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119話 良い布団と躊躇

主「はあ、疲れたな。1時間くらい休憩しようかな。」

一「ああ、行ってらっしゃい。」

〜7時間後。

主「ふあああああ! おはよう一、今何時?」

一「今12時過ぎ。」

主「おうふ……」


というわけで遅れました。すみませーん!


 昇「おかえり〜遅かったな〜。」


 一「ああ、……お前は早かったな。」


 仕事帰り2時半、すこし遅れて帰ってくると、そこには昇がリビングのソファで寝転んでいた。


 昇「今日と明日は勤務時間2時間だからな。」


 一「なるほどね。納得した。」


 ちなみにこれは明後日24時間継続してとある仕事を行うために始まる前の2日間と終わった後の1日は勤務時間が最高で2時間になるのだ。

 なんの仕事をしているのかって? ……まあ、猟師みたいなもんだな。うん。


 昇「じゃあ早速ゲームの世界に入ろうぜ〜。」


 一「ああ、わかっ……いや、ちょっと休憩挟む。今は疲れてな。」


 昇「あいよー。」


 まあ、そんなこんなで5時にログインした。……いや、もっと早くにしようと思ってたけど、風呂とか飯とか済ませてたらそんな時間になってしまった。

 まあらいつものこといつものこと……



 一「ログイン完……ああ、そうだった。」


 寺の布団で目が覚める。このログインすると眠った場所から始まる仕様がまだ慣れない。


 一「とりあえずアイを召喚してと。」


 アイ「はい! 来ました!」


 ログインしてすぐにアイを召喚する。


 一「後はうpがログインするのを待つだけだな。」


 まあ、待つだけとは言ったが、うpはすぐログインした。


 うp「よし、……ん? ここ寺か?」


 一「そうだな。」


 うpが少し離れた位置でログインするのを見ていると、うpが俺を見るや飛ぶように走ってくる。どうしたんだ? 理由はわかるが。


 うp「おま、一! なに無茶苦茶良さげな布団で寝てるんだよ!」


 一「いやまあ、やっぱりいい睡眠は取りたいだろう?」


 うp「ちくしょう! 俺なんてかてえ床で目覚めたっていうのによお! というかアイまで人間用のシングルサイズの布団で寝る事はねえだろ!」


 アイ「それは……一さんから頂いた物なので、気にしていませんでした……」


 どうやら良さげな布団で興奮しているようだ。気持ちはわかる。無茶苦茶いい布団だからな。


 アイ「まさかうpさんがここまで取り乱すとは思いませんでした……」


 一「まあ、睡眠に関しては俺達妥協しなかったからな。」


 昔2人で本格的にいい布団を買い漁って好みの物を見つけるまで数十……数百万くらい使った記憶があるが、まあそれはそれ、これはこれ。


 ゲーム内でもやっぱり良い睡眠を取りたいらしく、歯軋りをする勢いでこちらを見てくる。怖いからやめてほしい。


 うp「なあ一、俺もお前と血で血を洗う戦いをしたくないんだ、教えてくれよ、その布団は何処で買ったのかをよお!」


 アイ「ご……ゴクリ……」


 うpが右手を機関銃に変えて脅迫をしてくる。怖い。一発で死にそう。


 アイも何が起こってしまうか固唾を呑み、こちらを見る。


 一「まあ、……その布団店は一見さんお断りだから一緒に行こうか。」


 うp「わかった。」


 アイ「あっ、アレっ? そんなにあっさり!?」


 サラッと素の状態に戻ったうpに困惑を隠せないアイ。


 うp「当たり前だ。今ここで戦う意味が無いだろ。」


 一「間違いないな。」


 ちなみにお互いに相性が悪いため戦ったらどっちが勝つとかはわからない。というか相打ちで終わると思う。


 うp「まあ、とりあえず行こうぜ。」


 一「おう。」


 アイ「えっ、あっ、ええええ……」



 アイが困惑する中、俺達は目的の寝具店へ向かう為、歩く中、ある物を発見する。


 うp「おい見ろよ、喧嘩だぜ喧嘩! ……ん? あいつらは?」


 一「物騒だなおい。というかあれはもはや喧嘩じゃ無くて決闘だろ。」


 アイ「怖いですね……」


 冒険者ギルド前、そこで、どこかでみたことがあるような少年2人が互いに武器を持って決闘を行なっていた。


 「うりゃっ! そりゃっ!」


 「遅いね。後わかりやすいよ。」


 少年が果敢に攻撃を仕掛けるも、余裕な動きで躱され、避けられる。


 「右! 右右!」


 「バカかしっかり当てやがれ!」


 ギャラリーも中々の数いる。娯楽にしているのだろうか。それにしてはヤジが意味わからないけども。


 うp「うーん……これ見終わってからにするか。」


 一「そうだな。」


 とりあえず見応えはあるので見ていく。


 片方は木で作られた剣を持ち、独自の剣術を用いて戦っている。スキルの動きには見えない滑らかな動きで攻撃を仕掛けていく。


 もう片方は、木でできた棒を持ち、相手の攻撃に的確に反応をする、ジークの姿があった。というかジークは何やってるんだよ。


 うp「あの少年も悪くは無い動きだけど、やっぱりジークはイカれてるな。人間の動きじゃねえぜ。」


 一「そうだな。」


 相手の行動を予測して回避、これだけなのである。が、できるかどうかは別で、更にはその後に攻撃をあえてしていないように見える。


 ……うん? 今目があったか?


 ジーク「……じゃあ、そろそろ本気出すよ。」


 「えっ」


 そう言うとジークは少年に勢いよく突きを放つ。


 「うわっ」


 ジーク「よっ、っと!」


 間一髪で攻撃を正面から受け止めた少年に、ジークは持っていた棒を放し、お腹にラリアットを仕掛け、少年は後ろに吹き飛んでしまう。


 「うぐっ! ……参りました。」


 ジーク「じゃあ、僕の勝ちだね。」


 笑顔で言い放つジーク。いやあ、やっぱりジークはヤバい。


 ジークのその躊躇なく武器を手放して素手に移行するのに即反応できるやつはほとんどいないぞ。


 そんな事を考えていると、ジークがこちらに歩いてくる。


 「なんだなんだ。」


 「おい、ここに一がいるぞ!」


 「なにっ!? うpもいるぞ!」


 一「あ、もしかして面倒な奴か?」


 うp「そうかもな。まあさっさと逃げよう。」


 俺達は急いで目的の寝具店に 「一さん! 待ってください!」 ……行けなかったな。


 一「ああ、ジーク。どうしたんだ?」


 ジーク「いえ、まあ、その……」


 うp「……なんだ?」


 一「何かあるのか?」


 とりあえず聞いておくか。


 ジーク「いやそれは……いきなり勇者の心得を教えてください! とか言われましたから、とりあえず戦ったらわかる的な事言って適当に戦ってたんですけど……一さんを発見してもうとりあえず適当に切り上げてきました。」


 テヘ! とか効果音が聞こえてきそうな声でそう言うジーク。

 てか勇者の心得教えてとか言われたのか。こんな冒険者ギルドの前とか言う人が集まりまくる所で……


 一「なるほどな。ありがとな。それじゃ。」


 うp「じゃあな。」


 アイ「失礼します……」


 話を効いた俺達は足早にその場を去る。なんでって? 面倒そうだったから……


 ジーク「はい……いや、まあ、ちょっと待ってくださいよ。」


 うp「どうしたんだよ。」


 ジーク「いや、それが 「ジークさん! その人達と戦って勝てば教えてもらえる訳ですね!」……と、このように訳がわからない思考しているんですよ。」


 いやコイツやべえな。戦闘狂って奴か? にしてもイカれてるけど。


 「すみません! 僕の名前はネロと言います! 今から僕と戦ってください!」


 一「嫌です。」 うp「そう言う事で。」 アイ「失礼しますね。」


 ま、待ってください! とか言っているが、正直俺達には戦う理由が無い。


 うp「はあ〜……わかったわかった。戦ってやるよ。」


 アイ「うpさん?」


 一「おい、うpどう言う事だ?」


 思わず聞いてしまうほどサラッと言いやがった。


 うp「2人とも、まあ、ちょっと待ってくれ。ネロ、とりあえずこの3人組代表として戦ってやるからルールだけ教えろ。それともし俺たちが勝ったら今後は関わってくれるなよ。」


 ネロ「わかりました! ありがとうございます!」


 そう言うと簡単にルールを伝えてさっき戦った場所に戻る。



 ルールは単純、相手が気絶するか降参するまで戦う。また、刃物や鈍器などで攻撃するのはダメ(木刀など木製のものなら良い)。


 後はまあ細々とあった気もするけど覚えてない。



 ネロ「それじゃあ、行きますよ!」

 うp「ああ、来いよ。」


 一「さて、ジーク、今後はああ言った輩には近づかない方がいいぞ。」

 ジーク「まあ、どっちかというとああ言った輩が勝手に近づいてきたと言いますか……」



 戦いが始まろうとしている中、周りのギャラリーは興奮し、どちらか勝つかを賭けている者もいる。



 「はじめっ!」


 ネロ「うおおおお!」


 先程と同じ木剣で攻撃を仕掛けようとするネロ。


 振り下ろされた木剣をうpは難なく避け、今度は切り上げを繰り出そうとした瞬間、うpはネロの木剣を踏みつける。


 ネロ「うっ!」


 うp「……」


 そして、次にうpはネロが木剣を引き抜こうとした瞬間に足を離し、ネロは勢いよく尻餅をついてしまう。


 そして、うpは素早くネロの顎を膝で蹴り上げる。


 一「あ、終わった。」


 アイ「え?」


 膝蹴りをモロに顎に喰らったネロは、そのまま意識を失い、その場に倒れ込んでしまう。


 うp「じゃあ、俺の勝ちって事で。一、アイ、行こうぜ。」


 一「ああ。」


 アイ「え、あの、いいんですか? 彼は……」


 路上に倒れ込んでいるネロ。


 うp「ああ、だって気絶か降参だろ? 降参しなかったし、仕方ないよな。」


 一「まあ、死んじゃいないし、大丈夫だろ多分。」


 そういう事で、俺達はさっさとその場を離れたのであった。



 ジーク「お、恐ろしい……」


 「あの、街の自警団なのですが……」


 ジーク「あっ。」

はい、後書きです。

ちなみにネロくんは棒少年パーティ4人組リーダーです。そんな子の顎を膝でぶち抜くうpよほんと……


はい、というわけで、

次回、夢の世界に行きたいそうです。

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