137話 浪漫<性能
4〜5月に起こった事
① 繁忙期
一「おい主、ちょっと手が足りないから手伝え。」
主「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ……………」
②新しい試み
主「うおぉAI絵で挿絵作れるって!? やってやるぜ」
数日後
ジョー「できた?」
主「無理でした。」
③椎間板爆発
華「あれ? 兄さん、主さんは?」
昇「アイツは1日座りっぱなし作業中何となく立ち上がった瞬間腰が爆破したぞ。」
④(今日)免許更新
主「やべぇ免許更新後ちょっとだ!」
アイ「乗ってください!」
主「いや自分で行くから……」
アイ「それでは、少々お待ちくださいませ!」
アイに仮面を渡し、調整を任せる。
一「さて、まずは何から試そうか。」
新種族に新装備。やりたい事は色々ある。
何から始めようか。そう考えていると、一つのメッセージが目に入る。
一「モブAから?」
中身を見ると、どうやらいきなり俺がパーティから消えたらしく、帰ってきたら連絡が欲しいとの事だった。
一「あー……そう言えばいきなり消えたな。」
とりあえず大丈夫、レベル上限になったらお祝いがあっただけだったと言う事をメッセージで送る。
一「これでよしと。」
連絡は済ませた。
次は何をしようか、ステータスを眺めながら考える。
一「うーん……一旦現人神の種族特性を考えるか……」
現人神の種族特性を見ながら考える。
【現人神】(神に至りし者) (【人間系種族特性×3】)(人間系種族特性×3】)
これらの人間系種族特性×3を考える。
一「うーん……とりあえず、経験下手を消す特性は必要だし、後はどうするか……」
とりあえず経験上手の上位互換である経験豊富は入れ……いや、別に戦闘中は要らないし、別にいいかな。
一「となると……うーん……とりあえず色々見てみるか……」
人間系種族として、当然ながら人間や、勇者や王、他にも聞いたことのない様なものもある。
一「戦士、狩人、僧侶、魔法使い……種族じゃなくて職業だろこれ。」
変わり種としてパン屋とか鍛冶屋ある……誰がなるんだろうか……
とまあ、そんなこんな見ていく中で、明らかに俺に適している種族があった。
それは種族【賢者】。
どうやら種族【人間】から1段階進化し、【魔法使い】となり、その後魔法系の種族へ数回進化、派生をした種族になる。
種族の特徴として、魔法の威力上昇、HPMAXでINTが上昇等、魔法を使う事に関しては随一で、他にも魔法に3種類の属性を常時付与や召喚する数を追加なんかもある。
一「うーん、まあこれの3つかな。」
しかし、俺はその中でも、「魔法変換」と「魔法効率化」と「複色魔法強化」この3つに目をつけた。
魔法変換は、自分で好きな様にスキル【魔法】を自由に変化させる事ができ、また変化している魔法を元の魔法に戻す事ができる。
魔法効率化は魔法の消費MPを10%と10軽減、再使用可能時間40%減する。
副色魔法強化は使用する魔法の属性の数が3つ以上の時、属性数×ダメージ+15%、5つ以上なら属性数×ダメージ+20%する。
一「普段は効率化で消費MPを抑えて、たまに魔法変換で遊ぶ感じかな〜……で、いざという時に複色魔法強化を……ちょっと待てよ。」
もしかして同じ種族特性も選択できたり……
【系統種族特性選択で同じ物は選べません】
あー、ダメか。残念。
とりあえず、魔法効率化と複色属性強化を選択する。
一「とりあえずこれらの効果が3倍されるのか? まあ、なんにせよ、試してみたいな。」
俺は新たな種族特性のため、とりあえずとある場所へと向かった。
さて、街の外で戦う草兎だと耐久不足、土砂崩れ鰐はもう狩られまくって気づいたら居ない。
クランのダンジョンだと瞬殺されてしまう場合がある。特に理兎はダメ。瞬間移動してくる弾丸みたいな存在だからな。
さて、そんな中、どこで安全かつ確実に色々試す場所があるというのか。
「まいどあり!じゃあごゆっくりお楽しみ下さいねー!」
一「あいよー。」
俺は、冒険者ギルド内の施設、少女が運営する戦闘用記憶復元室に到着した。
一「うーん、何にしようか。」
1枚100マルク、10枚950マルクで購入できる紙に、戦いたい魔物の名前等を書き、シュレッダーの様な機械の中に投入する。
一「とりあえず土鰐にしようかな。」
遅い、硬い、そこそこでかいの土鰐だ。色々試すにはもってこいだろう。
紙を投入すると、戦うかどうか選択画面が出るので、はいを押して光を放出する隣の部屋に入る。
一「うん、ちょうどいいな。」
どこにこんなスペースがあるんだってくらい、ギルドの数倍の面積を誇る広大な……白い、まるで格闘ゲームの練習場みたいな場所に出る。
「グギャア!」
一「おっと危ない。」
中央に居た土鰐は石の塊を口から撃ち出してくる。それに対して俺は避けるために羽翼を広げ、空中へと逃げる。
一「土魔法の石玉か? ……確かそこまで土鰐のINTは高くなかったはず。」
試しに一度喰らってみる。ダメージは……0か。衝撃も無い。
基礎的なステータスに加えて、種族特性(天の羽)の効果によって更にダメージは軽減され、無効化された様だ。
「グギャッ!」
一「さて、お次はこっちの番だ。ライトバレットっ?」
お返しとして、俺はすかさず光魔法で使い慣れた光弾を撃ち込む。
光の弾丸10発が、土鰐の頭に命中、平均400ダメージを10発分を受けて、土鰐は当然絶命する。
一「え、弾数増えた?」
ダメージは基本威力が819、そこから光の叡智で2倍、魔の翼で2倍、基本ダメージ補正で10/土鰐のMND80程度、なので400前後がダメージとなる。
しかし、そんな事はどうでもいい。重要なのは、弾数だ。
一「今まで5発だったろ。」
弾数が倍、単純だが今までの倍火力が出る。
どうやらスキル【魔法】のレベルが100まで行った事で、どこかのレベルでゆっくりと増えるはずだった弾数が一気に増えていた。
一「弾速とか再使用可能時間とかはわからないし、実質ダメージと弾数、そして効果が増えるとかしないと気付かないよなぁ……」
おそらく強化はされているんだろう、気付かないだけで。
閑話休題
一「消費MPは0、更にほとんど一瞬で同じ魔法が使える様になる……もしかして最強か?」
とりあえずもう一度土鰐を出しながら考える。
一「さて、次は複色魔法強化だな。」
まずは3種類の属性をする。
一「そうだな……とりあえずフォースグラント光と……複合属性の魔法でいいかな。」
俺は自身に光属性を付与し、魔法を放つ。
一「くらえ! 溶岩砲!」
灰色魔法に属し、火属性と土属性を持つ溶岩魔法の一つ、溶岩砲を発動。
手からバレーボールサイズで光り輝く溶岩の塊が発射され、土鰐に命中。
土鰐「グゲギギギギギ」
一「うわっ……」
約120ダメージの継続ダメージが土鰐に与えられ、土鰐はドロドロに融解されていった。
いや見た目結構キツイって。昔やった時は土砂崩れ鰐に向けてやった時はこんなんじゃ……いや、あの時はゾンビ映画さながらスプラッターな見た目で普通に襲いかかってきただけだったな。
一「というか溶岩魔法でやるんじゃなかったな。」
ダメージは増えてるのだろうが、その上でよくわからない。何より直視したくないから結果が見れないし……
そんなこんな繰り返し、複合属性強化を試した結果、一つの結論に至る。
一「これ勇者の全属性強化の方が強いな。」
複色魔法強化は6属性でダメージが2.2倍、一方全属性強化は属性毎に1.2倍するので6属性で約3倍。
更に複色魔法強化は3属性以上の魔法が条件に対して、全属性強化はそんなものはない。ノーリスクだ。魔法じゃなくてもいいし。
一「うーん、勇者が強すぎるんだよなぁ……」
これは残念。
とまあ、種族特性の検証はあらかた済んだので、次は装備の検証に入る。
一「と言っても、貰った武器だけだけども……」
俺がLV50になり、アイから貰った、俺を模した武器。天魔の道具「Rein_Zwei_Flügel」……長いので天魔具にしようか。
それを取り出し、もう一度性能を確認する。
天魔の道具「Rein_Zwei_Flügel」LV1
(STR+50)
「モードチェンジ-飛翔」使用可能
「モードチェンジ-光闇」使用可能
「悪魔で天使な人」使用可能
一「うーん……やっぱりよくわからんな。」
モードチェンジはうpが使っているものと同じなら分かりやす、いや無理だな。
一「とりあえず使ってみるか。」
土鰐を呼び出し、一度部屋に入る。
土鰐「グギャア!」
いつもの様に攻撃する土鰐をスルーして、俺はとりあえず技を使ってみる事にした。
一「よし、とりあえずわからないやつから行くか。」
まずはわからないやつから。これは定番だ。
俺は、天魔具を掲げながら叫ぶ。
一「悪魔で天使な人!」
すると、天魔具は空中へと飛んでゆき、光を放つ。
一「うおっ!」土鰐「ググッ!」
天魔具は光を放ちながら、ゆっくりとその姿を変えてゆく。それはまるで人の形に……!?
一「おいおいおい! ちょっと待て!」
人の形に変形するのは白黒、黄紫、等々はあるので問題は無い。が、しかし、あれは違う。
土鰐「グ 一「悪い!雷麺!」」
今ちょっと検証してる場合じゃないので一旦土鰐には退場してもらう。
それはどんどんと、見慣れた、姿へ変わって行く。
天魔具は、1人の少年がそこには立っていた。
「初めまして! 一様!」
一「ああ……ああ……初めまして……初め……まして……」
その少年は、白と黒のローブを羽織り、白い髪、そして深淵を思わせる深く黒い目をした少年が、笑顔で語りかけてくる。
「どうかしましたか、一様? 」
一「……悪い……ちょっと、ちょっとだけ待ってくれ……」
心が動揺している。ああ、こんな気分は久しぶりだ。
そこには、かつての、小学生の自分の姿がそこにあった。
【急激な心拍数の増加、異常な精神動揺を確認しました】
【セーフティセキュリティにより一度ログアウトします】
はい、すっごい間が空いてしまいました。
本当によく去年は4〜5月投稿できたもんだよ……
さて、それでは。
昔の自分がそこにいる時、貴方はどうしますか?
次回、消えない深淵