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99話 天魔妖精 死者草兎

ミゾレ「おお、ここが例の場所かい?」

ジョー「そうだよ! 何食べる?」

主「いや待て待て待て! 何サラッと入ってるんだよ!」

ミゾレ「入っちゃダメとか書いてなかったよ。」

ジョー「そうだよ。 ……という訳で、お饅頭とかあるよ。」

ミゾレ「お、いい子だねぇ。よしよし」

ジョー「ふふふ///……何見てるの? 混ざりたい?」

主「いや……遠慮しておく。」


 なにもなかった砂漠に、それらは現れる。


 それは飛ぶ、勝利の為に

 それは飛ぶ、勝利の為に


 「総員撃て! なんとしてでも今ここで奴を倒すぞ!」

 「了解!」


 「……よし。」

 「行きますか。」

 

 それは天使と悪魔と人を混合した存在

 背には二対の白羽と黒翼が生えている

 身に纏う白と黒の禍々しく神聖なローブ

 白と黒、二つの勾玉が組み合わさった物が浮いている


 それは妖精族の始祖にあたる存在

 背には一対の透き通る白羽が生えている

 身に纏う純白の結婚衣装の様なドレス

 薄緑に輝くピアスをつけている


 「意外と遅いですね。」

 「ああ、ただ少し鬱陶しいな、グラビティ。」


 「弾が当たりません!」

 「くそっ! とにかく撃って撃って撃ちまくれ!」


 飛翔し、理を変え、矢を弾を魔法を、それらの雨を避け、道を捻じ曲げる


 「……さて、今度は。」

 「はい。わかりました。」


 それは不意に前進を止める

 それは突然上へと飛ぶ


 「なんだ?」


 「アビリティアップ、イント。フォースグランデ、闇。」

 「よし、ありがとう。」


 「攻撃が来ます!」

 「考えるな撃て! どの道奴を倒さねば攻撃を避けられない!」


 それは上へ上へと飛びながら強化の魔法を唱える

 それは上へ上へと飛びながら場所を見定める


 「クソっ! どうして当たらないんだよ! お前らと言い! このポンコツバリスタと言い!」

 「ヒィィィっ! 来ます! 来ます!」


 「……ここだな。」

 「そうですね。丁度良さそうです。」


 「来ま 「うるさいだまれ! とにかくうてよ!」ヒィ!」


 「……ライ、メン。」


 さあ、歓喜し、畏怖せよ

 さあ、絶望し、狂乱せよ


 それは生ける者を裁く、救済の光雷

 それは生ける者を誘う、破滅の闇雷


 それは紡ぐ。殲滅、鏖殺の為に

 改良された逃れられぬ黒雷を、それ、は紡いだ


 「いやだ! 死にた」

 「まってく」


 それは瞬く間に敵を、貫き、焼き焦がす。


 ああ、無常。それが常と、当然と

 天魔一体の人の子と原初の妖精は、ただ、飛翔するのみである



 一「え、なにこれ。」

 モブD「多分……一回戦のやつ。」

 アイ「えっ! そんな!」


 嘘だろ!? なんでこんなに厨二病っぽく描写されてんの!?



 大会が始まった後、俺達は大会の待機室? に転送された。

 待機室には椅子やテーブル、ちょっとした饅頭や煎餅などの菓子やお茶の粉、コップや電気ケトルなどがある十二畳程度の部屋だ。


 で、転送後する事もないので自分の番を待つ為に置いてある菓子を食べ、お茶をすすりながら大会の映像を見て談笑をしていたら、いきなり転送。


 その後、俺達は砂漠のど真ん中へ転送。対戦する相手との挨拶をして、自身の砦へ飛ばされた。


 強化型の砦は円形の側防塔の様な形をしていて床から天井まで七メートル、二十四畳のが三階


 一回戦が開始した後、俺は敵を速攻で倒す為、敵の砦の近くへ飛ぶ事にした。


 その時、三門の自動バリスタと人の魔法が鬱陶しいから理魔法の重力(グラビティ)を使って重力を前に向ける事で前へ落ちながら矢弾の進むスピードを遅くし、ついでに敵の砦に落ちるようにした。

 ……まあ、バリスタとかは初速が出ているのか殆どスピードも落ちなかったから避けるしかなかったけど。


 まあ、その後はちょうど良さそうな砲門が無いか探しながら能力強化でINTを上げて属性付与で闇属性を追加。

 

 そしてバリスタの砲門に向けて強化された雷麺で殲滅した。


 その後は待機室に飛ばされてまたゆっくり二回戦まで待っていたが、そこで謎の封筒がテーブルの上に転送される。


 そこに入っていたのが……とても厨二病チックなポエムの様な物だったのだ。


 ポーー「というかほとんど相手視点……」

 アイ「天魔一体の人の子……」


 うぽつ「見てましたけど、一さんの独壇場でしたし、こうなるのも仕方がない……です?」

 モブD「さあ……?」


 と、そんな具合に俺たちが適当に考えているとモブFがボソッと、


 モブF「これ、まさか一さんがやる度にこれできるのか?」


 と、つぶやいた。


 一「ええっ! ちょっと嫌なんだけど!」


 もしそうだとしたら一回戦の様な事をやったら同じ様な事を書かれるって事だよな? それはちょっと……


 モブC「まあ……そうですよね。」

 モブB「でも、どうしますの? 私達は砦内でサポートしかできないですわ。」

 モブE「外に出たら即死する自信しかないよな。」

 モブF「だから耐久に振れとあれほど……」

 モブD「言ってない……」

 モブB「私は振ってますわよ!」


 一「……いや、俺もだけどお前らステータス偏りすぎなんだよな。」

 ポーー「というかバランス型が俺とうぽつしかいないわけで……」

 うぽつ「そうですね……」


 ……モブ達の狂乱組でモブAとモブF以外は耐久に殆ど振られていない。モブAから聞いている話によると、


 モブBはバフ系の魔法を使いながら回復をするためにMNDとAGI特化

 モブCは中距離から弓をパスパス当てて逃げ回る用にDEXとAGI特化、少しSTR

 モブDは……まあ、闇魔法で火力を追求するためINT特化と少しAGI

 モブEは爆弾やら罠やらで戦場を掻き乱す為にDEX特化と少しAGI

 モブFは皆を盾で守りながら敵を毒で削る為にDEF特化に少しSTRとDEX


 といった具合に振られており、それ以外には最低限……モブDとモブEに関しては一しか振ってないらしいのでまともに戦うにはモロ過ぎる。


 ……ちなみにこの話を聞いた時一番驚いた事は弓の仕様だ。あれダメージはSTR参照だけどそれ以外の取り回しや連射速度とかはDEX参照だからDEXをあげた方が強いらしいんだよな。


 閑話休題


 まあ、その為今回は砦内での不意打ちがメインで戦ってもらう。……モブDなんかは1発当てるだけでも敵は重症だろうからな。


 一「じゃあ、とりあえずまた俺が行こうか ポーー「ちょっと待ってください。」……ん?」


 と、ここでポーーが異を唱える。


 ポーー「今回は俺にやらせてくださいよ。」

 紅葉「キュイッ!」


 一「ああ、いいぞ。」

 アイ「頑張ってください。」


 ポーー「ああ、……え? そんなにあっさり?」


 まあ、何かあってもカバーできるしな。


 うぽつ「頑張ってくださいね?」

 モブD「勝算は……あるの?」


 ポーー「え? ああ、勿論。無かったらいかないな。」


 モブF「どんな作戦なんだ?」

 ポーー「作戦? あ〜、一応前も見せてる奴だし、見りゃわかるぞ。」


 え? ……なんだろうか。思い出せない。



 森林が、爆音と血に染まる。


 「「「「ひゃっはー!」」」」

 「キュイッ!」


 さあ、逃げろ。さっさと逃げろ。さもなくば、一匹の大きな草兎と、増える死者に轢かれるだろう


 「はっはっは!」

 「おらおらおら!」

 「どうしたどうした!」

 「止めてみやがれ!」

 「ひゃっはー!」

 「キュキュッ!」


 薄緑と灰色の戦衣装と薄緑の毛皮が返り血で染め上がる。

 だが、そんな事も気にせず突き進む。


 「グギャッ!」


 「うわっ!」


 一人、一匹、関係ない。魔物、人、関係ない。

 全てをその超速度で轢殺する。


 「ひっ! サウンドボム!」


 「「「「「音が俺のスピードに追いつく訳無いだろぉ!」」」」

 「キュキ!」


 圧倒的、絶対的なそのスピードで、ボス以外の全てを殲滅する。


 「フレイムレイ!」


 しかし、快進撃もここで終わり。

 不意打ちによる焼き尽くす光により、増えた仲間は消え去り、今にも倒れそうな一人に戻る。


 「はぁ、はぁ……どうだ!」

 「おお、すごいな。」


 が、気にもとめない。

 まるで、一切の問題がないと言うように。


 「キュキュッ!」

 「ああ、心配するな。問題ない。」


 「それってどういう「ハイヒール」……は?」


 すると、不意に手から橙に輝く光を自身に撃つ。


 「おい、お前……ゾンビだろ?」

 「そうだが。それで?」


 体は少し回復する。回復してしまう。


 「さて、終わらせるぞ。」


 「う、嘘だろ……一ですらないなんて……」


 「血の兄弟。……いくぜ!」「いくぜ!」「いくぜ!」


 「「「ひやっはー!」」」

 「キュー!」


 草兎が草弾で絡めとり、兄弟が敵を討つ。一瞬の出来事であった。


 「「「いよっしゃー!」」」

 「キュキュ……」



 待機室に飛ばされた後、ポーーは俺達に聞いてくる。


 ポーー「どうだった?」

 紅葉「きゅ?」


 ……いや、


 一「お前ら強っ!」

 アイ「お見事でした。」


 モブE「強えwwwマジで強えwww」

 モブC「あの頃とはちがうね。」

 モブF「……あの面倒臭い耐久は何処へ?」


 ポーー「まあ、ステータスの振り方は変えてないから硬いのは硬いんだぞ? ただ紅葉化と血の兄弟のおかげで超速攻仕掛けられるだけで。」


 ダメージを受ける度に速くなるのと能動的にダメージを受けれる奴は組み合わせは強過ぎるな……


 うぽつ「あの、いいですか?」

 ポーー「おう、どうした。」


 うぽつが手をあげる。すると、ポーーもそれに応える。


 うぽつ「イメージ的にゾンビが回復魔法ってどうなんですか?」

 ポーー「うるせえ! 強いからいいんだよ!」


 あ、一番言ってはいけない事を……



 一「お、今度は早いな。」

 ポーー「まあ、だいぶ人も減りましたからね。」


 俺達は転移し、三回戦へと行く。


 一「対戦相手は……ブレイブレジェンド?」


 今回も知らないかな。

 そう思っていると、不意に聞き馴染みのある声が聞こえる。


 「一さん! お久しぶりです!」


 一「え? ……あ!」

 ポーー「ああ、お前達パーティ名変えたのか。」


 モブC「お、すごい戦いになりそう。」

 


 モブD「……うぽつ、ごめん。ちょっと隠れさせて。」

 うぽつ「モブDさん? ……なるほど。わかりました。」



 そこには、前大会で死闘を繰り広げた、ブレイバーズのリーダー、ジークの姿がそこにいた。

はい、少し挑戦しました後書きです。

今回試しに「」に名前を付けずにやってみました。……まあ、書き方は変えますけど、大会の時にはこの「」を無くして書きます! え? それが普通だって? いやいや、これにはため池よりも深い理由が……まあ、いつか書くと思います。

次回! 激突! 主人公VS主人公

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