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93話 工房! ドラック!? 

ジョー「くらえ! ボクの豪速球を!」

主「はっはっは! そんなのあたらな……」

一「なにしてるんだ?」

彩「ドッジボールらしいよ。……主の動き止まったけど。」

ジョー「主? まだ当たってないよ?」

主「……こ……腰が……」

ジョー「あー、痛そう。」

アイ「皆様はちゃんとストレッチをしてからスポーツをしましょうね!」

昇「アイちゃんどこに向かって話してるんだ?」


 うぽつ「ふぅ、それなりに食べてしまいました……」


 うp「そうだな。」


 モブA「一、あれって兄妹揃ってなんだね。全く羨ましい。」

 一「ほんと羨ましいよな。……まあ、そのせいでうpは苦労してるんだけどな。」

 モブA「あ〜、そう言えばうぽつも苦労してたな……」


 俺達は2人がおにぎりを5〜6個程食べるのを眺めながら談話していた。……え? 何が羨ましいかって? あの2人、昇と華ちゃんはかなり食べても太らないって所だ。……まあ、記憶力が災いして普通の人より多くエネルギーを使うし、昇は体を酷使する仕事についているから常に何か食べてないと眠くなるとか言ってたし。恐らく華ちゃんも高校生活中だから記憶の関係で辛いだろうな。


 閑話休題


 そんな感じで休憩をしているとモブCがこっちにゆっくりと歩いて来た。


 モブC「穴はできた?」

 モブA「うん、できたよ。」


 モブCはそうか、それはよかったと言わんばかりの表情を一瞬浮かべた後、すぐに何かに気づいたように慌て出す。


 モブA「モブC、どうしたの?」

 モブC「いやいやいや! おかしいおかしい!」


 モブCが慌て続け、モブAも困惑の表情を浮かべる。


 一「何がおかしいんだ?」


 俺が疑問を問うと、モブCはすぐに答えてくれた。


 モブC「キャラがおかしい!」


 ……ああ、そうだな。確かに。

 普段のモブAのキャラと言えばよく考えよく行動するリーダー、と言った感じだが、今の状態は前にあった時に近い普段(暁彩)の状態だった。


 モブA「……あ! そういやそうだった! ちょっと待って!」


 自分のキャラに気づいたモブAは下に俯きブツブツと何かを呟く。


 モブA「よし、元にもどったぞ。」

 一「よかったな。」



 さて、どうやらモブB、モブC、モブD、モブE、モブFの工房は建て終わった様で残るはモブAの工房だけとなった。


 モブA「穴は掘った! 残すは工房だけだ! 行くぞ!」


 その掛け声と共にみんなが一斉に動き出す。

 全員で材木を配置したり板にモルタルを塗ったりする。


 そうする事30分。あっという間に終わった。


 一「……あれ、もう終わったのか?」


 目の前にあるのは和風の全部木で建てられた屋根付きの工房がそこにあった。


 モブA「やっぱりモブCにやらせるのが1番早いな。」

 モブB「そうですわね。」

 モブC「ええ……やめてくれよ。」

 モブD「解散?」

 モブF「で、いいんじゃない? 俺はやりたい事あるから残るけど。」

 モブE「よっしゃー! 解散解散!」


 うp「あ〜……抜けるわ。腹減ったし。眠いし。」

 うぽつ「なら私も抜けます。皆さんお疲れ様でした。」

 

 モブAとモブF、そして俺以外は作業が終わったのでログアウトして行く。……昨日からぶっ続けの作業だったし。今日くらいは皆ゆっくり休んで欲しいものだ。


 一「だいたい帰ったけど、2人は何かやるのか?」

 モブF「ああ、ちょっとポーション作りをな。それと……」


 モブFはインベントリの中から見たことのある白い粉が入った小瓶を取り出す。なんだったっけか……あ!それは!


 モブF「ちょっと覚醒剤作りを少々……」

 一「いや待て待て待て、それ超越茸の胞子じゃねーか!」

 モブF「ははははは! 止めないでくれよ! これが1番売れるんだ!……まあ、冗談はここまでにするか。」

 一「冗談かよ……」


 焦った。まさか覚醒剤を作るとかそんな犯罪チックな事はやめて欲しい。


 モブF「これはちょっとしたドーピング剤に使うだけだ。安心してくれや。」

 一「そうか、なら安心……ってなるわけないだろ。」

 モブF「いやまあ……デメリット有りのバフアイテムって思えば別によくないか?」

 一「……そうか?」


 正直どれくらいのデメリットがあるかわからないが現実と同じ中毒性とかならダメだろうし……


 モブF「後一応プレイヤーにしか売ってないぞ。流石にドラックはヤバい。」

 一「……いやヤバいなら作るなよ。」

 モブF「いやでも結構需要があってだな……俺の収入の六分の五の収入がこれな訳で。」


 六分の五て、そんなわかりづらい。

 そんな事を考えながらも一言「それじゃ。」と言ってスキップで自身の工房へ向かって行く。


 モブA「……少しいいか?」


 スキップしながら工房へ向かうモブFを見送っているとモブAに話しかけられる。


 一「どうした?」

 モブA「いや、うーん……よし。一、今日これから空いてるか?」


 いつもより真剣な表情で話すモブA。……この後?


 一「あ、ああ。今日はもう特に用事は無かったはずだ。」


 つられて真剣に答えてしまう。


 モブA「よかった。なら今からちょっとだけ私の工房に来てくれないか?」

 一「ん? それくらいなら大丈夫だぞ?」


 やけに緊張してたから何かと思ったら、そんな事か。まあ先に言ってほしかったがまあ、いいだろう。


 モブA「ありがとう。……後、1つ、約束をしてくれ。」

 一「なんだ?」


 モブA「あの工房の中で話す事は2人だけの秘密にして欲しい。」


 一「……え?」



 一「ふぅ……」


 昇「お、やっと帰ってきたか。テレビ見てみろよ。」


 一「ん?」


 ログアウトした後昇がテレビを見ろと言うので見てみると、そこにはTHE Fantasy Dimensionの番組、【幻の次元】が流れていた。


 一「え、これいつのだ? 今日は放送日じゃ無かったはずだけど……」


 昇「ああ、録画しといたんだよ。久しぶりに使うよなこの機能。」


 ああ、録画か。なるほど。とても納得した。


 昇「で、これを見てたんだけどさぁ……コレよコレ!」


 俺は画面を見るとそこにはデカデカとバレンタイン記念!第1回超大型オークション&個人対戦大会&パーティ対抗防衛大会!と書かれていた。


 一「え、何、また大会?」


 昇「そうそう。バレンタインの次の日、二月十五日だな。その日に、しかも今回は3つもあるんだってよ。まあ1つはオークションだけど……」


 へぇ〜、なるほど。まずオークションをやって色々な武器防具を手に入れてそこから個人対戦とパーティ対抗防衛戦で使って……とかできるのか。それはいいかもな。

 そんな事を考えていると昇から驚きの発言が出てくる。


 昇「で、個人戦と防衛戦どっちがいい?」


 一「そりゃあ……え、何? もしかしてこの大会って片方しか出られないの?」


 昇「ああ、なんでも前回の大会を踏まえて2つの大会を開いて戦力をバラバラにした方が良いんじゃないか? って言うのが意見で出たらしくてさ。それでこうなったらしい。」


 はえ〜……まあでも結構バランスは保てるかもな。個人対戦向けのステータスと防衛戦向けのステータスは違うもんな。


 一「う〜ん……なら俺は防衛戦かな? 俺のステータスってどっちかっていうと多対一向けのステータスだし。」


 昇「なるほどな〜……俺は個人戦に出たい。」


 お、分かれたな。これは結構珍しいな。


 一「なら今回は別行動だな。」


 昇「おっ、珍しい! いいな! やろう!」


 俺達はイベント事の時に仕事をしてない時はだいたい一緒に行動してたりするからこう言った別行動はほとんどしない。故にとても珍しいのだ。


 昇「なら、俺はそろそろアレに手をつけようかな……」


 一「……アレ?」


 アレとは一体なんだろうか。モブFの作っているドーピング剤とかだったら正直やめて欲しいが……


 昇「ああ、いや、これは見てのお楽しみってやつだな!」


 一「あー、まあ、期待しておく。」


 一体どんな物なんだろうか。昇のドヤ顔も相まって結構気になる。


 昇「で、一はどうするんだ?」


 一「どうするって?何をだ?」


 昇「いや、人数とかどうするのかな? ってな。」


 一「あー……まあ、クランで適当に人を募ったらいけるだろ。」


 昇「それもそうだな。」



 そんなこんなで、俺達は大会に出る事を決めた。


 一「……アレやるか。」


 昇「ん? 何するんだ?」


 一「……秘密。」

腰が……あ、あとがきです。

今回から! なんと! !?マークの後ろに空白を入れてみました! これ知らなかった……こっちの方が読みやすい気がしたり、しなかったり……

次回!……少し時間が飛びます。

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