表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/152

131話 武器とは

主「あなたの武器は何?」

一「魔法だな。」

昇「この銃だ!」

ジョー「この拳と脚さえ有れば武器はいらないね!」


 頭に振り落とした後鈍痛の中考えた末、一旦外に出て背中や翼あたりを叩かせる事にする。


 一「痛く……ないな。」


 装備によるDEF上昇、基本的なSTRの低さ、そしてダメージを極限まで減少させる事で、ほぼほぼノーダメージで叩く事が可能だ。

 これで回数は稼ぐ事ができるため、効率的になる……筈だ。

 これがダメージ依存ならやり方を変える必要がある。実験も兼ねて試すのだ。


 一「ついでにまとめてやってしまうか。」


 長杖と短杖、適当な魔導書を7つずつ魔導武装で装備し、俺の体を叩いていく。


 一「この……本に殴られる感覚は独特だな。」


 カバー部分で殴っているのだが、弱いチョップを受けているようだ。痛くはない。


 一「とりあえずは継続だな……」



 そうして、自分に対する攻撃を続けること30分。


 俺は、一つの結論へと至る。



 一「暇すぎる……」


 やる事が変わらなさすぎる上に30分に1回の回復。

 さらには痛みもほとんどない。


 あまりにも退屈だ。


 一「これは……何か違う事で気を紛らわせたいな。」


 暇つぶしをしなければ退屈で眠ってしまいそうだった。


 そこで、まずは殴っている魔導書に目をつけ、本を読んで気を紛らわせようとした。

 適当な魔導書を手に取り読む……残念ながらどこの言語かわからないので読めない。

 今度は一旦砦に戻り買ってきた参考書を取ってきて読む……ダメだ。さっき見たせいで大体覚えてる。


 一「ふむ……本はまた今度にしよう。」


 今度暇つぶし用の本でもいくつか買っておくとしよう。


 一「じゃあ何しよう……」


 俺は攻撃を受けながら考えていくと、次は攻撃する武器が目に入る。


 一「うーん……じゃあ、一旦婆さんから貰った武器でも試してみるか?」


 婆さんから貰った武器は4つ。


 銀色で1.4m程の長い杖、同じく銀色で30cm程の短い杖、そして、


 一「このよくわからない白と黒の玉だな。」


 一言で説明すると、野球玉程の大きさでゴムボールの様に柔らかい、色違いの球体だ。


 婆さんによるとどちらも「魔道具」という種類の武器らしい……太極図みたいなものか?


 白い方は6つに分裂し自分の周りを浮遊、自動で攻撃とか遠距離攻撃の迎撃を行うらしい。


 一「ただどうやって動かすんだ?」


 とりあえず装備をしてみる。するといきなり玉が空中に浮き、6つに分裂。自分の周りを浮遊する。


 一「うわっ!」


 ……思わず驚いて攻撃していた武器を落としてしまった。俺は再度浮かせて攻撃する。


 一「ああびっくりした……で、この白玉はどうやって攻撃するんだ?」


 俺は適当に周りの木に対して白い玉がぶつかって攻撃をするイメージを行う。


 すると、白い球から謎の白い弾丸が出てきて対象の木を撃ち抜く。

 当たった部分からは白い煙と共に焼ける匂いが漂ってくる。


 一「おぉ……なるほどな。そういう感じか。」


 というかこれ自動攻撃か? と思っていたが、近くに寄ってみるとそこには焼け焦げたトカゲの死骸が1匹。


 一「……これを狙ってたってのか?」


 その後も検証する事数分、どうやら生物がいる場所に攻撃と判断するとその方向に向けて……というかその生物に向けて攻撃が発射されるというものだ。ダメージ量はわからない。


 一「ダメージ固定かステータス依存か……まあなんにせよ妨害には使えるかな。」


 ダメージがほぼ0に近くても鬱陶しいだろう。


 一「こっちはこれで良いとして……この黒い方は確か……」


 たしか婆さんによると、俺の思う様に、魔力を流して自由自在に元の物を再現する武器というらしい。


 一「まあ、試してみる事には始まらないよな。」


 俺はとりあえずかるーく流しながら普段持っている武器を思い浮かべる。


 一「さーて、どうなるか……」


 ……段々と形状が変化して、そこには普段愛用の太極図の姿がそこにあった。


 一「おいおい、マジかよ……」


 もし仮にこれが本物の太極図ならとても強い武器になる。

 俺はこれを本物か確認する為、空高く投げ、叫ぶ。


 一「それは全てを守り、これは全てを破壊する!」


 上空へ投げられた太極図は!

 ……そのまま落ちてくるのであった。


 一「あ〜……マジか……」



 しばらく試すこと6時間。白玉にも俺を攻撃(物理的に)させ、俺はなんだかんだ楽しみながら検証していった。


 一「うおおお!」


 この黒玉、見た目を変化させてもステータスやできる事が増える訳ではない。

 例えば剣を作ってもSTR等に補正が増える訳でもないし、特殊な武器を作っても技が使える訳でもない。


 この武器の真髄、それは、魔力さえ流せば本当に何にでも変化するという点にあった。いやマジで。


 俺はこの黒玉で何が再現できるかを検証した。


 まずは先述した剣や槍、そして他にも弓や簡単な銃も作る事ができた。

 最も、弓用の矢や銃用の弾丸は作る事ができなかったから撃てないのだが。


 閑話休題


 そして、次に試した武器、それはゲーム内には存在しない様な、変わった武器? 達だ。


 例えば釣竿や折り畳み鎌の様なちょっと複雑な物。


 再現可能。


 チェーンソーやなどの小さな機械。


 再現可能。


 5mを超える巨大な鎌などの大きな物。


 再現可能……というかここまで来ると再現というより作成の域になってくる。


 そして、木材の粉砕機やトラックなどの大きな機械。


 ……再現可能。


 文字通り、なんでも作る事ができたのだ。

 本当に、俺が知っていて、かつ、魔力さえ流せれば、なんでも作る事ができるのだ!


 一「いや……おかしいだろ……」


 正直ちょっと引いている。

 いや、弱点もあるのだ。


 手に持ってないと魔力は流せないとか動力系のやつとかは魔力を流す量が多いとか遠距離攻撃はできないとか……


 まあ、なんとなく作った巨大な金槌は質量とかも再現されていたから間違いなく強いのは確かだ。

 上空で金槌作るだけで普通は耐えられない。


 変幻自在、化け物級の武器だ。……どうして白玉とこんなに差がついたんだ……


 閑話休題


 さて、それにしても6時間はやり過ぎだとは思うだろう。


 しかし、ただ試していた訳でもないのだ。


 一「よし! 準備完了!」


 このなんでも自由に作れる武器によって、俺はとある物が作りたくなったのだ。

 


 一「よし! 圃場準備完成!」


 俺は、とりあえず武器で周りの木を伐採し、土を武器で耕した。


 ……しかし、今日はここまでの様だ。



 一「あ、ああ……ヤバい、眠い……」


 どうやらタイムリミットが近づいてきた様だ。


 とりあえず体は洗い、適当に寝る様の簡素なローブに着替える。


 一「はぁ〜……」


 ベットに入り、意識はゆっくりと消えていった……



 【Dream Dimension からログアウトします】

はい、後書きです。

今回はちょい短めです。キリが悪かったので……


次回、まさかのあの回です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ