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123話 ∞回復と効率化と時間制限

主「完全復活!」

ジョー「できましたか?」

主「いいえ。」


 一「よし。」


 HP15%、MP10%でナイフを突き刺す事を止める。


 一「ここら辺で辞めておこうかな。」


 なんど回復はしてもしても100%までは行かなかったのでもう諦めて魔力欠乏にならない程度に減らした。


 ちなみに途中から痛みに慣れたので割とスムーズに刺すことができた。


 一「よし、それじゃあ秘策でもやろうかな。」


 俺は秘策を行う為にとりあえず砦の屋上へ向かう。



 屋上へ着くと、そこには例のクリスタルが淡く白い光を発している。


 一「これが転移装置らしいが……どうやって発動させるんだ?」


 とりあえず触ってみる。


 一「……何もな、うわっ!」


 触って数秒、いきなり光が強くなり、目が覚めると……


 一「お、こう言う場所に出てくるのか。」


 そこは、色違いの結晶が7つと1つの扉のある部屋だった。


 一「そして……ここからどう移動すればいいんだ?」


 とりあえず扉を開けると、そこには、以前7つの大罪の面々で集まった円卓があり、卓上にはppが座っていた。


 pp「やあ、元気そうだね。」


 中に入るとppが笑いながら話しかける。


 一「どこ見て言ってるんだよ。」


 ちなみに俺自身は割と血に塗れている。そしてHPとMPは結構減っているので元気では無い。


 pp「アハハ! 冗談冗談。何しにきたの?」


 一「ああ……ちょっと戦闘チュートリアルの場所へ行きたいんだが、いいか?」


 pp「勿論! じゃ、さっきの扉に入って!」


 ppが扉から出るように促す。


 言われるままに扉を開けるとそこは前も見た事のある戦闘チュートリアル場だった。


 pp「じゃ、気の済むままそこを使ってね。」


 と、言われたが……あいにく一瞬で終わる。


 俺はチュートリアル場に置いてある武器箱の横に存在する、透明なコップを持ち、謎の湧き水を入れ、飲む。


 一「……薬っぽい味だな。」


 美味しくはないものの、これを飲む事でHPとMPを回復することができる。


 一「……まあ、ちょっと時間がかかるけどな。」


 飲んだ後数分、俺のHPとMPは全快し100%となった。


 俺は再度扉を開け、また円卓に戻ってくる。


 pp「え? 早かったね。 何してたの?」


 ppは困惑した様子で尋ねる。というか早いのか? 割と呪文一種類とかやる時は一瞬で終わりそうなもんだが……


 閑話休題


 一「ああ、水飲んでた。次はさっきのクリスタルの場所に戻してくれ。」


 俺はとりあえずまたあの苦行をやる為に元に戻る事を話す。


 pp「いいけど……その前に一ついい?」


 一「なんだ?」


 と、ここでppが今までとは違う声色で話す。


 pp「そのダメージ、まさか勇者に付けられた傷じゃないよね?」


 今までとは違う声色で、脅すように言う。……がしかし、全く意図がわからない。


 一「いや、回復呪文を鍛える為に自分でナイフで切りまくっただけだが……どうかしたか?」


 とりあえず答える。


 pp「ほん……え? ちょ、え? 自分で?」


 一「ああ、自分で。」


 沈黙するpp。珍しいな。

 普段はもっと笑ったりしてるのに。


 pp「……いや、君イカれてるね! 最高! いい! いいよ! そう! それならいいよ! 君が帰ったらこの場所を飛ばして直接戦闘チュートリアル場に扉を繋げるよ!」


 急にハイテンションになったppが笑いながらショートカット案を提示する。これはいいな。ここを経由しないからスムーズに自傷回復からの全快が出来る。


 一「それはありがたい。助かるよ。」


 pp「いや! それじゃあ鍛えるの頑張ってね!」


 そう言いながら扉を開けて元のクリスタル部屋を開ける。


 とりあえず元々のクリスタルと同じ色のクリスタルを触る。


 pp「……本当にイカれてるよ。」


 一「うるせえ。」


 えっ!? 聞こえてたの!? という声を聞きながら俺は視界を白に染めた。



 こうして、俺は元の場所へ戻り、

 短剣で血を流しHPを減らし、

 回復呪文をかけMPを減らし、

 また水を飲み回復をする。


 途中ppにドン引きされながらも幾度も繰り返し、しばらくして気づいた時には、


 一「うわぁ……」


 砦の周りが赤一色に染まっていた。


 一「これはちょっと……」


 ちなみに匂いも血の匂いで頭がおかしくなりそうだ。まあ普通は自分に短剣を刺す時点でおかしい筈なんだが……


 一「まあ、気にしないでいいか。」


 正直慣れる。自分で流した分だしな。


 一「よし、やるぞ!」


 俺は慣れた手つきで短剣を左手首に突き刺す。


 一「あー! 痛ぇー!」


 傷が無い所へ最初に突き刺すのはやはり痛い。

 そして、刺した部分から血が流れ出し、HPもそれなりの速度で減っていく。


 一「HPを確認……50%! よし!」


 そして、50%を下回り始めたらリピートデュアルチャージサークルヒールを使い、回復をする。……が、ここで変更点をひとつ。


 一「リー!」

  「デー!」「デー!」

  「「サー!」」「「サー!」」

  「「ヒー!」」「「ヒー!」」


 これは側から見たら異常だが、これは効率化の為に名前を変更した。リピートはリー、デュアルはデー、チャージサークルはサー、ヒールはヒーだ。

 呪文の名前変更は最初に効果だけを見て名前を決めた後、いつでも、なんどでも変えることができるというお得仕様だ。

 というわけで、何回も言うとなるとこういう所で短縮しておくと少し楽になる……気がする。


 一「一旦抜いて……痛え! 」


 ヒールをかけてもHPは減り続けるので一旦短剣は抜く。

 こうしないと割とすぐにHPが無くなるのだ。実際最初の数回は死にかけた。


 回復してHPが大体95%程度、これを何回も繰り返す。


 一「刺して!」


 これを何度も


 一「確認して!」


 何度も


 一「「ヒー!」」「「ヒー!」」


 何度も


 一「抜いて!」


 何度も


 繰り返した。



 何度も繰り返し、数える事も忘れた時、その時は訪れた。


 一「……アレ? おかしいな。 HPが満タンなのにフラフラするぞ?」


 俺は回復して戻ってさあ刺そうとした時、不意に体が倒れそうになる。


 一「これはいつぞやの魔力欠乏に近いやつか? ステータス!」


 そこには【寝不足】と言うステータス異常が書かれていた。


 一「タイムリミットか? とりあえず寝れば治るだろ……」


 俺は、急いで砦を登り、ベッドに眠る……


 一「……いや、こんなベッドにこんな汚れた格好で入るのはちょっと……」


 とりあえず外へ出て服を脱ぎ、ウォーターを浴びた後、ウィンドで乾かし、倉庫の中を漁り、それっぽいローブを見に纏い、寝る。


 一「あー……やわらけぇ……」


 少しフカフカ柔らかいベッドに横たわると、俺の意識は消えていった……



 【Dream Dimension からログアウトします】



 一「さてと……」


 昇「じゃあ食うか。」


 華「いただきましょう。」


 長くプレイしていたので俺とうpは一旦ゲームからログアウトし、現実へと戻り、夕食を用意する。


 ちなみに今日は華ちゃんも帰ってきていた。わざわざ学校からここまで遠いのに……


 一「今回はどうだった?」


 夕飯を食べながら話し合う。今日はパスタだ。各々好きな味付けをしている。俺は


 昇「いやー、夢の中サイコー! ってな。最も、勇者一行は最初の街から進んでないんだけど……」


 一「勇者一行?」


 聞き慣れない……事もないが、このゲームでは聞かない単語だ。


 昇「ああ、ネロ達も夢の中にいるんだけど、そいつらが主軸となって進んでるって感じだな。」


 なるほど……と言う事はそいつらがオン・ドグログラが言っていた大量の勇者の中の主人公って感じなのか。


 一「しかしネロ達か……大魔王によって町を滅ぼされたって言うアイツだろ? 夢の世界はともかく現実はどうしたっての。」


 昇「ははっ、アイツは夢の中では真の勇者だからな……まあ現実でも勇者かも知れねえけど。」


 昇は笑いながら話す。……現実はエセ勇者ってのが一番悲しいからな。


 華「あの……夢の世界とは?」


 華ちゃんが話し出す。……そうか。


 一「華ちゃんは来たこと無いっけ。」


 昇「そうだな……幻次の新しいイベントって考えれば良いのか?」


 一「そうだな。」


 うまい要約の仕方だな。


 そして、簡易的な説明をする。

 現実世界と夢の世界の違いや俺達の状況を……


 華「えっ!? それは……大丈夫ですか……?」


 昇「なにが?」


 一「何か変な事あったか?」


 華ちゃんが急に困惑しはじめる。何か変なことでも言っただろうか……


 華「あの……一さんの立ち位置的な事を……」


 ……あ。


 一「ま、まあ大丈夫、大丈夫。伝えてもどうって事は無いだろ多分。」


 行ってしまった事は仕方ない。次から気をつけよう……


 昇「本当は?」


 一「言っちゃったなぁ……」



 ネタバレしちゃったな……俺が完全に敵側って事を……

はい、遅れた後書きです。

ちょっと土日月に微妙に鬱っちまいまして……

まあ、これからもボチボチと続けますので、どうぞよろしくお願いします……


次回、色々するよ!

……次は遅れないといいなぁ……多分無理だけど……

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