133話 仮面
1月1日
ジョー「今年は僕の年だ!」
一「卯年だからってはしゃぎすぎだぞ。」
昇「まあ、今年はいいんじゃねえか?」
ジョー「そう! ……で、主は?」
一「ああ、あいつは某病の二次接触者になって、それとは別に普通に体調崩してるぞ。」
アイ「そうなのですか?」
ジョー「うーん……なら仕方ない。 ちょっとみんな集まって。」
一「はいはい。」
「「「「新年明けましておめでとうございます! これからもこの作品をよろしくお願いします!」」」」
「おお、一さん!」
一「ん?」
とあるイベントが終了し、次の日。
いつものようにログインし、クランの工房で作業をしている所で、声をかけられる。
「一さん! アンタのおかげで無茶苦茶儲ってるよ! ありがとうな!」
一「ああ……そいつはどうも。」
話しかけてきたのは……ああ、クランの領民か。
「しっかし、あの、いべんとっちゅうは凄いな! 普段から余る作物があっというまに消えたぞ!」
一「ああ、それは良かった。ちなみに貴方方が食べる分は残っているのか?」
「それはもちろんだな! はっはっは!」
作業場に笑い声がこだまする。
「おっと、そろそろ帰らねえとな。嫁さんに怒られちまう。」
一「そいつは大変だな。さっさと行った方がいい。」
「ガハハ! そうだな!」
領民と別れた後、すこし前に相談された事を思い出す。
事はイベント前日、クランの領民代表、セイキョウからの話を受ける。
曰く、モブ組の道具、技術によってクラン領地内で産業革命が起きていると言う事。
曰く、作物の収量が桁違いに増加している事。
曰く、クラン内で使うにしても余ってどうしようもないと言う事。
どれくらい余るかと言うと、1番小さい面積で作っているラッキョウが1日で家程の量が取れるとかだ。はっきり言って消費が追いついていない。
更にはうpがそこそこ安定した肉の供給をしている為より一層消費が少ない。
このことについて相談を受けた俺はとりあえず、片っ端から伝手を当たり、なんとかイベントに便乗して販売する事に成功した。
……ここだけの話ちょっと多めにイベント用資金を渡した結果かなりよい立地でイベントを開催する事になり、結果クランとしてはむちゃくちゃ儲ける事になったのは別の話。
閑話休題
一「まあそんなこんなで安定した販売先が見つかってあっちもこっちもラッキーって感じだな。」
そんな事を言いつつこっちも作業に戻る。
今日の作業は、単純に自分と仲間用の装備の加工を行っていた。
……まあ、うん。正直俺がまともに生産系のスキルを利用する事はほとんどないとは思っていた。
だがしかし、1週間前とある事に気がつき、実践をしてみた結果。
スキル【生産】より、 付与 が追加されたのだ。ありがとう夢の次元。ありがとうジェノサイド。
ちなみに細工はこの世界だとアクセサリー系作成が基本だし、モブDが凄い技術を持っているので取ってはない。
とまあ、そんな訳で、装備を加工している最中だ。……実は今まではモブAが兼任していたそうなのだが、付与はやってて楽しく無いそうで、できる事なら変わってほしいと言われた。
閑話休題
やり方は簡単。夢の次元と同じ……まあ、設備は若干違うけど、やる事自体は一緒だ。MPを消費して効果を3つ付ける。
まあ、効果内容は結構違うしステータス変化もあまりなかったりするけど。
一「さて、皆の分の付与は終わらせたし、ちょっと休憩するかな。」
ひと段落終え、すこし休憩を挟む事にした。
とりあえず最高級のMP回復ポーションを飲む。
一「うーん、マズいな……」
戦闘中には効果が無い上、ドブのような味がするものの、MPは即全回復するという代物なので飲み得なのだ。マジで下水道の底みたいな味がするけど。
一「違う飲み物……あ、無いな。買いに行こう。」
一旦工房を出た所、二つの影が見える。
アイ「一さーん!」
モブC「できましたよ!」
どうやらアイとモブCの様だ。
今回モブ達とアイには装備の作成を行ってもらった。……というかアイは話している時に自分も作りたそうにしていたので作ってもらう事にした。アイの創作を行うシーンが想像つかない。何を作る気なんだろうか。
一「おお、2人ともありがとう。」
まずはモブ達がそれぞれ作ってもらった物を渡してもらう。
モブAから金属製の超巨大な白盾と黒大鎌。
モブBから白色の鎧付き黒ローブ。
モブCとDから宝石付きの木製の黒い長杖と短杖。
モブEから灰色の靴と黒い苦無。
モブFから七色に輝く最高級のMP回復ポーション。
モブC「以上ですね。それでは!」
モブCが渡した瞬間どこかへ走っていく。
一「えっ……早っ……」
せめて感想くらい言わせてよ……
閑話休題
アイ「私からはこれです!」
アイからは……なんだ? おそらく構造的には仮面っぽいが……
一「アイ、これは一体?」
流石に全くわからない物を渡された為思わず聞いてしまう。
アイ「これは残忍と平和と無情と思想という、私オリジナルの特殊なお面です!」
えっへん! という声が聞こえそうな程ドヤ顔をするアイ。いや、わからないんだけど……
一「ま、まあ……とりあえずお面って事だな。」
手に持ってよく見る。
それは、黒い、仮面であった。
どこか見ていると不安を覚えてしまう様な見た目をしている。
一「さて、性能は……」
鑑定をして、性能を確認する。
【残忍と平和と生存と思想】
装備可能
キマイラ【オリジン】
追加種族特性
(隠蔽虚実) (調和共存)
(無情忍耐) (知恵選択)
(成長する魂) (経験下手)
……? え? いや、え?
一「あの、アイ? これ、もしかしてヤバい代物だったりしない?」
まあ、決めつけはよくないのでとりあえず効果を確認していく。何事も確認が大事だ。
一「もう一回鑑定して確認だな。」
もう一度鑑定、俺はついている種族特性を確認する。
まず、この種族特性は羽翼の様に、常に発動するタイプの特性である。
(虚実隠蔽)は自身の持つ種族特性を5つまで減らし、減らした数だけ自身の持つ種族特性1種類を増やす。
(調和共存)は自分の持つ種族特性を1種類、パーティ全員に持たせる。自分はパーティ1人の種族特性を持つ。
(無情忍耐)はパーティ全員の被ダメージを20%減らし、受けたダメージの数値分パーティ全員のHPを増加する。戦闘後HPは元に戻る。
(知恵選択)は自身の与ダメージを最大25%まで減らし、その数字の倍になる様にMP消費量をn%減らす。
(成長する魂)は自身の持つ種族特性の数×10%経験値とスキル入手率を増加させる。また、増加分が100%になる度種族のステータス補正の数値を全て0.1づつ増加させる。
(経験下手)はスキル入手率を10%減らす。
一「いやヤバすぎだろ! マジかよ!」
アイ「うわっ!」
嘘だろ! 強すぎる! もうダメでしょ! 全部壊れてるって!
まず(隠蔽虚実)、種族特性増やすもヤバいし減らすもヤバい。俺の経験下手2つを減らして適当な種族特性を重複させるのも強いし、さらに状況に応じて種族特性を減らしても相当強いと確信を持っていえるだろう。普通にヤバい。
(調和共存)は例えるならうpに翼が生えたりする物だ。俺の種族特性は割と単体でも強い物ばかりなので、それらをデメリット無しで付けれるのはかなりヤバい。後普通に仲間の種族特性をもらえるのもヤバい。
(無情忍耐)は単純に被ダメージ軽減が強いし、HPの増加も草兎の紅葉と同じシステムなら自傷でも発動できる分うpやうぽつでよりステータスを増加させることもできる。一見地味だけどヤバい。
(知恵選択)はダメージが減る代わりに回数を増やせるといった感じだろうか。といえば、あまり強そうには聞こえないが、俺には黒魔法と藍魔法がある。これら2つはMP消費量が減れば減るほど冗談みたいな性能になっていく。という訳でヤバい。
(成長する魂)はシンプルに種族特性が多いキマイラと相性が良い。本当に良い。単純に経験値を倍近く貰えるのはヤバいしスキル入手率もある程度上がるのが強い。ヤバい。
結果的に、この装備はヤバすぎイカれてる!
という事がわかった。
一「アイ、これ大丈夫? 強すぎない? 大丈夫?」
アイ「一さん? 大丈夫ですよ? 別に強すぎてチート疑惑かけられるとかは無いですよ?」
いやヤバいって。圧倒的なまでにオーバーテクノロジーだから。いつか仮に作れるとしてもやりすぎだから。
一「まあ……でも、ありがとう。嬉しいよ。」
アイ「やった! ……ああ、すみません。少し興奮しちゃいました。」
なんにせよ可愛いからヨシ!
その後の研究にて。
この仮面は装備の追加種族特性も増減させる事が可能な事が判明した。
また、装備の追加種族特性も経験値等の増加につながる事が判明した。
一「……俺は果たして何を目指しているんだろうな。」
はい、本来は1月1日に投稿しようとしていた人です。どうしてこうなった! どうしてこうなった!
はい、ちなみに感染はしていません。よかった。
さて、今回の内容ですが。
今回結構ヤバい装備が一さんに渡されましたね。果たして一君はどこに向かっているのか。私は何を目指しているんだろうなと。……これ前も言った気がするな……
さて、
次回! 最強!




