静さを保たないと。
「オ、オリビアがなんで部屋にいるんだよ」
「なんでって柚子と部屋交換したんだよ。とりあえず今日」
「な、なるほど、そういうことか」
「それよりなんでこっち向いてくれないんだ〜? 壁と向かって話しても面白くないぞー」
ぐりぐりぐり。胸がどんどん当たる。
ま、まずい。まずすぎる。
つーかオリビアは何が目的なんだ? からかってるのか?
「と、とりあえず離れてくれ」
「ま、仕方ないか」
オリビアは俺から離れてくれた。
彼女は再びベッドへと腰掛ける。俺も座るように言われたので彼女の横に座った。これなら前を見てれば大丈夫だ。
「じ、じゃあ聞かせてもらうけど、オリビアは何が目的でこんなことしてるんだ?」
「目的、か。まぁ1番の目的は何故、世界中でお前だけがオキナドライブを使えるのかを知る事さ。それがわかれば国の発展に大きく貢献できるからな。お前と一緒にいる時間が増えれば、生活リズム、習慣から何かわかるかもしれない」
オリビアはキラキラした目でそう語った。自国のために動く、かぁ。あまり現代の俺たちにはわからない感覚だな。
「俺の生活なんて見たところで何もわからない気がするけどな」
「そーいうのはこっち側で判断する。というわけでさっきはからかってみたわけ。いやー、それにしてもさっきの幸村の慌てよう! 面白かったなー」
楽しそうに笑うオリビア。
純粋さが出まくっている。
「こっちの身にもなってくれ。それより、その言いようからして、本国から何か指示されてれそうだな」
「AHAHA! バレた? まー隠しても仕方ないか。そのとーり。けどそんなに厳重な感じじゃないよ。私はおまけって感じかな。一女学生に任せるほどステイツは落ちぶれちゃいないさ」
「へぇ……俺を誘惑しろっていうのも指令にあったんか?」
「あったよ。正確には『籠絡して国に送り込め』って感じだったけど」
こ、怖いな……。
「ま、それでも?」
そう言って、隣に座るオリビアは、こっちに近づいてきて、俺の胸の辺りに指をツツーッと這わせ始めた。
「ふわっ!?」
思わず変な声が出る俺。
「最初はキョーミなかったけど、私を負かしてからはちょっとは気になってるかな〜?」
「お、おい変な冗談やめろよ」
ドキドキと心臓が高鳴るのを感じる。
こ、こんなに同年代の女の子と接近してたら気が変になりそうだ。
なんかお風呂上がりなのか良い匂いがするし、谷間が見えるし……。
「私のパパがよく言ってたんだよね。『強い男』を好きになれって。けど? 今の時代ってもう女の方が男より強いでしょ? だからそんな男がいるわけないと思ってたのに、なんとまさか日本にウルトララッキーボーイが現れたってワケ」
そう言って、オリビアは俺に触れている指を時計回りに回し始めた。
こ、こいつ……本心がわからない。
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