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「あれ?なんで柏木さんが家に?あ、そっか。夢かそれじゃ」
「夢じゃないわよ。昨日からお世話になるって言ったでしょボケてるんじゃないわよ仁」
柏木さんが俺の頭をこつく。
「あ、そうだった。すっかり忘れてた。ごめんごめん。でその格好で行くの?」
柏木さんの格好は前のようにヤクザを隠している時の服装だった。
「当たり前だよ。それにあの姿はあまり同級生とかに見られたくないからね。可愛いからとか理由で声かけてきたら殴っちゃいそうだから」
いや自意識過剰な気はするけどでも可愛いのは確かだし、それに胸はでかいし。男なら誰だって目がいくかもしれない。
「そ、そっか。まぁその格好の方がほんとの柏木さんを知ってる俺も嬉しいや」
柏木さんは顔を少し赤らめると
「もうそんなこと言ってないで早く起きて朝ごはん食べに行きなよ!私は怪しまれないように先に学校に行くから」
「え?もう行くの?はやくない?」
「仁の家知ってる同級生は仁の友達と桃田くらいだとは思うけど一応ね。後あの2人にもバレたくないから」
「ん?バレたくないって言ってもコウちゃん家近いからすぐにバレると思うんだけど・・・」
「仁の友達にはバレたら事情をいうけど。まぁ桃田にはバレたくないな」
「?なんで?」
俺は柏木さんに聞くと、柏木さんはぼっそりと
「2人して鈍感なんだな」
俺に聞こえないくらいの声で何か言ったので聞こえないと言ったら、それでいいのと言われて俺の部屋から出て行く柏木さん。
俺は柏木さんが部屋を出た後、制服に着替えてリビングに行く。
「おはよう」
「あ、おはよう仁」
リビングでは姉だけいて母さんがいなかった。
「あれ?母さんまだ起きてないの?」
「お母さんは二日酔いだよ全く。だから飲み過ぎだって言ったのに」
ぶつぶついいながら姉さんは朝ごはんを食べている。
「じゃ朝ごはん姉さんが作ったの?」
姉さんは首を横にふって
「私じゃないわ。凛が作ったのよ」
あれ?姉さんが柏木さんを下の名前で呼んでる?どうしたんだろ?
「姉さん。柏木さんをいつ名前で呼ぶようになったの?」
「いつって今日からよ。家で名字で呼ぶのもあれだからどうせなら下の名前で呼ぼうかと思ってね。ただあの子何故か私を崇拝してるからまだあの子の前では呼ばないけどね」
え?柏木さんが姉さんを?何でだろう?姉さんの中学生の頃を知ってるのかな?もしかして
俺は悶々としながら柏木さんの作った朝ごはんを食べていた。




