ゆいこのトライアングルレッスンH~観覧車でダブルサイドハグ!?~
この作品は、「下野紘 巽悠衣子の小説家になろうラジオ」の名物企画「ゆいこのトライアングルレッスン」に投稿したものです。
原案者である巽悠衣子さんの幼き頃の妄想から始まったこの企画は、登場人物と今回のテーマはハグという縛りで募集がありました。
第126回の放送で、作品は自由に掲載してよいとの公式見解がありましたので、アップさせていただきます。
「ゆいこ、改めまして受験合格おめでとう!」
と、たくみが言ったとたんに私は急に引き寄せられた。
(えっ嘘でしょ、私たくみに抱き締められてる? )
目の前に見えるのはたくみのコート、そして少し目線をあげると、首もとと明るい髪が見えた。
(何で?今日は合格のお祝いにと、2人が遊園地に誘ってくれて…。それで夜景を見ようと観覧車に乗ったんじゃなかったっけ。こんなの夜景どころじゃないよ。)
「たくみ、抜け駆けするなよ。」
と、ひろしの声。
(ひゃーひろしにこの状態見られてるんだった、どうしよう…)
「えーいいじゃん。」
「ゆいこが困っているよ。まずは大事な話をする約束だろ。」
「しょうがないなぁ。もっとゆいこを感じていたかったのにな。」
とたくみは名残惜しそうにゆっくりと私を解放してくれた。私は耳たぶが熱くなり、自由になっても心臓の高まりが止まらなかった。そんな私の耳元にたくみは口を近づけ、私にしか聞こえないような声で囁く。
「ゆいこがドキドキしてたの伝わってきたよ。耳まで赤くしちゃってかーわいー。」
「こら、たくみ!」
そう言ったひろしは、そのまま私の目をしっかりと見つめて、驚くべきことを口にした。
「俺たち、ゆいこのことが好きなんだ。だから、受験が終わったら、気持ちを伝えて、ゆいこの気持ちを聞こうって2人で決めていたんだ。ゆいこはどちらが好きなんだ?」
(いきなりそんなこと言われても、どちらが好きかなんて選べないよ。)
どう答えていいかわからず、両隣に座っている2人を見ることができなくて、観覧車の外を眺める。一番高いところまで来たようだ。遠くの方まで明かりがチラチラと輝いている。
「どちらか選べないんでしょ?じゃあさ、決まるまで3人で一緒に仲良くしよっ。」
たくみはさらっと言う。
「えっ?」
「そういうことなら俺が抱き締めたっていいよな。」
今度はひろしに肩を寄せられ、そのまま抱き締められるとたくみが叫ぶ。
「あっずるい!俺も」
ひろしの体温を感じてる側とは反対側に、たくみがむぎゅっとくっついてくる。
(えーダブルサイドハグってやつ?私どうしたらいいの?)
と、戸惑っていると観覧車がだいぶ下まで降りてきたことに気付く。
「もう観覧車、着いちゃうから…」
と慌てて言うと、たくみが余裕の笑みを浮かべて、言い放った。
「ちぇっ、時間切れか。これからは、勉強のレッスンじゃなくて、大人へのステップのレッスンしてやるから、覚悟しとけよ。」
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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