65話 深夜明けの朝
主「眠い……」
ジョー「どうしたの?眠そうにして……」
主「いや、ちょっとゲームの周回してたら朝になってて……ふああ……」
ジョー「じゃあ僕が起こしてあげようか?」
主「ああ、助か ジョー「くらえ!【鮮血の紅】キーーック!!!」グボガッ!!!!」
ジョー「起きた?……死んでる?」
一「あぁ……うあぁ……眠い……」
頭が……回らない……寝ておけば……よかったか……?
昇「一お前……珍しいな。寝てないのか?」
これは……昇か……?
一「あぁ……そう……調べ物……してた……」
昇「そうか、なら今は一旦寝とけ。幸い今日はなんも用事が無いし、ゆっくり寝れるぞ?」
そう……だったっけ?……まぁ……いいや……そう……しよう……
一「おぉ……わかった……おやすみ……」
昇「おう、おやすみ。」
昇「という事があったが覚えてるか?」
一「いや、ちょっとまて、それ本当か?実際にあったらかなり恥ずかしいんだが?」
昇「ああ、映像とかの物的証拠は無いから見せられんがあったぞ?おおよそ6時半に。」
ま、マジか……それがあってゆっくり寝たから今の時間が1時なのか……
昇「まあ、とはいえすぎちまったものは仕方がない。幸い俺しかいなかったし諦めろ。」
一「お、おう……」
俺達はその後色々して午後3時50分くらいにゲームにログインした。
一「ん?ここは?」
俺は周りを見渡すとやすらぎの槍烏賊の俺が泊まった部屋の布団の上だった。
部屋に泊まったらログインする場所が変更するとかあるのだろうか。後で調べてみようかな。
一「さて、今は朝か。」
日光が部屋に差し込む。それも日が入る時の少し薄暗い状態だ。
俺は朝ご飯を食べる為に食堂に行くと何か声がする。……ん?この声は?
アリサ「おとうちゃん、げんきだしてくださいです……」
「そうは言っても……,あのお客様……どこに行ったんだ?はあ……1号室……丸一日もどこかに行ってるなんて……言ってくれればいいのに……」
……丸一日か、確かログアウトしたのが夜の7時だろ?そこから今の3時半だから……ああ、ゲーム内時間だと1日とちょっとかかっているのか。
これは店主には悪い事をしたな。
一「なあ、その1号室の客だが朝食は頼めないか?」
「はあ……はあっ!?いやっ、お客様っ!いらしたのですか?」
アリサ「おきゃくさま!いないならありさかおとうちゃんにいってくださいです!」
一「あ、ああ……アリサちゃんごめんな。店主も悪い事をしたな。」
「い、いえ、それは大丈夫ですが……朝食ですか?」
アリサ「まったく!きをつけてくださいです!」
一「ああ、以後気をつけるよ。……ああ、朝食だ。アレ頼めるか?あの日替わり朝食ってやつ。」
「ああ、はい、わかりました。」
そう言って奥に行っていくおっさん。……いや、すぐ戻ってきたな。
「日替わり朝食の味噌汁と水蟹の炊き込みご飯です。」
と言った具合で料理が出てきた。……まあ、さっきログインする前にそこそこ食ってるからアレだがでもかなり旨そうだ。
一「ありがとう。さて、食べるかな……」
「あの、食べながらで良いのですが一つ質問をよろしいですか?」
一「ん?何かあったか?」
まあ、多分なぜ居なかった、とかだろう。そこはまあ聞かれたら移転者だから、というシンプルな理由でゴリ押すしかないだろう。誤魔化しても意味はないしな。
「あの、この宿に不満とかありませんか?」
一「ああ、それは……なんだって?」
え?そっち?なにその店とかのアンケート用紙に書くやつみたいな質問は……ああ、居なかったからだろうか?それでこの宿に何か不満が!みたいな?
一「あ、いや、特に問題はないぞ。飯はうまいし、布団はふかふかだし。」
後は変なやのつく仕事してそうなおっさんさえ来なければ満点だろ。
「そ、そうですか、よかった……」
一「それだけか?てっきり昨日は何故居なかったのかを聞かれるかと思ってな。それで考えてたが……」
「い、いえ!お金を払わずに何処かに行ってしまう様なやつらならともかくあなた様は戻ってこられたではありませんか。まあ、何故居なくなったかと言うのも気にはなります。ですが戻ってこられたのならもう気にしなくても大丈夫ですからね。」
一「お、おう、そうか……」
俺はそんな事を話している内に朝ご飯を食べ終わり会計に行く。
一「えーっと?確か一泊16600マルクで?三泊だから……いいや、めんどくせえ!」
俺は10,000マルク札を適当に10枚程おっさんに渡して店を出る。
「お、お客様!多すぎです!後二泊分だけで結構ですから!とりあえずお釣りを 一「いいよ面倒だし。」……わかりました。ありがとうございました。」
アリサ「おきゃくさまありがとうございました!」
一「いや、また今度来た時に泊まるかもな」
と、こんな感じでこの2人と別れた後はうpとの待ち合わせ場所である最初の町のうぽつ(店の方)に飛んでいく。この時になんか色々人に見られたがスルーだ。
そして、うぽつ店前にに着くとそこにはもうすでにうpが立っていた。
一「おーい、待った?」
うp「そうだな、たしかゲーム時間で換算するとおおよそ13時間ちょい程待った計算になるな。」
うpの発言がグサっと俺の心に刺さる!完全に俺が悪かったしな。
一「す、すまん……」
うp「いや、いいぞ?一が寝ている間俺も色々調べたしな。」
一「そ、そうなのか?」
うp「ああ、鍛造とか鋳造とかを少しな。」
なんで?そう思い聞くとスキル【生産】の鍛冶が原因らしい。
なんでもかなりリアルに鍛冶をやるそうで一から作るにあたって実際にやってみてもクズの剣しかできないらしくいっそリアル知識でも!と、そう言いう思いでやってみるらしい。
一「そうか……頑張れよ。」
うp「ああ、頑張るよ。……あっ、そうだ。」
一「うん?どうした。」
うp「ガチャのアレだよ。食材とか。」
一「ああ、そうだな。で、どうする?ここでやるか?」
ここは一応店前だ。最近色々とダンジョン関係でかなりの人が来る様になって嬉しいやら悲しいやら……とまあそんな感じで今もボチボチの人が集まっている。なんならちょっと並んでいる。……おかしいな。オープンって看板あるのになんで並んでんだ?多少進んではいるが……
うp「いや、一応クランの寺でやるか。ちょっと人多いし裏口から入るぞ。」
一「あいよ。」
そうして俺達は裏口から店の中に入りクランの寺へ向かう。
一「いやー懐かしい……って言っていいのか?」
うp「いや、できたのちょっと前だからな?」
と、俺が懐かしがっていると人が入ってくる。
「すみません。領主様ですか?」
中に入って来たのはここの領民の1人でいわゆる執政のセイキョウと言う男だ。……え?いつ領主になったんだって?
いや、冷静に考えて昔のアイのクランの説明を思い出してくれ。
そう、俺はクランのマスター。そしてここはクラン専用領地で領地とは所有し支配している場所の事であり、支配される人が領民である。……と言うのを俺が忘れた時にアイから聞いた事なんだが……まあ、要は俺がクランマスターで領地には領民がそれなりの数いる。と言うだけの話だ。……まあ、俺もいつからいた。とか何人いる。とかはあんまり知らない訳だが……
閑話休題
まあそんな事は置いておくとして話を聞くとどうやらクランのダンジョン途中に行く途中にある領民の店とかダンジョンに入る為の金(人が相当来たのでこのクランの商品を何か一つ買ったら入れる。と言う風にしていたのだがうpとモブAだけでは商品が足りなくなったので急遽1人10,000ルク支払ってもらう事にした)の利益の2割を我々に献上してくれるらしい。
いやー、本当に領民達が優秀で助かる!うぽつの店番もやってくれるし!大量に来たプレイヤーも適当に列にしてくれるし!
セイキョウ「はい、これがその献上金の2480,000マルクです。どうぞお数えください。」
ふむふむ、今俺の目の前には大量のマルク紙幣が……
一「え?二百四十八万マルク?」
うp「おいおい……本当か?」
「はい、今まで来場されたお客様が1240名で1人1万マルク支払っていただく計算になります。そこから領民に渡す分を引いた額が領主様の取り分となりますのでその様な額になりました。」
お、おお、ダンジョンの商売って結構ボロいんだな……
セイキョウ「そして、それと一つ申し上げたい事がございます。」
一「えっ、まだ何かあるのか?」
「はい、領民からの税にございます。」
え?俺……税の設定とかしたっけ?
一「いや……俺確か税を決めてなかったと思うんだが?」
セイキョウ「はい、そのとうりでございます。ですからある程度は決めていただけると助かるのですが……」
一「ふむ……例えば?」
セイキョウ「そうですね……我々領民は余りお金を使わないのでそれ以外から回収するのが良いかと……」
うp「え?どうして金が使えないんだ?」
「はいうp様。説明させていただきます。我々領民は生活に関しても、例えばクワが破損して新たな物が欲しい。と、このように足りない物資があるならそれはクワを作る者と欲しい者とでの物々交換によるトレード、つまりは今の領地では物々交換で生活が完結しております。従って他の領地からの物資が有る場合はともかく今の現状では必要としないのです。」
うpの事はうp様って言うんだな……領主の友達的な感じって思われてんのか?まあいいけど……
一「そうか……ちなみにどれくらいなら困らないと思う?」
セイキョウ「はい、収穫物の5分程は構わないかと。」
五分……5%か。まあ、それくらいなら大丈夫だろう。
一「わかった。では次から税を収穫した物の5分取る事にしよう。……で、いつから?」
セイキョウ「はい、今は青月の核の時期ですから次の末の時期からでよろしいかと。」
一「あ、ああ。わかった。」
せいげつ?かく?まつ?なにそれ?一応頷いといたが実際知らんのだが……
うp「コソッ(おい、せいげつってなんだ?)」
一「コソッ(わからん。後で調べる。)」
セイキョウ「領主様?どうかなされましたか?」
一「いや、なんでもない。用事はそれくらいか?」
セイキョウ「はい。以上です。」
一「わかった。次も頼む。ありがとうな。」
セイキョウ「い、いえ、私には勿体無いお言葉です。それでは私は生姜畑に行って参りますのでなにかございましたらいつでも待ってますので、それでは失礼します!」
そう言って生姜畑に帰って行ったセイキョウ。……なんであいつ生姜畑なんだろう……
閑話休題
その後、俺達はガチャで溜まった食材やら素材やらを交換していった。
はい、後書きです。
と言うわけでこの設定覚えている人はいるのでしょうか。領民です。まあ、詳しくは48話をご参照ください。多分そこに書いてあります。
次回、一と領民のであい……いや、ここでやっちまうか。
おまけ、領民との出会い(簡潔)編
一「さて、クランの寺にでも行ってみるかな……ん?寺の近くに農村ができてる?行ってみるか。」
領民1「おお!領主様!」
領民2「我々はここに住んでいた領民です!」
領民3「みんな!ちょっと待て!セイキョウを呼べ!領主様に話が伝わってなさそうだぞ!」
セイキョウ「私が領主様のお手伝いをさせていただきますセイキョウと申すものです。なんなりと御指示をお願い申し上げます。」
一「お、お?……わかった!今日からここの領主となる一だ!皆よろしく頼む!では解散!」
領民達「はい!!!」
一「どう言う事だ?アイ!説明して!」
アイ「はい!新しく住民が来たんですね?おめでとうございます!クラン専用領地の領民を獲得しましたね!それでは領民との交流頑張ってください!」
一「え?終わり?え?」
次回!(また)魔法強化編!
追記、ログイン時の場所の設定を少し変更しました。




