115.5話 一の日常的な朝
はい、日常系前書きです。
私気づいたことがあります。
一さんの日常ほとんど書いてないってことに……
という訳で、せっかくなので書いてみました。
彼は一体どんな日常を過ごしているのでしょうか。
どうぞ、ご覧ください。
一「……朝か。眠いな。」
4月、朝の4時。まだ寒さが残る中、いつものようにベッドから起き上がりながら呟く。
昨日は昇と別れた後自室で色々調べ物をした後眠った為、体に眠気が残っている。
一「まあ、さっさと仕事に行くしかないってな。」
適当に身支度を済ませ、食器を洗い、簡単な朝食をとり、インターネットで天気予報を見て仕事場である圃場へ歩いて向かう。
一「今日は……とりあえず日が昇る前にいつものと……」
家の裏手へ徒歩1分。俺が保有する圃場へとたどり着く。
「一さ〜ん! おはようっす!」
一「おお、龍。おはよう。」
圃場に着くと黒髪黒目の青年が声をかけてくる。
彼は天神龍。年齢は23歳で俺が雇っている唯一の従業員だ。
龍「今日も昨日と一緒すか?」
一「ああ、そうだ。いつもの場所にあるぞ。」
龍「承知っす!」
そういうと走って必要物を取りに向かっていった。
一「さて、俺もやっていくかな。」
俺の仕事場は6aの小、中、大と書かれたシールが貼ってあるガラスハウスが3棟と3aのその他と書かれたガラスハウスが1棟、一反の畑、そして腐葉土やら色々確保する用の山とその他色々を行う山の地下コンクリート倉庫……といった感じだ。
まずはガラスハウスに入る……その前に、ハウスの入り口前に建てられた小屋に入る。
靴を脱いで小屋に中に入ると、そこには小部屋と地下室へと続く階段があり、俺は地下へと向かう。
一「電気をつけてと。」
地下室には色々な物や部屋があるが、俺は壁に立てかけてある黒い合羽と置いてある長靴、そして防護用のメガネとマスク、分厚く大きなゴム手袋、そしてを装着。
装着したらとりあえず階段を上って小部屋に入る。
一「除菌除菌……」
中では消毒液が出るシャワーが備え付けてあり、合羽の上から身体全体を流してゆく。ちなみに顔は無理なのでタオルに除菌液を染み込ませてメガネとマスクを拭くくらいにとどめておく。
一「……よし。じゃあ入るか。」
最初は小と書かれたガラスハウスに入ると、竹で作られた水通しの良い机の上に、小さなトレーに入った様々な種類の種がそこにはある。ハウス内は暖房により外よりは少しだけ暖かい。
一「さて、とりあえず開けるか。」
今日は天気予報で晴れる事を確認していたのでビニールハウスの中に入り、機械を操作して天井にあるカーテンを開けていく。
一「暖房も切って……換気はまだいいかな。」
また、違う機械を操作して暖房を止める。
換気も行いたかったが外はまだ寒さがあるので一旦辞めておく。
一「よし次。」
そして、体を消毒して次の中と書かれたハウスへと入ると、そこには少し成長した先程と同じトレーに入った苗がある。
ここでも同じように天井のカーテンを開け、暖房を切る。
一「そして、セットしてと。」
そこから、天井より下に設置してある、点滴のように水が出てくるチューブに肥料となる自作の化学肥料の必要量を後で入れるために今作成して、ペットボトルに入れて腰掛けバッグに入れる。
一「よーし次々!」
消毒後に次の大と書かれたハウスに入る。
中に入ると、今にも地面に植えれそうな程育ったピーマンなどの春や夏用の野菜や花などの色々な苗があった。
一「今年はちょっと早かったな……やっぱりあの液肥強いな。」
近くにある苗を見ながらしみじみと思う。
今年は病気の発生とかなかったとか、虫害もほとんどなかったとか……
一「まあ、とりあえずここもやってくかな。」
ここもさっきの2棟のハウスと同じように開けていく。また、同じように液肥を作成する。
作った後は同じように腰掛けに入れ、時間を確認する。
一「うーむ、5時半か。ちょっと早い気もするけどやってしまうかな。」
ハウスを戻っていき、靴を履き替えて外に出る。
そして、点滴チューブに繋がっているタンクのところへ行き、少し水を入れた後、液肥を入れて、混ぜながら水を加えていく。
一「この時間が長いんだよなぁ……」
個人的にこのタンクに水を入れる作業が一番長いから改良したいという話はさておいて。
その時間を利用してまた長靴に履き替え、消毒して小のハウスに入る。
ちなみにこの消毒をする訳は、単純に苗の病気対策だ。早い話病原菌を無くせば病気にならないしな。意外といい。
閑話休題
ハウスに戻ったら今度はトレーにホースから水を霧状にして潅水を行う。
霧状なのは苗を痛めない為に、勢いを少なく、かつじっくりと水を染み込ませる為である。
そして、ハウス一つ分をゆっくりと水をやった後、また外へ出て、タンクの所へ向かう。
一「お、もうそろそろ……もうちょっとだな。」
タンクを見るといい感じに溜まっていたのでもう少し待つ。
すると、龍がこちらに歩いて向かってくる。
龍「一さん! 終わったっす!」
一「ああ、わかった。じゃあ後は一時からな。」
龍「承知っす!」
龍が帰宅する。
龍は朝の5時から6時まで、そして昼の1時から7時まで働く契約をして、今日は業務が終わったそうなので、とりあえず帰らせる。
一「……お。どうやら良さそうだな。」
水が規定量まで溜まったので、入れるのをやめて点滴チューブに繋ぎ、水を出してゆく。
ちなみに水は機械で量を調整している為、今から行い、30分ほどで止まるようになっている。
一「さて、じゃあその間に……」
俺は段々と日が昇ってきたのを確認し、換気を行う。
換気方法は、ハウスの横部分が引き戸になっており、それを開けてゆく。
また、同じく天井の窓を機械を操作して開き、循環扇と呼ばれる大型の扇風機を作動させる。
これらを行う事で、ハウス内の空気を効率良く循環させることができると言った訳だ。
一「さーて、時間は……15分か。確か今日は10時にホームセンターに卸すから、それまでに軽トラに積んでおこうかな。」
とりあえずハウス前に軽トラックを運転し、積み込んでゆく。
積む物は、その後は大ハウスからピーマンなどの苗、その他と書かれたハウスの中からじゃがいもなんかの種芋だ。
一「後は……まあ、とりあえずハウス内の草抜きでもしようかな。」
俺は、ハウス内及び合羽を脱いで外のハウス周りの草抜きを行なっていった。
10時、俺は軽トラでホームセンターに向かい、苗や種芋を卸した。
一「大体こんなもんですかね。」
「わかりましたー。」
ホームセンターに卸した後は、草抜きをした草を分ける。……何故かって? そりゃあ……
一「つくしは食べれる。たんぽぽは食べれる。オオバコも食べれる……やっぱり春の雑草は最強だよなぁ……」
この後食べる為である。無料で大量に取れるしな。もうかなりの量取れたので今日は個人的には大満足だ。
一「おかえり。」
昇「ただいま。これなに?」
一「つくしの卵とじ。」
昇「わかった。米はあるか?」
一「ああ、炊飯器から適当に取っといてくれ。」
草を分けていたら昼になったので、一旦自宅へ戻り、飯を食べる。
昇「後は……おお、タンポポの天ぷらか。久しぶりだな。」
一「夕方にはオオバコもあるぞ。」
昇「ああ。わかった。」
今日はやけに草が取れたのでこうなったが、普段はもっと普通に色々食べている。ただまあ、タダだし、自分の所有地なら食べるよね? あ、食べないですか……
龍「お疲れっす! ……アレ? どうしたっすか?」
一「……調子乗ってつくしを天ぷらにしたら失敗した。」
あんまり美味しくなかったんだなぁこれが……
閑話休題
さて、1時からは龍にこの後やっといて欲しい事を山の地下コンクリート倉庫内でホワイトボードに書いておき、龍には仕事に行ってもらい、俺はこの後は小ハウス前の地下室に戻る。
そして、
一「これはこいつと掛け合わせて、こいつはこいつと……だな。」
地下室の部屋の一つ、製薬室に入り、中で薬やらを色々作ってゆく。……まあ、そこまでいい設備でもないので、漢方みたいなものだが……
今回は普段使っている消毒液用の薬、そして、明日使う液肥用の薬の調合を行なっていく。
また、来週に激毒に分類される農薬が必要なので、それも並行して作ってゆく。……いやあ、便利な世の中になったもんだよ本当……
終わる頃には2時前になっていて、とりあえず龍に伝えて家に帰る。
一「さて、今日は一もいないし、一人でやろうかな……」
そして俺は、装置を付けて、ゲームにログインするのだった。
主「ある意味本編です。」
昇「苗メインの農家っているのか?」
一「ああ、普通……ではないかもしれないけど、結構いるぞ。稲の苗とか、いちごの苗とか……最近はわからないけどな。」
主「ナス系の苗とかな。ホームセンターとかでよく売ってる……と思う。」
昇「ほへー……」
一「ちなみに現実世界だったら薬の自作はやめよう!」
昇「どうしてだ?」
主「犯罪です……」
昇「あ、そうなんだ……」
主「そうそう……あ、一、次回予告よろしく。」
一「ああ、わかった。 次回! ゲーム内で主登場!」
主「登場しねえよ! 」




